アルビ観戦記＠浦和戦 H19.9.30

アウェーの浦和戦。
アルビがＪ１に昇格してから４年が経過しますが、４年目にして初めて経験する空気です。
自分はアウェーに何度か足を運んだ経験（柏の葉・味スタ・瑞穂・駒場）がありますが、浦和戦の埼玉スタジアムはＪリーグのスタジアムでも異質であることは間違いなく理解していました。テレビや昨年の優勝決定試合も埼玉スタジアムで観戦しましたが、あの暴力的（失礼！）とも言える声援を敵として対峙するのは今回が初めてでした。
正直、連敗や主力のケガや出場停止で浦和に到着しても「テンション上がらないッスね」と一緒に行った先輩に愚痴るぐらいに高揚感が出てきません。
しかも、埼玉美園駅を降りて雨風が強く、雨が横殴りに降ってきます。テンションがただでさえ上がらない状況でしたが、浦和サポのカップルが埼スタへ向かう最中でいちゃついている姿を見て無性に腹が立ち、そこから「今日は負けねぇぞ！」と（動機はともあれ）と自分の闘争心に火が点いてきました。

しかし、浦和サポは浦和の選手が入場するとゴール裏が一体となって大声援を送ります。浦和サポの何が凄いかというと、声援が他のサポーターと比べて明らかに低重音なのです。何と言えばいいんですからね…、浦和サポの声援って相手選手やサポの力を根こそぎ奪っていくような感じでしょうか？相手とすればこれ以上怖いサポーターはいないと思います。しかし時にはそれが自軍にも跳ね返ってくるような気もしないでもないですが…。

さてさて試合ですが、久しぶりに選手の気持ちのこもった試合を観ました。
正直、闘莉王や坪井、阿部、啓太という代表クラスのメンバーがいる守備陣がいる浦和の堅守はさすがでした。当たりが厳しい上にファウルにならないギリギリのところでボール奪取するし、アルビはなかなかチャンスが作れません。
それでもシルビーニョがボールを散らして、（それなりに）人もボールも動くサッカーが展開されていました。３連敗中はボールも人も大して動いていないサッカーで、見ていても歯がゆいものでしたが、昨日は千葉戦や柏戦よりは良かったと思います。
一緒に行っていた先輩が「エジのいない方がボールや人が動くのではないか？」と話していましたが、確かにそれは感じました。エジがいる時はファーストチョイスとして「まずはエジに」という感じになり、エジの個人技で突破を図るというシーンがここ数年見受けられます。（特にアルビの調子の悪い時は）
エジがいないことで他の選手が自分から動いてパスを受けるシーンが浦和戦では見られ、エジの不在がかえっていい方向に向かいそうですが、ただエジの決定力は替えがたいものですし、なかなか難しいところですけどね。

前半終了間際にワシントンの重戦車のような突破や闘莉王のボレーシュートで危ないシーンが何度もありましたが、後半になるとＡＣＬの影響からか浦和の選手の足が止まりかけてきます。
アルビも中盤でボールを奪うとサイドから活路を見出しますが、三田のクロスの精度がイマイチでしたね…。クロスを挙げられるスペースにいたのはＯＫですが、フリーの状態でのクロスがことごとく都築の手に収まるのは歯がゆいものでした。三田の攻撃に過度の期待はできませんが、クロスの精度を上げないと内田には当分及ばない気がします。（ガンバレ、光！！）

千代反田が試合後に肩を落としていましたが、あのゴールシーンはポンテの技術の高さを褒めるしかないでしょう。
ワシントンと千葉・千代反田の競り合いのこぼれ球をポンテがダイレクトで放ったシュートですが、あれを抑えて打ち、サイドネットに突き刺すのはかなり難しいし、これではアルビの守備陣を非難することは出来ません。
個人的にはＪリーグで最も技術の高い選手はポンテだと思っていますが、こういう場面でその技術の高さを見せつけられたのは何とも皮肉な話です

正直、（最低でも）スコアレスドローを期待していた自分にとってはとても悔しい結果に終わりましたが、これが今の浦和の強さだと思います。
数年前までの浦和はエメルソンを中心とした爆発的な攻撃力で相手を木っ端微塵にするサッカーでしたが、今年になってからは連戦の影響からか、中盤でも凄まじいほどのプレッシャーをかけません。但し、ＤＦラインでは相手を潰したり、チャンスを確実にモノにするなど勝負どころを熟知している「大人」のサッカーをしている印象がありましたし、昨日の試合では特にそれを強く感じました。
こういう試合巧者ぶりを発揮すればＡＣＬ制覇は現実味を帯びてくると思います。

アルビに関しては昨日のような試合内容ならば、連敗脱出は時間の問題だと確信しました。
昨日の試合で感じたのが、エジやリシャルデス、シルビに対して他の日本人選手が任せすぎなところがあったと思います。確かに３人の個の力はそれだけで試合を決めてしまうぐらいのものですが、サッカーは１人じゃできませんし、昨日の試合では「自分達でどうにかしないと！」という思いが強く感じられました。
気持ちだけ勝てるほどサッカーは甘くありませんが、それでも圧倒的な敵地で見せた気概は今後につながる、（本当に悔しいけど）価値ある敗戦だったと思いますし、そう信じたいですね！

最後に、試合終了後に一部のアルビサポーターが浦和サポを挑発したらしく、浦和サポから大ブーイングが起きてしまいました。
試合後に相手サポにブーイングするのは異常事態ですが、その一部サポーターの一人が今、アルビレックス新潟ファンで問題視されている「ブーブーラッパ」の人でした。
彼らは終始、ＧＫの都築と何かやりあっていて、試合中も汚い言葉を吐いていました。
浦和のスタッフが「ちょっとヤバイよね」と話しているのを耳にしましたが、こういうマナーの悪い行為はアルビサポ全体に悪影響をもたらすのは間違いないですし、マナーの悪いサポーターを許さないという雰囲気をクラブはもちろん、サポーター全員が作らなければならないし、それは自分にも言い聞かせないといけませんが…。
あとは試合中に酩酊状態になったオッサンや雨の中ポンチョがなく、浦和の赤のポンチョを着ていたオバサンもいました。前述したサポも信じられませんが、個人的にはこうしたサポ（と言っていいのでしょうか？）も彼らと同じぐらいに信じられませんね。

あと、雨の中で撮ってきた写真をアップします。





北野とジェルソンです。
北野は練習終了直前にサポーターに向かって、心臓を指差していました。北野の戦う姿勢に胸が熱くなりました。
ジェルソンがここまで近くまで撮れる機会はビッグスワンでは滅多にありませんが、埼スタはピッチとの距離が短く、選手の表情が手に取るように分かります。サッカースタジアムとしてはここがおそらく日本一ではないでしょうか？





浦和戦は守備陣は奮闘していました！下を向く必要は全くない！！



浦和のゴール裏ですが、「ＵＲＡＷＡ　ＢＯＹＳ」を中心に一糸乱れぬ応援はさすがでした。
メインスタンドも手拍子や声援を送っていて、アルビのＮ１階が浦和ではメインにつながっている感じがしました。



夕食はＪＲ与野駅の大阪王将で食べましたが、右の写真は自分が頼んだ麻姿丼の大盛です！
左は先輩が注文した「普通の」麻姿丼ですが、大盛はラーメンのどんぶりに入っていました。これが来た時には思わず笑ってしまいましたが、何とか完食できました