三年後

2010年02月24日 16時24分00秒 | B地点 その他

 

 

この日、見慣れない猫がいた。
私(作者)は、地域猫ボランティアさんに、写メで問い合わせてみた。
すると、驚いたことに、三年ほど前にこの同じ場所にいた猫であるということが判明した。

当時、ボランティアさんが、給餌や去勢をなさったそうである。
この猫には特殊な身体的特徴 ―― 胸部の突起(胸軟骨の突出だそうだ) ―― があり、現地にお越しになったボランティアさんによって、個体が同定されたのである。
漸く、私も思い出した。

当時は、地域猫として去勢済みであることの印として、耳にピアスを付けていた。

だから私はこの猫を、ピアスちゃんと呼んでいた。写真も撮った。

ほぼ三年ぶりに再会したわけである。


参照:

うふふ
えへへ
猫が勇めば花が散る

さて ―― このピアスちゃん、痩せている。
動作も緩慢である。
バッグに乗ったりもするが、
元気がない。
膝に乗せても、ぐったりしている。
ボランティアさんは、ピアスちゃんを保護するという決定をなさった。

ご依頼を受けて、私も微力ながら、預かりのお手伝いをすることになった。
ピアスちゃんは水は飲むが、餌を食べない。

そして、嘔吐した。

吐物は白い泡であった。
撮影時は気付かなかったが、ここに写っている白い泡も、やはりピアスちゃんの吐物だったのである。
この日の晩、(これらの写真が撮影された後、)ピアスちゃんは病院で検査を受けた。その結果、FeLV陽性であることが判明した。
また、脱水状態であったため、病院では輸液も行われた。

ピアスちゃんはそのまま入院した。
翌日、ピアスちゃんは転院した。

更に詳しい検査の結果 ―― ピアスちゃんは既に末期のがんに冒されており、余命いくばくもない、という診断が下った。
ピアスちゃんは治療を受けながら闘病したが、八日後(03月04日)に息を引き取った。
ピアスちゃんは、最期の日々を、ボランティアさんの献身的な愛情に包まれて過ごしたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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7 コメント

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Unknown (ななす)
2010-03-13 01:19:30
ピアスちゃん・・・うわ~ん
せつない・・泣けてきた
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ピアスちゃん安らかに (ちゅまん2005)
2010-03-13 10:19:35
偶然とはいえ、ピアスちゃんが戻ってきたのは
多分その場所がピアスちゃんにとって安らげる所
だったのでしょう・・。
優しいボランティアさんのお陰で
ピアスちゃんは最後の時を安らかに逝けたのですね。。ピアスちゃん。。安らかにね
そしてボランティアさん。。ありがとう
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哀しいけれど (小豆)
2010-03-13 10:43:33
切ないけれど、それでもなんだか安堵した気持ちになりました。
ピアスちゃんは最期に、優しい人たちが迎えてくれる場所に3年ぶりに!そこへ帰ってきたんですね。
みなさんの愛情に包まれてあたたかい場所で眠れたのですね。
ボランティア様、預かり様、感謝します。
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Unknown (たま)
2010-03-13 11:12:19
ピアスちゃん。。。
ここで優しくされていた事を思い出し、帰ってきたのかな?
最期は優しさと愛情に包まれて、幸せを感じて旅立てたんだろうと思います。

名無レさんをはじめ、ボランティアさんの献身的な活動に感謝です。
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Unknown (作者)
2010-03-13 12:32:26

末期がんで衰弱している状態のピアスちゃんが、
三年近い空白の月日を経て、この同じ場所で再び見出だされたのは
なぜなのか、どうしてなのか、いかにしてなのか、
人為が介在しているのか、いないのか、
これらの点については、実はいくつか情報があり、
或る程度の判断を下せるだけの材料があります。
しかし、判断と申しましても、所詮は、推測の域を出ません。
ここでは、それらの点については、触れずにおきます。

翌日は春一番が吹きましたが、
翌々日は冷たい雨、その次の日も、雨でした。

ピアスちゃんの体は、
大きな腫瘍によって食道や気管が強く圧迫されている状態だったそうです。
実際、食事も摂れず、嘔吐を繰り返していたわけですから、
もし、ボランティアさんに保護されなかったら、
ピアスちゃんは、雨に打たれ、餓えと寒さにさいなまれて、
苦しみながら、むごい死を迎えたでしょう。

ボランティアさんのおかげで、
ピアスちゃんは、最期の日々を、
高度な医療を受けつつ、暖かい部屋で過ごすことができました。

私がここで言いたいのは、
ピアスちゃんの最期の日々は、ぬくもりで満たされていた、ということなのです。

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Unknown (ルナの兄ちゃん)
2010-03-15 23:36:15
ここは、ちっちゃな幸せの吹き溜まりが在るんだな。
ちっちゃいけど、あったかいんだ。
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どうもありがとう (作者)
2010-03-15 23:43:23
そのように美しい考え方・感じ方をして下さるとすれば……
ささやかな記録を日々綴っている者として
最上の喜びです。
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