名探偵ホおむズ 事件簿034 |
名探偵ホおむズは、女嫌いのカタブツである ―― と思われている。 しかし実際には、人を深く愛することができる。 |
|
ホおむズを翻弄する謎の美女、アイリーン・アドラー。 蓮っ葉な女だと思われているが ―― 実は、純な心を持っている。 |
|
「ね、ホおむズさん。耳よりな情報を教えてあげるわ」 | |
「何? 耳よりな情報だと?」 | |
「またガセネタじゃないだろうな?」 「とんでもない。もの凄く貴重な情報なのよ」 |
|
「大きな声じゃ言えないわ。ちょっと耳を貸して」 「よかろう」 |
|
「いいこと? 言うわよ? 今から言うわよ?」 「勿体ぶらずに早く言えっ」 |
|
「あ・い・し・て・る!」 ちゅっ |
|
「わわ~っ!?」 | |
「ふ、ふざけるなっ」 「あら、ふざけてなんかいないわ」 |
|
「とっても貴重な情報でしょ?」 「い、いやその、何と言うか……」 |
|
「ねえホおむズさん、素直になって」 「や、やめろ」 |
|
「恋愛なんぞに興味はない! とっとと消えろ!」 「そ、そんな……」 |
|
「……」 | |
「……」 | |
しょんぼり | |
「……」 | |
「おい、アイリーン」 | |
「な、何よ……」 | |
「情報の続きを聞かせてくれ……」 | |
いいなあああああ。
仕事人間のホおむズは、素直な愛情表現ができず、
「情報の続きを」なんていう野暮な言い方をしてしまいます。
でも、アイリーンにとっては、それで充分。
ホおむズが心を開きつつあることが、聡明な彼女にはよくわかるのですね。
アイリーンがホおむズに駆け寄るラストシーン。
カメラは引いて俯瞰になって、セリフは聞こえません。
それがかえってムードを高め、深い余韻を残します。
おかかさんも、おむさんもほんっと、可愛いなぁ~。
「桃」
http://blog.goo.ne.jp/orz_z/e/3e1643b28f10285bf5514280391aae8c
桃ではなくて、イチヂクだとも言われている。