ホルモン屋徒然草~珍しホルブロだ

新米ホルモン屋の親爺の日々。ホルモンのこと、店の出来事、周辺の自然や話題。

盛岡冷麺

2007-08-09 09:54:51 | 第1紀 をかしら屋
盛岡の焼肉屋は特殊である。
肉を焼かないお客様が多いからである。
私たちはきっと慣れっこになっているからなんとも思わないのだが、他県の方をお連れすると、この客の姿と店の広さ(ぴょんさんとかヤマトさんとか)に驚く。
盛岡人にとっては焼肉屋は、ランチで冷麺、小腹がすいて冷麺、宴会の二次会、最後の締めに冷麺なのである。本来、焼肉屋は焼肉を食べる(あたりまえか)店で、ちょっと気を張って「今日は思いっきり食って飲んでスタミナつけるぞ」ってな感じで入るわけで、「ああ、冷麺でも喰うか」みたいなのはやはり特定エリアの事であろうと思う。・・思うけど、盛岡ではそうなのである。・・もちろん焼肉も大事ですよ。

冷麺処だから店店の冷麺の好き嫌いとか評価が盛岡人の興味を引き話題となる。「をかしら屋」も盛岡冷麺を出している(当然!!)し、評価も人それぞれ分かれる。
昔ながらの店は押し出し式の冷麺機を使って店で冷麺を作っている。
「をかしら屋」は製麺屋から仕入れています。
スペース的にも場所はないし、麺の安定性と完成度を考えれば専門の業者から仕入れるのがベターと考えている。
麺は、長く、太く、弾力のある昔ながらの盛岡冷麺である。
はやりのちょっと細麺、多少短く弾力もややソフトみたいな一般受けする麺ではない。噛み応え充分である。それだけに、好き嫌いがあると思う。
牛骨や鶏、スネなどを入れてスープを作っている。これは手間もかかるけど、結構スッキリタイプでいい感じだと思う。ファンも多い。
私は試食を兼ねた賄いで冷麺を喰う時は辛みのカクテキを入れない。この澄んだスープを味わうためである。
そして、国産牛のすね肉で牛チャーシューを作っている。これも手間であるが、盛岡の老舗の焼肉屋に負けない自負がある。秀逸であると言い切りたい。
で、も一つ、決め手は丼。
冷凍庫で専用スペースに保管している。
これで、キリッとした冷麺が提供できるのである。

はなはだ失礼な言い方で申し訳ないが、「をかしら屋」はホルモンの店であると決めているから、諸先輩の焼肉屋さんのように「冷麺 命」とまでの投資はできなかった。しかし、盛岡で焼肉屋を名乗る以上、いい加減なものは出せない。麺は外注であるが、ほかは手間隙かけこの姿になった。いいものができた。いい冷麺を出している、と思う。もちろん外注の麺もすばらしい。

そろそろ梨の季節。
やはり冷麺の果物は梨があうような気がする。・・今はリンゴ。

あっ、カクテキも手作りです。これも、いいよ。