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市民記者規約考

2007-04-09 | オーマイニュース

オーマイニュース(以下OMN)では、明日の新装開店に合わせて市民記者規約が改定されます。新旧対照表によれば、変更点の多くは新たに設けられる未登録の方のコメント欄と市民記者マイページに対応したものです。

ここでは、主に変更点を中心に規約を一部引用しながら気になる点を指摘していきます。(引用部分はイタリック体で表示)

第10条(禁止行為)

これまで明記されていなかった、市民記者が禁止行為を行った場合の処置が明記されています。OMNは、これまでも市民記者登録を抹消した経験がありますので、その手順を規約に盛り込んだ形です。しかし、そこまで言いますかとツッコミたくなる表現もあります。

なお、当社の処置に関する質問・苦情は一切受け付けておりません。

これは異議申し立ては一切認めないOMNの強い決意を示すものですが、規約で断言してしまうのはどうなんでしょうか。これではOMNに手違いがあった場合や、一部の不心得者によって恣意的に記者登録を抹消されたりした場合に、市民記者は泣き寝入りするしかないという事です。もちろんOMNに記者登録を抹消する権利はあるわけですが、質問・苦情を受け付けないと、万が一OMNが暴走した場合の歯止めが利きません。

また、このような文言が新たに加わりました。

一人の市民記者が複数のユーザーIDを持つ行為。同じユーザーIDを複数人で利用する行為。

サイトによっては複数アカウントを認めたり、管理用IDを共有するケースもありますが、OMNの場合はその趣旨からしてこれらを禁止するのは当然でしょう。これまで明文化されていなかったのが不思議なくらいです。

新しく追加された部分は他にもあります。

当社が定める「市民記者倫理綱領」に反する行為

倫理綱領について書かれた記事を見ますと、これは市民記者の守るべきモラルを定めたものと思われます。モラルをルールとして適用する考えはありでしょう。これにより、市民記者は今まで以上に自分を律する姿勢が求められます。それはいいのですが、4月9日現在、この倫理綱領を市民記者以外の人が見られるのは、放置されて久しい開店準備中ブログしかありません。市民記者登録画面では、まず市民記者規約への同意が必要とされています。改定後の規約に同意するためには、倫理綱領を知る必要があります。当然、新装開店後の市民記者登録画面には、規約と倫理綱領が併記されていることと思います。

他人の個人情報を収集・蓄積する行為。

これは具体的にどのような行為を指しているのかよくわかりません。OMNは、らしんば(ゴホゴホ、ゲフッ)特定のサイトを念頭に置いているのでしょうか?OMN内部の話だとしても、特定の市民記者に対して過去の記事やコメントを引用するケースがクロと判断されるかもしれません。抽象的な文言は恣意的な運用への道を開きます。具体的な記述への書き換えが望ましいと思われます。

本人に許可を得ずにユーザーID、ニックネーム、氏名等を特定した上での攻撃的批判。

まず、攻撃的批判というのがわかりません。なんとなくイメージはあっても、それを他者と完全に一致させるのは難しいような気がします。OMNの考える攻撃的批判とはどのようなものか、ガイドラインを示す必要があると考えます。それをする事によって規約のすき間をかいくぐる輩の出現を恐れているのかもしれませんが、OMNがその都度毅然と対処し、規約およびガイドラインに手を加えていけばいいでしょう。

次に、前段の表現はいくらでも拡大解釈が可能です。記事に対して批判コメントをつければ、氏名等を出さなくても記事を書いた記者への批判である事は明らかです。これは極端な例ですが、他にもコメント欄で論争(いわゆるバトル)となった場合も同様です。誰に向けての発言かを明確にするのはごく当たり前のマナーですが、それをもって氏名等を特定している事になります。攻撃的批判の中身が具体的に定義されていない事、考えようによっては、(丁寧な言葉遣いであっても)全ての批判に攻撃的な要素がある事を踏まえると、批判的な発言をするには相当の勇気が必要になるのではないでしょうか。

第10条についてはこんなところです。後は新設される市民記者マイページについて述べた第9章について。これは新装開店後の様子を見ないと何ともいえない点もありますが、今の時点でも気になる部分がいくつかあります。

第29条(免責事項)

一言でまとめれば「何かあってもOMNは責任を取らないのでよろしく」という事のようです。コメント欄の免責事項を定めた第26条は2項しかありませんが、こちらは6項もあり、記述も詳細です。特に凄いのはこのあたりになります。

市民記者の市民記者マイページの利用に基づくクレームや請求への対応に関連して、当社に賠償金その他の費用が発生した場合、紛争の当事者である市民記者は、当該賠償金その他の費用(当社が支払った弁護士費用を含みます)を負担するものとします。

オリコン裁判の逆バージョンのつもりでしょうか?OMNが訴えられたら市民記者が賠償金その他の費用を支払うとあります。一般に裁判には多額のお金と時間がかかりますので、普通の市民には負担が大きいとされています。実際に裁判を続けるのが負担で和解に応じる例も多いと聞きます。そんな事はありえないと思いますが、OMNが当該市民記者を痛めつける目的で裁判を長引かせたり、OMNに有利な証拠を提出しなかったりする事も可能な規約に問題はないのか、非常に疑問です。

第30条(「みんなの記者クラブ」の運営について)

市民記者が運営するOMN内支局みたいなイメージですが、運営は大変そうです。ここでは規約は引用しませんが、有資格者であっても実際にみんなの記者クラブを開設する市民記者はそれほど多くないか、開設しても短期間で閉鎖(または放置)する人が多くなりそうです。

全体の印象としてはずいぶんと臆病というか過剰防衛、そう言って悪ければ出来る限り市民記者に責任をおっ被せようというOMNの意図が見てとれます。確かに創刊から今までいろいろな問題があったのは事実ですし、新装開店がなかったとしても規約の改定は避けられなかったと思われます。それにしてももう少しマシなやり方はなかったのでしょうか?

今回の規約改定で、OMNと市民記者の距離は更に広がったような気がします。



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ほほうなるほどなるほど (軍曹)
2007-04-10 00:01:43
>本人に許可を得ずにユーザーID、ニックネーム、
>氏名等を特定した上での攻撃的批判

これ何て個人情報保護法案?
個人情報保護法は (Mint)
2007-04-10 05:39:50
本人の「オプトアウト」権を保証していますので本人が「いやだ」と言えば個人情報を指定できなくなります。
これは、削除機能の行使に関する条文と読むのが正しいと思いますが、削除に関する規定は何処にあるのかな?
オーマイを辞めるときに (Mint)
2007-04-10 06:54:35
「総ての私の記事を削除してもらいたい」ってのは規約に関係なく(著作者人格権を主張しないの条文)削除可能です。
これは「実名原理主義」の弊害で個人情報を個人が望まない形態で掲示すると個人情報保護法違反で、たぶん、総務省から是正勧告を受けます。
私が「個人情報保護法にのっとり、削除した記事に名前が残っているのをオプトアウトしてください」とメールしたら、二木氏から「手動でしか出来ないが対応する」と返事が来ました。
で、名前の欄が「()」ってnull値にしたようですが。

事例があるようですね。市民記者辞める時に記事の全面削除。

つーか、まだ立ち上がってないぞ>オーマイニュース
グダグダやん (管理人)
2007-04-10 22:52:17
記事やコメントを見るだけでもわけわかめだったのだから、
記事投稿やプロフィール登録なんてとんでもないって状況なんでしょうね。
そんな中でも編集作業は行われているみたいですが、多分トラブル連発だろうなあ。
1週間でまともに動くか心配です。

こんな時にオマニーやめるから記事と※全部削除してくれとかいわれたら、
ブチッといってドーンドーンされても文句言えないような気がする。

>規約

第10条で規定しているのは

>市民記者は当社ウェブサイト、「この記事にひと言」欄および「未登録の方のコメント」欄ならびに市民記者マイページにおいて、さらに市民記者として行う一切の行為

でやっちゃいけない事。
こんなでかい網をかける必要があるんだろうか?

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