◇OSS◇しまがねOSS協議会が「地域づくり総務大臣表彰」を受賞

2008-03-02 19:33:47 | OSS・ニュース
 しまねオープン・ソース・ソフトウェア協議会が総務庁の「平成19年度地域づくり総務大臣表彰」を受賞した。受賞理由は「OSSの普及活動による地元IT産業の振興、若年者の地元定着」で、①地方からの情報関連事業の企業②「戦略は辺境の地から起きる」という経済学仮説の成功に期待したい③地元IT産業の振興により、雇用の場の確保、若者の地元定着が図れるなど、情報化による地域振興として期待がもてる。ITビジネスにおける東京一極集中に歯止めをかける取り組みとしても評価したい。

 <短評>今、地方単位でOSSの組織が生まれ、活発な活動が展開されている。その代表的な組織として、しまねOSS協議会が今回「地域づくり総務大臣表彰」を受けたわけである。これまで日本のソフトウエア産業は、大手IT企業が元受となり、下請け、孫受けと連なる産業構造を取ってきた。しかし、この構造ではやがて破綻がやってくることは確実だ。一つは特に自治体のシステムが硬直化してしまうこと。大手が収益を第一に考えシステム構築すると、柔軟性のあるシステムを実現させることは難しい。

 さらに、オフショアに代表されるように、わが国のソフトウエア産業に黒船が出現し、国内のソフト開発の業務を一挙に持ってしまう可能性が出てきたことだ。これまで、日本語という障壁でわが国のソフト産業は安泰であったが、中国、インドをはじめとする海外のソフト会社が日本市場での活動を開始するのに従い、受注に自信を深めてきている。この結果、下請け、孫受けの中小ソフト会社は、大手IT企業から見捨てられる可能性が出てくる。

 今後のわが国のソフト産業を考えると、地域ごとに組織化し、オープンな仕様に基づく新しい考え方に立つことが、生き残りの切り札になってくる。つまり、ソフトウエア業として自立できるか、否かが問われているわけである。この際、OSSは有力な武器になることは間違いない。今後、全国各地でソフトの地場産業と自治とがOSSを中心にガッチリ組み、都市部と地方の格差是正に向け走り出すことが、欠かせない。(ossdata)

http://www.soumu.go.jp/s-news/2008/080220_4.html