にいはんは周回遅れ

世間の流れとは違う時空に生きる

組織としてのやる気が見たい

2008-04-18 | オーマイニュース

オーマイニュース(以下OMN)が、ようやく「ニュースのたね」の改善に取り組む模様です。第3期市民記者編集委員(以下編集委員)の黒須みつえ記者から、4月21日スタートを考えているとのアナウンスがありました。断言はしていないものの、全体のニュアンスからは確定事項として扱っても差し支えないような印象を受けます。

記事によれば、黒須氏は編集委員として「たねを育てようプロジェクト(以下たねプロ)」を成就させたいと考えていたそうです。初代編集委員の林美幸記者から第2期編集委員の高橋篤哉記者へと引き継がれた「ニュースのたね」への提言は、当初その役割をたねプロに特化していた第3期編集委員の募集が不調に終わった事でその後の成り行きが心配されていましたが、OMNのSNS(記者クラブ)内で議論が続けられ、今回のアナウンスにこぎつけました。

まだたたき台の段階ではありますが、たねプロに関してはまず実際に動き出す事が最優先課題でした。ここまでの道筋をつけた林氏と高橋氏、そして編集委員就任からわずか半月ほどでたねプロを形にした黒須氏には、拙ブログからひとまずお疲れ様でしたとねぎらいの言葉を贈ります。

そして、たねプロがスタートできるのは、一応は編集部の協力が得られたという部分も大きいでしょう。記事には以下のような記述がありました。(引用部分はイタリック体で表示、フォント変更・太字は筆者)

 今回は、システム改変を必要とせず、また、編集部の作業負荷の膨張にもならないので、編集部からもポジティブな意見をもらっています。ぜひ実現できたらいいなと思います。

「ニュースのたね」には、これまでにも多くの意見がOMNに寄せられていました。たねにもコメント欄が欲しいという要望は、一昨年の10月から出ているものですし、その翌月に行われたオーマイカフェでも同様の要望がOMNに直接伝えられていました。しかし、コメント欄の設置は現状のシステムでは仕様の改変を伴うとの事です。個人的にはそれほど大げさな事かなと疑問を持っているのですが、内部の人間がそういうのですから仕方ありません。編集部がポジティブに反応できるものならば、スムーズに事が運ぶ可能性が高まります。

さて、今回の記事の未登録者用コメント欄には編集部の小宮山圭祐記者が参加しており、この企画には記事の採用判断を明確にする意味もあると発言しています。そして、別記事のコメント欄では、平野日出木編集長が市民記者の問いに答える形で掲載理由を説明しています。これらの動きは、平野・小宮山両氏がたねプロに協力する姿勢をみせたものと考えていいでしょう。

ですが、小宮山氏が一旦出した発言を引っ込めざるを得なくなった点は気にかかります。未登録者用のコメント欄で、編集担当者の署名について明記するという発言がありましたが、翌日には「検討中」とトーンダウンしてしまいました。この件は未登録者用のコメント欄でも既にツッコミが入っていますが、小宮山氏の勇み足だったのでしょう。組織として機関決定したわけではなかったようです。

たねプロの運営は、市民記者プラス平野・小宮山両氏だけでも可能だと思われますが、編集担当者の明記には編集部全体の協力が必要です。編集部員の中には、編集担当者として名前を出したくないと考える人がいても不思議ではありません。仮にそういう人がいたとしても、その人を排除して成り立つ話ではないのです。

編集部員の個人的な気持ちが反映されない例は先日のエントリでも取り上げたばかりですが、こういった例が続くと編集部員の発言がどんどん軽くなっていきます。一般の市民記者や読者は、編集部員イチコジンの発言を見るたびに「で、OMNとしてはどう思っているの?」といちいち確認しなければならないのでしょうか?

小宮山氏がこの企画に力を入れている事は、登録者用を含むコメント欄での発言からもよく伝わってきます。ただ、今回のように編集部員イチコジンが頑張っている姿はOMNで何度も見てきました。残念な事に、そういった個人をOMNがフォローする姿は殆ど記憶にありません。

たねプロは、編集委員を含めた市民記者と編集部が協力しなければ成功はおぼつかない企画です。編集委員が細い糸をつないでようやくスタートにこぎつけたのですから、最終的に編集部の協力が得られずに頓挫する事だけはないよう、編集部には組織として小宮山氏やたねプロを盛り立てていって欲しいと願っています。



最新の画像もっと見る

16 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
コメント欄 (スナギモ)
2008-04-18 10:30:38
本採用される記事を書いている記者には不要でたねにしかならないような記事しか書けない記者には必要、ということでよろしいか?
返信する
それだけじゃなくて ()
2008-04-18 13:29:44
イデオロギーな選別があるんじゃないかとか、どういう疑念。

なんでタネ?よりも、なんで掲載?なんでトップ?
という場合もあるんだけど、そういうの標準的にならないかみたいな感じ。

あんまり型にハマると意外性とか、悪い意味の「お約束」もなくなって、ヲチャー的には面白くなくなるかもしれないけど。

返信する
トップは簡単ですよ (スナギモ)
2008-04-18 14:48:13
誰かを罵倒するかヘアを出せばトップに掲載されます。

記者はこれからは積極的にヘアを出して行くんじゃないでしょうか。
返信する
とにかく (mitsue)
2008-04-18 22:36:47
これって褒めてくださってるんですよね?
うひひ、ありがとうございます☆
嘘よ、妥協ばかりと思ってるでしょ!!

やるやるって言って内容精査に時間をかけ、
始めないままではあきれるばかりなので
走りながら軌道修正ってことで。。。。。。
モチベーションの問題もありますからね。


…ヘアか…。
返信する
いいことを思いついた (スナギモ)
2008-04-18 23:58:50
三田先生が広角レンズで撮影するmitsueのヘアというのはどうですかね?
返信する
>すなぎも (mitsue)
2008-04-19 00:34:37
初めまして☆
一応言っておきます、

「呼び捨てはすんな!!」(一回目)

返信する
Unknown (未米住人)
2008-04-19 03:15:38
とりあえず現状の方針ではどれだけ妥協したとしても99パーセント企画倒れは必至ですよね。
恐らくOMNには胸を張って公表できるほどの『採用基準や編集過程というものは無い』

根本がそこにあるので、みんなとっくに分かってる事だけどそれが明るみになっちゃうのは編集部は嫌うでしょうしね、というかOMNの存立にも関わる。
彼らがそこまで重大に考えてるかは不明ですが

だから現在の提案にあるタネ送りにした編集員が関わるというのも当然無理でしょう。編集者署名ができないというのはそういうことだと考えます。

ただでさえ忙しいのに編集作業にタダならぬ緊張感と責任をもたらす事になりますしねー


というか、種ブラ企画を編集部が公式に復活させた時点である程度の構想やそれを可能にする内部体制の体面ぐらいは整えれてるものだと思ってましたが・・
甘かったですかね

このままでは前回同様どこまで米欄で話をしたところで編集部の関与協力を必要とする場面で膠着を繰り返し時間だけが過ぎ結局頓挫すると考えますよ

で、小宮山氏の発言撤回なんですが、個人的には氏個人の先走りとはどうも考えられないのではないかと、考えたり・・・
やはり内部的な、派閥的な・・問題がありそうな気がするんですよね。記者の署名なんて重大事項を個人の判断で米欄に投下してくるほど迂闊だとは思えない。って、OMN編集員には何があっても不思議ではないですがあくまでシャバの常識で・・・

ほいで、結局私が邪推しますところに問題があった場合、実はたねプロ企画自体が現在編集部としての総意決定の元に存在してないんじゃあないかって事なんですよね。


返信する
ほう (スナギモ)
2008-04-19 04:01:29
mitsueぽん wrote:
>「呼び捨てはすんな!!」(一回目)

これは平野や西野君を思い出しますね。
きっと偉い人なんですね。
先日ひらりん(負)氏に「氏」をつけるな!と怒られたばっかりです。
きっとひらりん(負)氏は偉くない人なのでしょう。

これからはmitsueぽんと呼ぶことにします。
私の呼び方はなんでもいいです。
返信する
実名主義の祟り (sally)
2008-04-19 12:25:35
オーマイニュースの実名主義への拘りさえなければ、そもそも編集者の署名なんて問題にすらならないはずなんですよね。

「実名こそが責任ある言論を担保する」という「実名主義」の建前があるからこそ、記事に編集者の署名が無いことが「無責任」と解されるわけで、これまでも事あるごとに一部からの批判に晒されました。

一方、編集部員が会社員である以上、編集業務に関し彼らが対外的に個人で責任を負うということは通常ありえず「実名主義」はそもそも馴染みません。

本来なら編集業務に関して編集部員がコメントする場合は編集部名義のみで十分なはずなのに「実名主義」が足枷となって実名併記でコメントがなされているようにも思えます。

また、読み手としては、記名があっても他の媒体なら問合せ窓口くらいの意味しかないのに、「実名主義」のせいでコメントした本人が過度に責任を負っているような錯覚に陥りがちです。編集部員が記事への署名を拒んでるとすれば、そのせいかもしれません。

また、今回の小宮山氏の発言撤回が勇み足だとすると、記名でコメントしたことが結果として彼の裁量権を見誤らせたこととなります。

編集部員の記名は個々がキャラ立ちして親しみを増す等の効用もあるんでしょうが、現行のままではこうした弊害による混乱の方が大きいように私は思います。

とにかく、編集部が「実名主義」について何らかの整理をしない限り、これからも不毛な議論が繰返されるんでしょうね。
返信する
訂正 (sally)
2008-04-19 12:29:05
×小宮山氏の発言撤回
○小宮山氏の発言
返信する

コメントを投稿