先日、オーマイニュース(以下OMN)が第3期市民記者編集委員(以下編集委員)を決定し、その旨アナウンスを行いました。任期は4月から6月までの3ヶ月間となります。
今回、就任前にきちんと編集部から告知記事が出た事は評価に値します。ごく当たり前のように思う人がいるかもしれませんが、初代・第2期では、編集委員決定のアナウンスが就任後にずれ込んでいました。今後も当たり前の事を当たり前にできるよう、心がけてもらいたいものです。
その一方で、OMNの悪しき伝統といっていい企画・構想をなかった事にする点は、今回の編集委員選出に至るプロセスの中でも、再度繰り返されました。ほんの1ヶ月前に出た編集部発の募集告知記事を見てみましょう。次期編集委員については、このように書かれています。(引用部分はイタリック体で表示、フォント変更・太字は筆者)
次期については、テーマを「たねを育てようプロジェクト」に絞り、自薦・他薦で編集委員を募って、以下のように展開いたします(当面、期間4月~6月の3カ月間)。
ところが、実際にはこのような結果となりました。今回の告知記事から引用します。
当初、次期市民記者編集委員の方には「ニュースのたね」の編集をする「たねを育てようプロジェクト」を展開する予定でした。しかし、募集をかけたところ、自薦・他薦とも応募がありませんでしたので、今回は1、2期編集委員と編集部員の推薦で選ばれた4名の方に就任を依頼しました。
募集告知で明らかに決定事項として書かれていた「たねを育てようプロジェクト」の発足が、さりげなく“予定”に後退しています。理由として、応募者がいなかった事を上げていますが、素人の編集委員が同じ市民記者の元稿を編集する難しさは、第2期編集委員の高橋篤哉記者による提案記事が出た頃から課題の一つになっていました。編集部がこの提案を採用した以上は、その課題が解消されていると考えるのが自然でしょう。
しかし、実際には応募はありませんでした。編集部が就任を依頼した市民記者からも、同じ意見が出たそうです。課題は全く解消されていなかったのです。
編集部は、どういった根拠に基づいて今回のプロジェクトにGOサインを出したのでしょうか?
事前のリサーチをきちんと行っていれば、少なくとも今回のような「いかにも見切り発車」という事態は回避できたはずです。また、見切り発車した企画の残骸は、OMNの歴史を振り返ればあちこちに落ちています。OMNは、それらの残骸を分析し、将来に活かす為のフィードバックも行ってきませんでした。
事前のリサーチと事後のフィードバックのどちらも疎かでは、今後もOMNは同じ失敗を繰り返すでしょう。
今回の「たねを育てようプロジェクト」に関しては、3期編集委員の内容から外して、今後、企画内容の見直しも含め検討する