にいはんは周回遅れ

世間の流れとは違う時空に生きる

プロだけど 市民記者とは これ如何に

2007-05-31 | オーマイニュース

オーマイニュース(以下OMN)が新しく導入したシステムの目玉に、市民記者同士によるSNS機能があります。そこには「みんなの記者クラブ」と銘打った、正式掲載5本以上の市民記者が設立できるコミュニケーションスペースがあります。このコーナーが発足した当初、拙ブログでは、他者の投稿すら記者クラブのキャップに責任を負わせるとした市民記者規約に疑問を呈するエントリをアップしましたが、ここまでこれといったトラブルもなさそうで、まずは順調なスタートを切ったと言ってもよさそうです。

その記者クラブに、新しく「プロだけど市民記者」なる記者クラブができていました。いわゆるネット右翼と称される人々が集うと一部で言われている2ちゃんねるや、嫌韓サイトと称される場所で揶揄されているそれとは全く違う、プロ市民記者クラブがOMNに誕生したのです。

ただ、このプロ市民記者クラブの構成員には不透明な点があります。これは構成員全員がプロフィールを公開してくれている為に外からでもわかる事ですが、今日22時現在での構成員は5名。その中でOMNの記者として記事を書いていると言明しているのは藤倉善郎記者ただ1名で、他の4名はOMNが認めるプロ記者かどうかが明らかではありません。

OMNにおいて、一般の市民記者であるかOMNが認めるプロ記者であるかは重要な意味を持ちます。簡単に言えば、市民記者規約・市民記者倫理綱領の拘束を受けるか否かという点です。度々例に出して恐縮ですが、藤倉記者はOMNの依頼を受けて記事を書いています。OMNが依頼しているのですから、取材経費が自前ということはないでしょうし、原稿料にしても一般の市民記者と同額ではないでしょう。

ここではわかりやすく説明する為に取材経費や原稿料を例に挙げましたが、OMNがプロと認める記者には、一般の市民記者とは異なり、市民記者規約も市民記者倫理綱領も関係ないOMN独自のルールが適用されるわけです。記事を書く時の表現上の問題・トラブルが生じた場合の責任の所在・OMNが市民記者に定める免責事項・取材姿勢等々、一般の市民記者が取材をし、記事を書く場合には様々な配慮をしている事と思われますが、OMNが認めるプロ記者に対するルールというかガイドラインはこれまで一度も公表された事がありません。

ここで、プロ市民記者クラブ構成員に藤倉氏以外にもOMNが認めるプロ記者がいるのではないかと推測される例を挙げてみます。これは構成員の一人が書いた記事ですが、ネットカフェの女性店員の注意は報道であることを理由に拒否し、男性店員が名刺を持っていないのは非常識と因縁をつけて取材を強行しています。この記者がただ常識を知らないのかと思いきやさにあらず。警察官に制止されて会津若松署を出るときに口の中でゴニョゴニョ言うさまは、ネットカフェの店員に強引に取材した面影はありません。警察官に威圧的に出られれば、殆どの人はそのように対応する事でしょう。

ところで、この記者は身分を明らかにして、謙虚な取材をしているでしょうか?答えは否です。記者は潜入と称し、まず客としてネットカフェに入り、店内の写真を撮っています。女性店員の制止を「報道だから」とはねつけたそうですが、OMNの取材である事を明らかにしていたかも甚だ疑問です。そして、身分を明らかにしたのは男性店員に促されて名刺を提示してからです。一連の流れから、この記者の目的はネットカフェへの潜入ではなく、店への取材が目的と思われますので、OMNで時折みられる潜入レポートとは性格が異なると判断されます。

次に、記者は正当な手段で情報収集をしているでしょうか?これも答えは否です。記者は男性店員が名刺を持っていなかったことをきっかけに、立場が逆転した(と感じた)と書いています。取材相手の弱みにつけこんで取材を強要したといえるのではないでしょうか?

この2点は、市民記者倫理綱領の第1項と第2項を元にした疑問です。更に、市民記者規約第10条には禁止行為として、下記のように書かれています。(引用部分はイタリック体で表示、太字は筆者)

第10条(禁止行為)

市民記者は当社ウェブサイト、「この記事にひと言」欄および「未登録の方のコメント」欄ならびに市民記者マイページにおいて、さらに市民記者として行う一切の行為を含め、次の行為を行ってはならないものとします。
以下の行為が確認された場合、状況を判断した上で掲載情報の変更、市民記者の登録削除を含めたしかるべき処置をとります。
当社は、本規約違反に関して市民記者に連絡する場合は登録メールアドレス宛に送信させていただきます。市民記者の事情により当社からのメールを確認できなかった場合も、本規約に則った対応をさせていただきますので予めご了承ください。なお、当社の処置に関する質問・苦情は一切受け付けておりません。

(略)

(9)当社が定める「市民記者倫理綱領」に反する行為

ところが、この記者はその後も記事を書き続けています。一般の市民記者がこんな取材方法を得々と語ったら編集部のチェックが入って然るべきだと思うのですが、その形跡もありません。市民記者規約や倫理綱領を逸脱しても責任を問われないのがOMNが認めるプロ記者です。その証拠に、OMNにはニュースのたねキングになっているライターや、編集部におかしな記事の改変をされても修正依頼の方法を知らなかったライターも存在しています。(ただし、このライターが誰のIDを使ってコメントしたのか、あるいはシステムに未解決のバグが存在するのかは興味津々ですが)

OMNが元木昌彦編集長代理体制に移行してから、従来の編集部員以外に外部のライターによる記事がかなり増えました。そのようなライターと一般の市民記者の記事が同じサイトで読めるのはOMNの魅力の一つには違いありません。しかし、同じ土俵に立つならば同じルールの下で競い合う事はできないでしょうか?それが物理的に不可能というなら、せめてOMNが認めるプロに適用されるルールを隠していてはいけません。

勿論(自称○○も含め)、プロと素人の間にはかなりの力量差があるのでしょう。それは認めざるを得ないとしても、ルールまでもがOMNが認めるプロにとって有利に作られており、しかもその内容が公表されず、誰に対して適用されているかすらわからない現状では一般の市民記者の立場がありません。編集部員も含め、OMNが認めるプロが書いた記事には一目でそれとわかるようなマークをつけるべきだと考えます。

念のために付け加えますと、みんなの記者クラブから編集部員を含めたプロを排除しろと言っているわけではありません。新システム導入直後から、朴哲鉉記者がOMN不具合報告記者クラブの窓口となってバグ対応に尽力していた事を知っている人は決して少なくないでしょう。他の編集部員の中にもみんなの記者クラブに参加し、市民記者たちと交流を深めている人もいます。そのような交流は歓迎されるべきですが、外から見てOMNが認めるプロかどうか判別できない人たちが、内輪で集まって何かをやっているというのは、OMNがSNSを導入した目的から逸脱する行為ではないでしょうか。

プロだけど市民記者などという不透明な記者クラブの存在を、OMNはいつまで黙認し続けるのでしょうか?このままでは自分たちの都合に応じてプロの顔と市民記者の顔を使い分けられますし、一般の市民記者からこの記者クラブがOMNの別働隊ではないかという疑惑を持たれるかもしれません。


藤倉記者を除く構成員は、OMN認定プロならはっきりと宣言しましょう


市民記者なら市民記者規約を遵守しましょう


【参考リンク】
市民記者倫理綱領


5月29日の朝日川柳

2007-05-31 | その他

これは2007年5月29日の朝日新聞東京版12版▲に掲載されているものです。選者は西木空人氏。
全七句のうち、最終句を除いた故松岡農水臣に関連していると思われる六句を転載します。(転載部分はイタリック体で表示)

日本で繰り返される解決法 東京都  遊 二郎

自殺より止める勇気を何故持たぬ 高崎市  門倉まさる

解釈の遅きが故の悲劇かな 西宮市  居村みちよ

語らずに自決するのだ美しく 川崎市  平野 郁子

欝くしい日本の国となりました 八王子市  伊藤今朝男

還元水還らぬ人となりにけり 奈良市  横井 正弘


西木空人氏に対する返句

川柳は何でもありか西木さん 人に言わせて我は蚊帳の外

故松岡農水相が本当に自殺だったのかどうか、闇の勢力に首を吊らされたのかは、今後の警察の捜査が待たれるところですが、いわゆる公式発表を待っていたのでは自称ジャーナリストの名が泣きます。 JANJANの松村宏氏がきちんと裏を取っているといいのですが。

※ 西木空人オリジナル句集または歌集をお持ちの方がいらっしゃったら、是非私まで情報をお寄せ下さい。お待ちしております。

ついでに不肖遅れ兄からおまけ
西木氏よりは多少なりともバランス感覚があると思われる大伴閑人氏の登場が待ち遠しい今日この頃です。


フリージャーナリストが編集委員になっていた

2007-05-29 | オーマイニュース

青木理氏がオーマイニュース(以下引用部分を除いてOMN)の編集委員になっていたようです。

OMN副編集長



フリージャーナリスト



OMN編集委員(兼フリージャーナリスト)


これはここ1年弱の青木理氏の肩書きの変遷です。忘れもしない2007年4月4日、副編集長として活躍していたはずの青木氏が、4月8日の都知事選特番にフリージャーナリストとしてゲスト出演する事を知って、OMNの経営は一体どうなっているのかと大慌てでエントリをアップした事を鮮やかに覚えています。

それだけに、昨日発表された実働部隊ユースリポーター養成講座の講師にOMN編集委員として青木氏の名前を見つけたときには、OMNという組織がどうなっているのか訳がわからなくなりました。

ですが、ない頭を捻れば謎解きは不可能ではありません。第1の可能性としては、都知事選特番の時に限ってはOMN専属の肩書きがあっては困る事情があったからだと考えられます。青木氏のスタンスが反石原・親浅野だったのは明らかですから、放置されて久しく腐臭を放っているとはいえ、創刊宣言で政治的な中立を守ると宣言しているからには、中立性を欠く人間をOMNの身内として紹介できないのはある意味仕方ありません。政治的な中立性を抜きにしても、OMNの社員を番組のゲストとして紹介するのはおかしな話です。

とはいえ、この理由だとプロフィールの肩書きにOMN編集委員とフリージャーナリストが併記されている点と、平野日出木編集次長のそれとの表記の違いに違和感が残ります。両氏のOMNに関わる部分を引用します。(引用部分はイタリック体で表示)

青木氏:06年6月退社し、オーマイニュース創刊に参加。

平野氏:同年7月からオーマイニュース編集次長。

そうなると次に考えられるのは、青木氏は一旦クビを斬られてからOMNに外部編集委員として再雇用されたのではないかという事です。実働部隊ユースリポーター養成講座のお知らせを見ると、トークセッションでの講師紹介順は、特別講師の神田敏晶氏を筆頭に、青木氏、平野次長となっています。もし青木氏がOMN社内に留まってヒラの編集委員に降格したのならば、この並びは極めて不自然です。しかし、青木氏が外部編集委員であれば、平野次長が敬意を表して末席を占める事情も納得できます。

今回の人事は、OMNの社員やOMNに関心を持っている人にはそれなりに見当のつく話ですが、一般の人には全く想像もできない話だと思われます。編集部員の入れ替えは日常茶飯事ですし、今のOMNにどれだけプロの記者が混ざっていて、その内何名がOMNの記者として記事を書いているのか一切が闇の中です。

そして、編集委員制度にしても同様です。佐々木俊尚氏は未だに外部編集委員なのか?本間俊典氏はいつから外部編集委員になったのか?編集委員となった青木氏はOMNに対してどれだけの発言力があるのか?鳥越俊太郎編集長以下、編集部内の権力構造に外部(内部)編集委員はどのような形で関わっているのか?一体編集委員は何人いて、その役割分担はどうなっているのか?わからない事だらけといっても過言ではありません。

わかっているのは、オヨンホ氏がOMNにおける絶対権力者だという事だけです。

そういえば、OMN以外で名前を見ることのない小野川梓氏(新聞評論家という肩書きもめったに見ない)の文章が、どことなく西野浩史元デスクを彷彿とさせると言及しているブログもありました。

外から見ていると、OMNは本当に不思議な組織です。


リサイクルできますよ

2007-05-28 | オーマイニュース

オーマイニュース(以下OMN)には、ニュース特集・企画というコーナーがあります。昨年8月の創刊時から続いているコーナーで、時事的に注目を集めるものやOMNが重点的に取り上げたいテーマを集中して掲載するスペースです。昨日のエントリでも触れたダービー予想企画もこのコーナーにありました。どうやらこのコーナーには1度に5つの特集・企画しか掲載できない仕様になっているようで、他にも特集が掲載された関係もあるのでしょうが、「国民投票法成立、さてこれから?」の特集がトップページから消えました。

レースが終わり、ダービーの企画がトップページから降ろされたのは当たり前の事として、国民投票関連の特集が復活するのかと思ったら、そういう事もなく、現在のトップページで見ることができる特集・企画は4本です。

確かに国民投票法は成立しましたが、OMNはその後も特集の名前を変更し、市民記者の間では憲法問題についておおむね冷静な議論が続けられていました。ここでひっそりと表舞台から姿を消すのは個人的にはもったいないと思いますが、最短でも憲法改正が発議されるまでには3年間の猶予があるわけですし、その間のOMNが憲法問題を前面に押し出し続けるわけにもいかないでしょう。スペースが開いているのだからとりあえず掲載しておけばいいというのは浅はかな考えかもしれません。

しかし、再浮上のチャンスは何度でもあります。新しいシステムの導入からずいぶん時間がかかりましたが、つい先日これまでにOMNが取り組んできた特集・企画の一覧がアーカイブに納められました。これを見ると、時期が限定される企画もある中で、何か起きたらすぐに特集を組んで対応できるものや、すぐには結論を出せずに長い目で見る必要があるものがいつでもスタンバイできるように出番を待っています。

せっかく立派なアーカイブがあるのですから、OMNは臨機応変に活用しましょう。


競馬の祭典を外から見る

2007-05-27 | オーマイニュース

オーマイニュース(以下OMN)が市民記者を巻き込んで、今日15時40分発走の第74回東京優駿(ダービー)の3連単コンテストをやっています。今日15時時点で予想記事が掲載されているのは、おそらく言いだしっぺの元木昌彦編集長代理を含めて10人。3連単がめったに的中しない事を考えると、10人でのべ50点ではよほど運のいい人がいれば的中するかもという程度の確率です。

まあ、こういったギャンブルは当たるも八卦、当たらぬも八卦、馬券を買ってレースを観戦するのが楽しいわけですが、せっかくダービーをネタに企画を組むならもう少し面白いやり方があったかもしれないと思っています。

これはOMNの市民記者の特長でもあるのですが、今回の予想コンテストに記事を寄せた市民記者の買い目をみますと、本命党穴党の区別なく真面目に予想をしている人が殆どです。先日行われた欧州サッカーのチャンピオンズカップにちなんだ買い目を含めている市民記者が目に付く程度でしょうか。

では実際にどうすればよかったか。記事の募集は枠順が確定するまで待つとして、告知は、先週の優駿牝馬が終わった頃から始めてもっと広い層にアピールしておけば良かったのではないかと思われます。3連単は全通り買うと約4900点。元から極端に的中確率が低いのですから参加者は多く集めるに越したことはありません。特に全くの素人でも予想できますとPRすれば面白い事になったかもしれません。「1から18までの好きな数字を3つ上げてください」これだけでいいんですから。

真面目に馬の能力を考えて馬券を購入するのが競馬なら、好きな名前で買うのも競馬ですし、数字の力を信じて買うのも競馬です。わかりやすくいえば、1-2-3、4-5-6、7-8-9、10-11-12、13-14-15の5点を買うのだってありです。

馬の能力を考えた予想、騎手の組み合わせで買う予想、ロマンチックな予想、オカルトチックな予想、いろいろな予想がごっちゃになって、OMNと市民記者がダービーをネタにワイワイガヤガヤ盛り上がる。ちょっと先の話ですが、有馬記念のときにちょっと考えてみたらいかがでしょう。編集部も市民記者も馬券の当たり外れとは別の次元で楽しめそうです。

言うだけではなんなので、拙ブログの予想もOMNのしきたりに従って3連単で5点挙げておきます。
フサイチホウオーの3着付けから5点。
1-16-15・5-11-15・13-18-15・17-10-15・3-7-15

まもなく発走です。さて、どうなりますか?


どの口が言っているのですか?

2007-05-25 | オーマイニュース

先週から、オーマイニュース(以下OMN)がネット選挙解禁キャンペーンを開始しました。記事を書いているのは藤倉善郎記者。キャンペーン第一弾の記事がOMNでの始めての記事で、コメント欄での自己紹介によれば編集部の一員として記事を書いているそうです。

第一弾の記事が掲載された時には、冗談にも程があると思いながらも一発だけなら誤射かもしれないので、深くつっこむのは止めておきました。しかし、今日になって第二弾の記事が掲載されました。どうやらOMNは本気でこのキャンペーンに取り組むつもりのようです。冗談にも程があるというのに、本気だったとはOMNのタチの悪さにあきれるしかありません。残念ながら、今のOMNにはネット選挙解禁を口にする資格がないからです。


過去の不祥事を放置したまま奇麗事を

述べていて恥ずかしくはないのですか?


ほんの1ヶ月前、OMNは事前の予告なくネット選挙の解禁を強行しようとしました。新宿区議選に立候補した市民記者の記事を、告示日を過ぎてから新規掲載したのです。この件についてはコメント欄で公選法に抵触するのではという疑問が出され、拙ブログでも世論者代表取締役の高橋茂氏への問い合わせを行い、自身の見解を付け加えたエントリをアップしました。その後、告示後に掲載された記事は選挙期間終了まで一時的に退避された後、掲載日を選挙終了後に変更した上で再掲載されました。

一時退避の直前に新宿警察署から候補者に連絡があった事、候補者がOMNに話をふっている事などから考えて、OMNは新宿署からの警告を受けて記事を退避させた可能性が高いのですが、OMNはこの件についてダンマリを決め込んだままです。拙ブログに寄せられた候補者本人からと思われるコメントによれば、記事を投稿したものの5月2日現在のステータスは記事受付のままだったそうです。その後も記事が掲載された形跡はありません。

OMNがネット選挙解禁を叫ぶなら、その前に自らが起こしたこの問題について、きちんと事の顛末とその後の対応を説明するべきでしょう。悪いのは公職選挙法で、OMNに非はないというのならそれでも構いません。それだけの覚悟を持ってやった事だと一般の市民記者・読者もわかりますし、なによりも何らかの意思表示をする事が大切なのです。今のままではOMNが警察から警告を受けた意趣返しにキャンペーンを張っていると誤解を受けます。そんなチンピラみたいな真似はOMNどころか、市民メディア全体の信用を損なう行為です。

「悪法も法なり」という言葉があります。この言葉は使われる場所によって様々な解釈がなされますが、その中には「法を守るのが法治国家の大前提」だという意味が含まれます。個人や企業が、この法律が悪いとセルフジャッジして法律を無視して勝手な方向に動いたら、国家そのものが成り立たなくなります。ましてやOMNのような言論機関がそれをやっては、言論機関としての存在意義が問われます。

OMNが記事を書かせている藤倉記者は、つい1ヶ月前にOMNがこのような騒動を引き起こしている事を知ってキャンペーンの記事を書いているのでしょうか?OMNが口をつぐんだままですと「頼まれて書いただけで一連の経緯は知らなかった」といつでも逃げる事が可能です。もしキャンペーンを引き続き行っていくのならば、一般の市民記者・読者へのアナウンスとともに、今からでも元木昌彦編集長代理自身か、当時の事情を知っている編集部員へ執筆者を変更する事は必須条件であると考えます。

今の公職選挙法が時代に合っていないのは確かでしょう。他のメディアでもそのような声はよく聞かれます。それでも、今のOMNにネット選挙解禁を口にする資格はありません。


OMNは過去を清算してから未来に進みましょう


【関連エントリ】
本職の人に聞いてみました
説明は不要ですか


動機は何ですか?

2007-05-24 | オーマイニュース

今週の月曜日、オーマイニュース(以下OMN)に新コーナー「コエレポ」の誕生を伝える記事が掲載されました。記事にはコメント欄がありませんので、記事の体裁を借りた一般市民記者・読者への告知だと思われます。

ところが、このコーナーは告知より前、先週の木曜日あたりに何の前触れもなく姿を現していました。そこに掲載されていたのは、映画「パッチギ!LOVE&PEACE」の試写会を受けた市民記者の感想文と監督へのインタビューです。試写会に協力したOMNが公開直前にこのような形でキャンペーンを行うのは自然な流れともいえますが、いかにも場当たり的な感じを受けます。ちなみに、週末の興行成績はこのようになっており、OMN編集部と一部の市民記者が目の敵にしている映画は公開2週目に入っているにもかかわらず、その後塵を拝する結果となりました。OMNとしては広告を流して収入を得られればいいわけで、興行成績など関係ないのかもしれませんが、あまり愉快な結果ではないだろうと推測されます。

さて、こうしてスタートしたコエレポの割を食った印象を受けるのが、やはりOMNが企画した「GANGA ZUMBA」への市民記者共同インタビューの記事です。4月23日に行われたこのインタビュー記事は、当初の編集部の記事によれば、インタビューの翌週から随時掲載されるはずでした。しかし、インタビューの翌日から記事を投稿している市民記者がいたにもかかわらず、記事は5月17日に一挙掲載され、しかも、その時点では一連の記事はコエレポに収録されていませんでした。

これはどういうことでしょうか?

おそらく、OMNとしてはパッチギのPRをどこかでやらなくてはならない事情があったのでしょう。当然、公開日より前にやらなければPRの意味がありません。そこでとるものもとりあえずコエレポという入れ物を作ったのではないかと思われます。そして映画は無事公開され、コエレポはその目的を果たしたわけですが、そこでコエレポを消滅させてしまえばパッチギをPRする為に新設したコーナーだと思われても仕方がありません。そこで、大慌てで告知記事を出し、編集作業の都合で掲載が遅れていたと思われる「GANGA ZUMBA」への共同インタビュー記事をコエレポにぶち込んだのではないでしょうか。

まず新コーナーを作り、後付けでコーナーの趣旨を説明し、それからその後の処理を考える。まっとうなメディアというか企業がする事とは思えませんが、兎にも角にもコエレポはOMNの一コーナーとしてスタートを切りました。告知記事によれば、今後は市民記者からのリクエストにも答えるそうです。取材対象が特定の政治的主張をする人に偏ることなく、賛否両論の立場からの記事が掲載されれば、コエレポは市民記者の声を通じて話題の人の声を伝える有意義な場になることでしょう。

動機は不純でも、結果が良ければ高い評価を受ける事はしばしばあります。やってしまった事は隠しようがありませんが、軌道修正のチャンスはいくらでもあります。コエレポの評価は、今後の企画にかかっているのでしょう。


味覚が北尾光司(カロリー注意)

2007-05-23 | 与太


日本語は難しいものですね。顔の見えない文字だけのやり取りだと特に難しく感じます。

ハートマソ軍曹のブログに書かれた味覚の北尾光司のフレーズに、コメント欄で最初に反応したのはあおむし氏でした。そこに私が首を突っ込み、よせばいいのに数回コメントのやりとりをしただけの木村多漏氏に気安くイラストを依頼したのが事の発端です。感性豊かな木村氏は、何気ない依頼に密かに込められた「描けるもんなら描いてみろコラ!」という挑発を瞬時に読み取ってしまったようです。

ところが敵もさるもの。軍曹の味覚がしょっぱい可能性をちらつかせて戦線の拡大をはかりつつ、サイレントマジョリティの力を借りて、からタコそばのレポートを書きやがれと切り返してきました。見事なものです。そうなればこちらも受けて立たないわけにはいきません。生まれてこのかた沖縄そばもタコライスも食べた事はありませんが、要は汁なしのぶっかけうどんみたいなものなのでしょう。それに調理も簡単(というより実質調理不要)なところが気に入りました。

というわけで買ってきた材料が上にあります。

まずチンした麺を皿にあけてほぐします。ここでまず一抹の不安を覚えました。ほぐした箸の先があっという間に油でギトギトになっています。これはレンジに頼らず湯にくぐらせて油抜きをすべきだったのかもしれません。いやいや、軍曹は茹でたら食感が腑抜けてしまったと言っています。そんなものを食べたいとは思いません。そこでとりあえず箸を取り替え、温めておいたタコライスの素をそばの上にかけてみました。ビールと追加用のチリソースがわりの酢も用意して準備は万全です。

 

写真も撮ったし後は食べるだけですが、食べる前に麺と具を混ぜなくてはなりません。しかし、麺がボソボソしているのでなかなかうまく混ざりません。ようやくそれなりに混ざったときには、さっき変えたばかりの箸の先がまたギトギトになっていました。

仕方がないので、もう一度箸を取り替えて一口。

なんなんですかこの油っこさは!

いや、たまたまそういう場所に当たってしまったのかもしれないと、気を取り直して皿の底の方からもう一口。やはり油っこさは変わりません。添付されていたホットソースは全部かけたのですが、チリのほのかな香りはするものの、辛さを全然感じないのです。

このままでは負けてしまうと思った私は、ビールで一旦口の中をリフレッシュし、麺がほぐれる程度の酢を追加して再度挑戦してみましたが、からタコそば連合軍の油攻撃は強烈で、中途半端な抵抗は何の役にも立ちません。

こうなったら最後の手段しかありません。酢攻めです。おそらくからタコそばの原型はとどめていなかったことでしょう。麺が酢の海で泳ぐほど大量にふりかけてやったら、ヤツらはようやくおとなしくなって私に飲み込まれていきました。

戦いはこうやって終わりました。胃の中には分厚い粘膜が張られている気がします。今ならビールをどれだけ呑んでも酔わないかもしれません。

え、味はどうだったのかって?

わかるわけないじゃありませんか。生理学的には、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の5つが味覚の基本味だそうですが、油が全ての要素を覆い尽くしてしまったのですから。ひょっとしたら、油の海に飛び込んでその底にある味覚の鉱脈にたどり着ければ新しい世界に出会えたのかもしれませんが、私には無理でした。

【結論】
話のタネに是非一度お試し下さい。というか俺にだけ食わせるんじゃない(笑)【追記註】


【註】
これは感想です。効果には個人差があります。

【追記註 5/23 23:40】
当初白文字で書いた部分の色を変え、フォントを拡大しました。
胃に自信がある皆さん、一度は試してみましょう。


無知は罪とは限らない

2007-05-22 | オーマイニュース

ニュースのたねのようなブログを見つけた。

妻の小言。

脱力系の文体と味のあるイラストを楽しめる癒し系。

この方をあおむしさんの力でオーマイニュース(以下OMN)に引っ張ってきて欲しいものだ。
うかうかしていると魔酢苦怒軍団にかっさらわれそうな逸材。
いや、某多漏さんが個人的に惚れてしまうかもしれない。相手は子持ちの人妻なのに。

ただ、三顧の礼で来てもらっても、おそらくOMNでの肩書きはたね職人。
いっそのこと不定期連載コラムでも書いてもらえないものか。もちろんイラストつきで。

OMNの存在など、知らない方が幸せなのかもしれないけどね。