◇OSS◇IPAが「06年度自治体におけるOSS活用に向けての導入実証」の結果を発表

2007-07-29 21:20:42 | OSS・ユーザー
 IPAは06年度「自治体におけるオープンソースソフトウエア活用に向けての導入実証」の結果を発表した。これはオープンプラットフォーム非依存なIT環境の普及を図り、デスクトップを含む情報システムのTOC削減を図ることを狙いとしたもの。今回実施した自治体は山形県、栃木県二宮町、千葉県市川市、大分県の4自治体。

 <短評>総務庁は7月から実施された「情報システムに係る政府調達の基本指針」において「オープンな標準に基づく要求要件の記載」の方針を打ち出している。デスクトップソフトでいえば、「Microsoft Office」を取るか「OpenOffice.org」を取るのかということになるが、OpenOffice.orgの方が「オープンな標準」に近いことは間違いがないところ。しかし、現実にはMicroSoft Officeが圧倒的に強い現状では、OpenOffice.orgを、いかにMicroSoft Officeとインターフェイスを取るようにするかがカギを握る。一方、マイクロソフトもノベルとの提携を強め、OSSへの歩み寄りが見える。両陣営の今後の展開に目が離せない。(ossdata)

http://www.ipa.go.jp/software/open/ossc/2006/stc/report/index.html

http://www.soumu.go.jp/s-news/2007/070301_5.html

◇OSS◇「Ruby(ルビー)・ビジネス・コモンズ」が7月31日に設立総会

2007-07-27 21:08:50 | OSS・ミドル
 まつもとゆきひろ氏が1993年に開発したOSS対応のプログラム言語「Ruby(ルビー)」に関するビジネス団体「ルビー・ビジネス・コモンズ(RBC)」の設立総会が7月31日に福岡市で開催される。今回の設立の発起人はイーシー・ワンで、同社の開発拠点があったため福岡市に事務局が設置されることになっている。Rubyは開発効率が高く、しかも習得が容易なため全世界で利用者が拡大している。今回「RBC」が設立されることにより、今後ビジネス市場での適応が加速されるものとして期待されている。

 <短評>Rubyは日本で誕生し、ユーザーが世界に広がっている数少ないソフトの一つ(唯一?)として知られている。まつもとゆきひろ(本名=松本行弘)氏が一人で開発した。優れたソフトウエアは、プロジェクトを組んで開発しても、“船頭多くして船前に進まず”の例え通り、これまで上手くいったためしがない。今回の「RBC」設立で注目される一つは福岡市を巻き込んだ点。つまり新しいソフトには新しい雇用が生まれるチャンスがあるわけで、赤字に苦しむ全国の自治体にとっても大歓迎だ。今後のソフト産業のあり方として注目される。(ossdata)

http://jp.sun.com/communities/open/directory/ruby.html

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/economics/20070724/20070724_003.shtml

◇OSS◇個人参加のLinuxスキルコミュニティ「ノベルLinuxチャンピオンズ・クラブ」が発足

2007-07-25 20:42:50 | OSS・ニュース
 ノベルは、個人参加によるLinuxスキル共有コミュニティ「ノベルLinuxチャンピオンズ・クラブ」のアジア太平洋地区支部を発足したと発表した。これはヨーロッパでの同クラブの成功を受けたもの。最終的にはアジア太平洋地域においてLinuxフレンドリーなエコシステムを構築することを目的としている。

 <短評>ノベルは既に「ノベル・パートナーネット」を持っている。これはソリューションプロバイダーなどの法人が参加しているもの。これに対し今回の「ノベルLinuxチャンピオンズ・クラブ」はテクニカル・エンジニアなどの個人が参加するコミュニティ。ヨーロッパでは1年前に立ち上げたが、現在メンバーは3000人に達し、30以上のSUSE Linux関連プロジェクトが立ち上がっているという。今回アジア太平洋支部を立ち上げたことは、同地域のLinuxをはじめとするOSSの発展に大いに貢献することになろう。(ossdata)

http://www.novell.com/ja-jp/JP/news/press/30ce30eb300130a230a2592a5e736d0b573057dfnovell-linux-champions-club3092767a8db3

◇OSS◇NECソフトがリッチクライアント・アプリケーション統合開発環境を日本語でOSS公開し普及へ

2007-07-22 21:20:49 | OSS・ミドル
 NECソフトは、独自に開発したOSS対応のリッチクライアント・アプリケーション統合開発環境「J-alcedo(ジャルシード)」を、世界最大のOSS公開サイト「Sourceforge.net」で公開するとともに、今回日本語Webサイトでも公開することになり、これにより日本国内におけるOSS開発者との積極的な交流を促進することになった。「J-alcedo」はJavaによる開発の効率化を目的としたOSSで、「Eclipse」のプラグインとして動作する開発環境。

 <短評>NECソフトはJava統合開発環境「Eclipse」に関して積極的な取り組みを行ってきたが、この中で開発されたのがOSS対応のリッチクライアント・アプリケーション統合化環境の開発環境「J-alcedo」。同社ではOSSのメリットを生かし、「J-alcedo」の普及を推進しているが、この分野は既に各種のツールが市場に出回っており、今後の普及には組織化がカギを握るものとみられる。これから各社から独自開発のソフトのOSS提供のケースが増えてくるとみられが、今回のNECソフトがこれらのお手本となりうる可能性がある。その意味からもNECソフトには頑張ってもらい、成功してもらいたいものだ。(ossdata)

http://www.necsoft.com/press/2007/070621.html


◇OSS◇サイオステクノロジーがプロジェクト管理ソフトをOSS公開

2007-07-20 21:41:34 | OSS・アプリ
 サイオステクノロジーは、Web対応のプロジェクト管理ソフトウエア「ProjectKeeper」のベーター版をOSSとして公開した。「ProjectKeeper」にはプロジェクト管理に必要とされる機能が実装されており、Webアプリケーションとして複数の拠点や企業とのタイムリーな情報共有の実現が可能となる。07年8月からは「Ver.1.0」の提供を開始し、企業ユーザーが安心して使えるように有償のサポート/サービスも提供する。

 <短評>プロジェクト管理ソフト自体は古くからある。そのほとんどがPC単体対応のクライアント専用ソフト。また、サーバー対応のソフトは高価で普及していない。今回の「ProjectKeeper」はWeb対応機能を有しており、企業ユーザーでの導入が見込まれる。今回、サイオステクノロジーではプロジェクト管理ソフトをOSSとして公開したが、似たようなアプリケーションソフトはごろごろあるのではないか。つまり、重要なソフトではあるが高価すぎて普及しない、また、スタンドアロン用ソフトのみででWeb対応がされずに、その結果普及しないアプリケーションソフトのことである。このような場合、思い切ってOSSで無償公開し、サポート/サービス料で収入を得る方策を考えるべきだ。そして、その分野でトップシェアを握れば次の展開が開けてくる。大いに検討する価値はあると思う。(ossdata)

http://www.sios.com/news/press20070704.html

◇OSS◇OSJがOSSによる地域ソフト企業活性化オフィスを宮崎市に開設

2007-07-18 21:06:57 | OSS・ニュース
 オープンソース・ジャパン(OSJ、角田好志社長)は、国内地域リソースの活用に向け、青森に続く第2弾として宮崎市に宮崎オフィスを開設し、OSS活用による地域活性化への取り組みを一層強化した。業務内容は①開発業務=OSJ本社で受託したシステムの開発業務②地場企業との連携=システム開発業務等の共同実施など③独自業務=県内企業・自治体へのOSSシステム提案・構築。

 <短評>OSJはわが国のOSS専門企業の草分けの1社として、これまで多くのOSS事業を展開してきた。中でも興味深い事業展開がOSS活用による地域活性化への取り組みである。これまで、OSSにより地場ソフト企業の活性化を図ろうという考え方について、いろいろな議論が戦わされてきたが、いざ実践となるとほとんどが様子見に終わってしまっている。
 ところがOSJだけが独自にこつこつとOSSによる地場ソフト企業の活性化の実践に踏み切っている。いくら議論をしても道は拓かれない。特にソフト産業は議論好きが多いのか、実行力が欠如しているのかは知らないが、一年中議論ばかりしてなかなか前に進もうとしない。その点OSJがえらいのはとにかく実践第1に考えているところだ。
 今回青森に続き宮崎にOSSによる地場ソフト企業活性化オフィスを開設した。わずか1名でのスタートだが、今後わが国のOSS発展に大きな足跡を残すことになろう。また、そうなるよう周りの関係企業が支援をしていく必要がある。足の引っ張り合いみたいなことをしても、誰も得をしないことを肝に銘ずべきだ。この際、東国原知事に直接掛け合って支援を要請してみるのも一つの手だ。今なら宮崎県が後押しをしてくれるかもしれない(ossdata)

http://www.opensource.co.jp/item/244

◇OSS◇富士フイルムと電通の合弁企業F2MがOSS対応ネット通販システムを開発・販売

2007-07-15 19:54:15 | OSS・アプリ
 F2Mは、NRIの技術供与を受けOSSの次世代ネット通販システム「OMMERCE(オマース)」を開発した。これはNRIのECサイト専用のOSS基盤「OpenStandia」を採用したもので、信頼性・拡張性の高いネット通販システムの構築が可能となる。実績のあるアプリケーションを活用したことにより、短期間でのネット通販システムの構築ができ、OSSに活用によりシステムコスト(初期コスト+ランニングコスト)の削減が可能。また、サーバー増設時でもライセンスコストが不要なため、柔軟なリソースの追加が可能。さらに、OSSから生まれる最新のインターネット技術を迅速にシステムに取り入れることが可能になる。

 <短評>F2Mは06年6月に設立された富士フイルム(66%)と電通(34%)の合弁会社で、インターネットや携帯電話による①ネット通販支援事業②広告メディアセールス事業③広告メディア事業などを展開している。今回OSSによるネット通販システム「オマース」を開発し提供を開始することになった。OSSは従来、基本ソフトやミドルウエアを中心に展開してきたが、今後の焦点はアプリケーション分野である。今回の「オマース」の発表は正にこのタイミングにぴったり合った発表といえる。同社ではシステムコストの削減のほかに、サーバー増設時でもライセンスコストが不要になるため、柔軟なリソースの追加が可能であることなどをOSS採用のメリットとして前面に掲げ販売することにしている。(蔵 志津久)

http://www.f2m.co.jp/ommerce.html


◇OSS◇米IBMが150以上のソフトウエアの特許を公開

2007-07-13 23:22:07 | OSS・ニュース
 米IBMは、150以上のソフトウエア関連標準の実装について特許を開放した。これにより、商業ソフトウエアおよびOSSコミニティでの利用おいて、より多くのコンピューター機器やソフトウエアの互換性の実現が容易になるという効果が期待できる。

 <短評>米IBMはこれまでにも、OSSコミュニティにソフトウエアを公開してきた実績があるが、今回はその延長上にある施策だ。IBMがこれほどまでにOSSやソフトウエアの特許の公開にこだわるのかというと、メーンフレーム時代が終焉し、ハードウエアからの収益が見込まれなくなりつつある現在、同社はソフトウエア事業とアウトソーシング事業に傾注しつつある。そしてソフトウエア事業でヘゲモニーを取る手っ取り早い方法は、ソフトウエアを公開し市場のリーダーになることだ。その後に利益が付いてきて“メーンフレーム時代が終わってもIBMは不滅です”ということになるという筋書きだ。果たしてIBMの21世紀戦略は思い通りに行くのであろうか・・・。(ossdata)

http://www-06.ibm.com/jp/press/20070712001.html

◇OSS◇マイクロソフトとターボリナックスがオフィスソフトプラグイン開発で技術協力

2007-07-11 19:58:29 | OSS・ミドル
 マイクロソフトとターボリナックスは、マイクロソフトが推進しているOSSプロジェクト「Open XML-ODF Translator」において、ターボリナックスが日本語版、中国語版の開発で技術協力することを発表した。「Open XML-ODFTrsnslator」は、マイクロソフトがリリースしたファイル変換ツールで、「2007Microsoft Office system」に採用されているファイルフォーマット「Open XML」のファイルを、「OpenOffice.org」に採用されているオープンスタンダードドキュメントフォーマット「OpenDocument Format(ODF)」に変換することができる各オフィスソフトウエアのプラグインのこと。

 <短評>マイクロソフトはごく最近までOSSは違法ソフトであると断定し、排斥キャンペーンを展開してきたが、形勢が不利とみるといなや、一転して自らOSSプロジェクトを立ち上げたらしい。まことに変わり身が早いというか、節操がないというか、一筋縄ではいかない会社だなあと言うのが率直な感想だ。でも今回のプラグインソフトが完成すれば、ワードやエクセルとOpenOffice.orgとの連携が可能となるわけで、OSS陣営にとって大いに歓迎すべきことには違いはない。ただ、マイクロソフトがここで白旗を揚げたかというと、決してそのようなことはない。今回の対応は、今後の流れはオープンスタンダードに則っているかどうかが導入の基準となりつつあることへの、当面の回避策に過ぎない。グーグルもオフィスソフトは持っているし、Microsoft Office互換ソフトもある。マイクロソフトがむざむざと市場を奪われるのを見ているわけがない。何か次の一手を編み出そうとしているのに違いない。(ossdata)

http://www.turbolinux.co.jp/cgi-bin/newsrelease/index.cgi?date2=20070610145432&mode=syosai

◇OSS◇レッドハットが中堅企業向けなどの新パートナープログラムを開始

2007-07-08 19:11:55 | OSS・ニュース
 レッドハットは、システムインテグレーターおよびソフトウエアを対象とした新しいパートナープログラム「Red Hat Ready Business Partner」を開始し、ビジネスパートナー支援体制を強化した。パートナー制度の対象企業を拡大し、今年度(08年2月末)で50社の参加を見込んでいる。これにより首都圏以外の中堅企業、ベンチャー企業、大学をはじめとする教育機関へも、OSSの導入を拡大していく。

 <短評>これまでLinuxをはじめとしたOSSは大手企業を中心に導入が行われているが、中堅企業はまだまだといった状況にある。しかし、潜在需要は中堅企業は決して小さくない。それはオフコンの導入企業である。オフコンは長年の導入実績を持っており、今後これらのオープン化が求められる。この需要にはLinuxサーバーが最も適している。しかしこれまでLinuxサーバーを中堅企業に普及させる体制は整備されていなかった。今回のレッドハットの新パートナー制度はこれらの穴を埋めるものとして期待される。(ossdata)

http://www.jp.redhat.com/news_releases/2007/07052007.html