にいはんは周回遅れ

世間の流れとは違う時空に生きる

この差はどこから来るの?

2006-12-20 | オーマイニュース

オーマイニュース(以下OMN)市民記者交流会を伝える日韓の記事の違いです。

まず日本は編集部から午前中の様子と午後の予定を伝える記事が1本、市民記者からの記事が3本。ただし交流会の模様を伝えた記事は1本だけで、残りは他の主題に交流会に参加したことを付け加えているだけのものです。

対する韓国ではサイト内に特集カテゴリが設置され、編集部からの記事は2本、市民記者からの記事が6本、関連記事として在日市民記者の記事が1本掲載されています。

これだけを見ても差があるのですが、内容について踏み込むとその違いが歴然と表れます。

日本で唯一の編集部による記事は、講演の内容を紹介するだけで、今回の主役である日韓市民記者の顔が見えてきません。曲がりなりにも市民記者の顔が見えてくる記事は、当の市民記者による1本だけです。

では韓国の記事はどうか。編集部の記事は詳細です。まず最初に交流会当日の模様を伝え、その後2泊3日の道中を写真を中心にまとめています。市民記者からの記事は、6本中5本が合同取材の模様を伝えるものです。交流会では6つのグループに分かれて合同取材を行ったそうですが、既にそのうち5つのグループから記事が上がっています。そして残り1本が主婦グループの交流を伝えたものとなっています。

掲載記事一覧(Naver翻訳)

編集部その1
編集部その2
教育グループ
スポーツグループ
暮らしグループ
主婦グループその1
主婦グループその2
大学生グループ
在日市民記者による関連記事

韓国発の記事に共通するのは市民記者の顔が見えるという点。日韓市民記者の交流の様子がリアルに読者に伝わってきます。写真を多用し、出席者の名前を明らかにしているので記事に対して親しみが持ちやすく、誰が書いたか、誰がその場にいたのかが非常に身近に感じられるのでしょう。書き手が読者に伝えたい気持ちの大きさが、彼らの記事からはっきりと感じ取れました。

これは実名による責任ある発言を標榜しているOMNには大変重要な点です。何を書いたかではなく誰が書いたかを重視するのであれば、市民記者は今よりも自らをオープンにするべきだと考えます。ただ実名で記事を投稿するだけでは、名前はただの記号にすぎず、ハンドルネームや匿名と変わりません。一部にはその点を利用して「実名だから何を言っても構わない」といわんばかりの市民記者がいることも悲しい現実です。その記者がどういう人なのかがわかってこそ、匿名記事との差別化ができ、OMNの存在感が増すのではないでしょうか。

そして今からでももう一度日本のOMN編集部に考えてほしいのは、市民記者交流会の開催目的であり、意義です。各メディアで苦戦が伝えられる現状で、大掛かりなイベントをやってOMNの認知度を上げるつもりではなかったのですか?

残念ながらここまでの交流会関連記事を読む限り、その姿勢は伝わってきません。昨日行われたオヨンホ氏の講演で、交流会の翌日に掲載された新聞記事に厳しいことが書いてあって残念、交流会を取材していればそのような内容にならなかった旨の発言がありました。

編集部の皆さんはこの発言を聞いてどのような印象を持つでしょうか。ただ素直に同意されるだけでしょうか。はっきりいいますが、そのような考えだけではOMNはいつまでたっても良くなりません。OMNは自ら情報を発信できるメディアなのです。自前のイベントの記事を他社が伝えようが伝えまいが関係ないではありませんか。自分で伝えればいいのですから。自ら伝える努力をおろそかにして他社の批判をしていては、何も変わりません。

記事には記事で対抗する。

これがOMNのポリシーではありませんでしたか?

鳥越編集長は同紙のインタビューで「スクープが欲しい」と発言しています。ここにも何か誤解があるように思えてなりません。OMNに限らず、ネットでの情報発信には一発で状況を急変させる力はありません。それがファクトであれ、オピニオンであれ、大スクープであっても同じことです。地道にユーザーが求める情報を発信し続けることが、多分唯一で最短のOMN成長の道でしょう。

正直いって「日本はなってない、韓国を見習え」なんてことは書きたくありません。ですが、今回の市民記者交流会に関するここまでの記事を見る限り、OMN韓国は交流会を行い、その様子を記事にしてアップし、読者に伝えたいというメディアとして当たり前のことを当たり前にやっています。日本でも同じようにやってみようじゃありませんか。すぐできることからで構いませんから。

韓国発の市民記者交流会の記事を全て日本版で公開しましょう

その記事を題材に、伝えることの意味を編集部皆で話し合いましょう

今からでも、交流会に参加した市民記者に記事の投稿を呼びかけましょう

すぐできますよね。やってみて下さい。

※ 関連エントリ
  日韓市民記者交流会によせて



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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
能力差でなければよいけど (ねこだらけ)
2006-12-20 20:16:56
>すぐできますよね。やってみて下さい。
けっこうすぐできそうなことやってないからな。
やれるのかな。

遅れ兄さんの紹介してくれた韓国の報告記事を見て、
確かにニュアンスが違うなあと思いました。
日本側もこれから出てくるのかもしれませんが、
あのデパート行きました報告は残念でした。
多くの記者が参加したようなので、期待したいです。
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まだ開設から4ヶ月ですが (管理人)
2006-12-21 11:23:13
能力差は否定できない部分はありますね。

交流会の場をセッティングしたOMNに対し、記事を書くことによって感謝の意を表す意識が
市民記者の側にないとすれば、これは経験によって変わるもんじゃなし。
デパートレポも、内容以前に記事が出たことを評価しなければならない現状ですから。

記事の質向上が急務といっても編集部が具体的なアクションを起こしてませんし、
問題を把握しているのか、問題を解決する手段がわからないのかすら見えてこない
編集部ではこの先ちょっと・・・

>やれるのかな。

絶対大丈夫。小学校の学級会レベルの提案ですよ。
だから、「やらない」ことはあっても「やれない」ことはないんです
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にいはん偉い (Mr.T)
2006-12-23 00:28:31
もう全面肯定ですね。
この文そのまま記事に投稿してやろかと思うくらいです。

でも、そんな所にノコノコ出て行った人の大半は物見遊山の人じゃないかなあって想像します。
厳しいコメントにはスルーしたり、自分が記事を書いたときに突っ込まれるの恐れて、コメント書かなかったりって感じました。

まあ、実際、色んな記事読んで、コメント入れたり読んだり、そして記事書いたりって骨が折れますけど。

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既存のマスコミをひきづっている…。 (スポンタ)
2006-12-23 07:19:02
問題点はすでにすべて出ています。

私のブログをご覧いただければ、ライブドアPJと同等か、もっとひどいことが起きていることが分かるでしょう。

そして、その解決策は、私のブログ、スポンタ通信2.0の「ネットシンポ」などで明確にしています。

解決策は、あるべき市民参加型ジャーナリズムを構築したいと思っている人たちが集う場所がないことです。

そのように思いを持っている人たちが多いことを、JANJANの市民記者交流会、ライブドアの市民記者交流会で感じています。

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いろんな人がいますから (管理人)
2006-12-23 16:00:19
冷やかしに行こうと思う人がいるのも不思議じゃありませんが、そういう人達が簡単に
オマニーのフィルターをくぐり抜けてこれるんですよね、今は。

>まあ、実際、色んな記事読んで、コメント入れたり読んだり、そして記事書いたりって骨が折れますけど。

市民記者皆がそれやったら、少しはPVも改善するはずなんだけど。
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スポンタさん (管理人)
2006-12-23 16:14:36
コメントありがとうございます。

お名前はOMN開店準備ブログで拝見しています。

リンク先のブログをざっと見ましたが、問題点が多過ぎてクラクラきますね。
解決策はよくわからなかったのですが、運営側に解決する気がなければどうにもならないわけでして。

こちらのブログでは大したことは書けませんが、OMNがその気になってくれる日を夢見て、
ちょこちょこツッコミを入れ続けていくつもりです。
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レスありがとうございます。 (スポンタ)
2006-12-24 12:10:52
7並べのトランプでいえば、全とっかえでしか変えられないと思います。

問題点はひとつだけ。
既存マスコミの価値観ではできぬ。

それだけです。

そう思っている私には、佐々木さんの指摘もまったく意味不明です。
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