-畑沢通信-

 尾花沢市「畑沢」地区について、情報の発信と収集を行います。思い出話、現況、自然、歴史、行事、今後の希望等々です。

畑沢の楯跡調査にも新技術が投入される! かな?

2020-03-14 12:38:56 | 歴史

 畑沢には楯跡が4つ見つかっています。最も大きくて南端にある「背中炙り峠の楯跡」、山楯の地名が残っている「山楯」、その隣には「おしぇど山の楯跡」の3つは、大まかな作業でしたが調査を終えました。しかし、最後に見つかった上畑沢の楯跡は全く調査しておりません。

 私はきちんと測量的なことを行う技術も気力も持ち合わせていず、最初から諦めています。そこで、これまではGoogle Earthの航空写真の上に、現場で確認した植生や樹冠などを目印にして図面を作っていました。ただ背中炙り峠の楯跡だけは1947年の航空写真が手に入り、皆伐されて地面が丸裸になった姿に古道や楯跡の輪郭が見えましたので、かなり正確に図面化することができました。つまり、どれも距離を測るなどは殆ど行っていません。

 ところが、上畑沢の楯跡においては、Google Earthが使い物になりません。植生の違いが出てこないのです。しかも、明らかに地形の特徴があるにもかかわらず、地形図の等高線に表現されていません。手掛かりになるものがありません。幸いにも地形図には三角点という基準点が表示されていましたので、ここを手掛かりにして楯跡まで順に位置を特定できる可能性があります。そして、楯跡の中心部などに新たに基準点を設ければ、図面を作成できることになります。しかし、あくまでもきちんと測量すればです。

 ここまで追い詰められると、いくら面倒くさがり屋の私でも測量の基礎的な事を勉強しない訳にはいきません。ネットで基本を勉強しました。とりあえず理屈だけは分かりました。理系ですから理解はできます。しかし、最も必要な技術はありませんし、簡単な道具もありません。山登りに使っているコンパスはありますが、私同様にかなり大雑把な器具で、測量に使える精度がありません。外にも様々な物が必要です。かと言っても測量器具を購入する資力も気力もありません。ところが幸いにもネットのオークションで手ごろなものを入手することができました。出品者が大事に保管されていたようで、正確に作動しました。箱入りの平板測量用道具です。

 

 箱には磁針箱が入っています。その中から主要なものを紹介します。

 所謂、箱型のコンパスと言えば分かりやすいかと思います。針が長いので、方向をより正確に示すことができます。写真中の下のコンパスは私が山登り用に昔、購入したものですが、北と南を反対に指します。レア物です。余談になります。NSを反対方向に直す方法もありますが、私はこの丸いコンパスを信用していません。とんでもない酷いことになった苦い経験があります。

 

 次にアリダードという方向を特定するものです。照準儀と訳するようです。いかにも精密機械の雰囲気が大好きです。正確に方向を決められ、さらに距離と迎角又は俯角が分かれば、三角関数も使いながら、その場で縮尺した線を紙面に記すことができます。

 

 オークションで確保した物だけではなく、自作した簡単な測量器具もあります。下の写真は迎角や俯角を図る分度器です。私の子どもが小学生時代に買わされた粘土板を使っています。我が家にはもっとあります。放射線の中心部から伸ばした糸の先端に錘(おもり)を付けました。錘にはボールペンを用いました。こんなところに私らしさが出てしまいます。

 

 平板測量と言われる所以の「平板」です。カメラ用の三脚に少しの細工を施しました。テーブル板は家の中にあった物で間に合わせました。軽さだけが取り柄です。本来の平板はもっと大きいのですが、私が測量する範囲は狭いので、これで十分です。三脚は大分、前にリサイクルショップで800円で購入したものです。

 

 平板の裏はこんな具合になっています。本来の平板とはかなり異なります。三脚に板を取り付けただけです。

 

 三脚のクイックシューから真ん中のネジ部分を外して、四隅に木ネジで板に貼り付けました。実に簡単な平板の完成です。測量が終われば、再びカメラ用に使うことができます。

 以上で測量に必要なものが全て揃ったわけではありません。肝心な物は距離を測定する道具です。長い巻尺かデジタルの距離計が必要です。巻尺でいちいち測るのも面倒ですし、デジタルの距離計を購入するのも年金生活者には苦しいし、頭が痛くなります。

 何方かデジタルの距離計を貸してください。できれば御一緒に測量しましょう。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿