◇OSS◇読みたい本:IT投資マネジメントの発展(松島柱樹編著/白桃書房刊)

2007-05-06 16:29:59 | IT・読みたい本
 IT化投資効果の算定というものは簡単のようでなかなか難しい。企業がIT化投資を行うのは、経理処理を代表とする事務処理の効率化から始まり、現在では企業活動のあらゆる分野に広がってきている。もう経理処理を手作業で行う企業はないので経理処理にIT化投資効果うんぬんはあまり意味がない。しかし、IT化投資が企業のあらゆる分野に広がると、そうも言っておられない。昔は経営層はシステム門長の話を分からず聞き流し「何かよく分からないが君がそんなに言うのなら印を押そう」といってシステム導入が決まることも少なくなかった。しかし今そんなことをしたら企業経営に大きな影響を与えてしまう。
 
 ここから話がややっこしくなる。つまり、経営トップから「IT化投資をした成果はどうなんだね?君」と言われたら答えにちょっと困る。「直ぐに効果は現れません」では小学生の答えと変わらない。IT化投資に熱心な企業とそうでない企業の10年後の差は歴然としている。しかし「今年IT化投資をいくらすれば、来年に効果がこのくらいでる」という方程式は存在しないし、これからもそんな方程式は編み出されないであろう。この“タブー”に挑戦したのがこの本だ。なぜOSS化が必要なのかということも、IT化投資効果という観点から見てみないと、単なる技術屋の自己満足に終わってしまう。(ossdata)

http://www.hakutou.co.jp/detail/class_code/24467/


1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
OSSの効果とは (matsushima)
2007-05-18 16:50:33
業務アプリの効果は、まだいいけど、OSSのような基盤にかかわる議論は、単なるコストだけが着目され、結局、失敗してしまう。MS憎しではなく、自由度、裁量性のよさを、うまく評価したいですね。