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日々の気になる出来事を私なりの切り口で動物たちに報道させます。
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[リレー小説]ロKンローライフ第15話 中編

2006年06月01日 | リレードラマ[創作ネタ]
リレー小説「ロKンローライフ」
書き手も続きが"読めない"リレー小説デス




「ロKンローライフ」
この物語はある無名のギター野郎が
紆余曲折を経て武道館のステージに立つまでを
余すところ無くドラマ化したものになるはずであーる


前回のお話はコチラ

第15話 「ドッキリ」中編

俺のケインへの挑発行為は転じて観客への挑発行為に変わっていた。
もたつくイベントへの苛立ちもあって
殆どの客が俺に対する怒りの帰れコール。
それは野外特設ステージ全体に響き渡る。
だがその凄まじさから俺は恐怖心など吹き飛び、
気分が余計に高揚してしまっていた。

「カ・エ・レ!カ・エ・レ!カ・エ・レ!カ・エ・レ!
カエレー!!カエレー!!」


もはや満場の「カ・エ・レ!」は
広島東洋カープの往年の応援よろしく、「マ・エ・ダ!」にしか聞こえなくなっていた。
落ち着いて会場を見やる、
するとその前田帰れコールを中心になって先導しているのは
"ガングロ"と書かれた派手なハチマキとハッピを身にまとった
いわゆる"ガングロ エンド ザ ルーズソックス"の親衛隊らしきメガネの男だった。

そいつは拳を高々と振り上げ、今にも俺に襲い掛からんばかりの形相で
近くに陣取っている仲間と見られる親衛隊達に対し「帰れコール」を煽っていた。
「なんでコイツらにここまで言われなきゃいけないんだ??」
これにはさすがの俺も腹が立ったのでその挑発についつい乗ってしまい、
中指を立てて"FUCK YOU!"とメガネ野郎に威嚇した。
するとそいつは一瞬驚いた顔を見せたが、
次の瞬間右手をスッと差し出したかと思うと
おもむろに中指を立ててきた。
しかしどうもおかしい。
よく見ると中指と一緒に薬指も立てており
まったく意味不明なサインで応戦してきたではないかっ!

「ツ、ツーフィンガー!!・・・・てか、その方がやりにくいやろ」

しかもやり慣れてないからか、その薬指は少し震えている。
俺は怒りとともに笑いをこらえるのが必死で涙が出てきた。
喜怒哀楽をいっぺんに体感できた瞬間だ。
と、悶え苦しみそうな思いの俺にリッキーが怒鳴った。

「オイ、オマエ、ココをどこだと思っている?
子供の遊び場じゃないんだよ。あぁ?
わかってんのかコラ!
・・・アレだぞ、オマエ・・ただじゃすまんぞ」

さすがに俺も今おかれてる立場に気付き我に返る。
すると今度はバツが悪そうに隅っこで小さくなっていた
葵に向かってリッキーが問いかけた。

「オマエら、アレか?コイツは正式なメンバーなのか?あぁ?」
「あ・・・・えっと・・・実はちょっと・・・・・」
「何だ?予選もコイツがギターやってたんじゃないのか?」
「えっ・・・あのっ・・・予選は本物の優衣で・・・・」
「あぁ?読めないな」
「・・・・・・・」
「・・・・ちゃんと全部話せコラァ!!!」
「キャッ」

持っていた台本を思いっきり葵の顔めがけ放り投げたリッキー。
これには観客も一瞬引いた。
いや、むしろドン引きだ。
だが俺はその高慢な態度が気に入らなかった。

「ちょ、待てや。俺が悪いねんから葵らはカンケーないやんけ!
文句があるなら俺に言えや!」

するとどうだ、
この発言にさっき俺に対して挑発してきたメガネのガングロ親衛隊が
「そうだそうだ!」と呼応したのだ。
どうやら葵たちを責めるリッキーが今度は敵になったらしい。
俺はすぐさまそいつに親指を立てて「グッジョブ」と合図を送った。
するとそいつも俺の気持ちを察したらしく、
ニヤッと笑みを浮かべたかと思うと、
親指と今度は何故か小指も立てて「テレフォン」サインを送り返してきたのだ。
その姿を見て俺は再びはらわたがよじれそうな思いをし、
さらに「何でオマエに俺が電話せなあかんねん」
というツッコミが脳裏を駆け巡り、また涙が流れてしまった。
その時だった。

「はい、はい、はい~皆さんお疲れさま~」

ステージの奥からこのイベントの司会者でもある、
ラジオのDJでお馴染み、鯉貝ケンがニコニコしながら入ってきた。

「皆さ~ん、コレコレ」

持っていたのは近くにあったもので適当に作ったとしか思えないプラカード。
そこには大きく「ドッキリ」と書かれていた。
これには俺も客も、
いや会場全員の頭の上に「?」マークが3Dで飛び出した。

するとリッキーがいきなり笑いながら言った。

「なんだぁ・・・驚かすなよぉ・・・何々?どこからでつか?」

と何事も無かったかのようにわざとらしい安堵の表情を浮かべた。
そのにこやかなリッキーの笑顔に、
さっきまであっけにとられていた観客もほっとした様だ。
瞬間「なんだそういう事か」という雰囲気が会場内に立ち込めた。
この1枚のプラカードによって
"ガングロ"の一連のエキシビジョンステージから俺の登場、リッキーの暴行も
ただのドッキリ演出だったという事で落ち付いたのだ。

俺たちは複雑な表情を浮かべながらも
"仕掛け人"という体(テイ)でそのまま舞台袖にはけることができた。
だが、"ガングロ"の楽屋に帰るとすぐさまリッキーが睨みをきかせ入ってきた。


第15話「ドッキリ」中編 終わり

この小説はフィク・・・です



で、あとがき。

この混乱をこの方法でまとめちゃいました。

さぁさぁ、
一旦は観客を静められたものの、
主人公が決勝の舞台に出場できるとは限らない。
果たしてリッキーの出した結論は!
ガングロ親衛隊の運命は!
そしていよいよ天下一音楽会決勝進出者の全貌が明かされる!

と、
とりあえず盛り上げて次回の後編へ。

(3編に分けたけどお話自体はそんなに前に進んでないです)

ロKンローライフ 第15話 中編 終


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Good Job!! (きゃす☆)
2006-06-02 00:38:08
いいよ。

返信する
途中で送ってしまった。 (きゃす☆)
2006-06-02 00:41:11
いい感じ。

こっちもむかついてきたし。

リッキー達フロントがそうくるなら・・・て気分にもなった。



返信する
きゃす☆さん♪ (ota)
2006-06-02 10:22:34
あざーーっす。



で、後編ではきゃす☆さんが身を乗り出して描きやすいようにネタ振りするつもりですのでよろしく♪



>リッキー達フロントがそうくるなら・・・て気分にもなった



体制との対立構造か・・・それもアリやな

(ってそういう方向ちゃうかったんかいっ!)

でも今回、描きたかったケインの立場を描けずじまいです・・・。

まぁええか。
返信する

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