おかもろぐ(再)

趣味のブログ

ゲイモス

2016-04-02 21:51:49 | ゲーム
 アスキーという会社は8bit PC時代には業界の中心的な存在で、MSXなどに多くのゲームソフトを発売していました。その頃から感じていたのですが、どうもこのアスキーのゲームはいかにもプログラマーが作ったという雰囲気がありました。もちろんPCゲームですから、職業ゲームデザイナーではなくてゲーム好きな一般のプログラマーが作っていた作品がほとんどだったから当然ではあります。

 そしてこのゲイモスも同様の雰囲気を持っています。発売されたのはファミコン初期なのでしょうがないのですが、どうにもMSX的なゲームです。いや、ゲームというか、「プログラム」です。本作は3Dシューティングということで、当時は(擬似)3Dというだけでありがたみがあった時代でしたが、それにしても3Dデモプログラムのような印象がぬぐえません。

 ゲームをスタートすると、気の抜けたスターウォーズのような音楽が流れ、敵がひょろひょろと近づいてきます。敵の種類は少なく、同じパターンの繰り返しで、極めて単調な展開です。ちなみに地形の流れは敵の動きとシンクロしておらず、単なる雰囲気でした。全体的になんとなくエクセリオンに似ている気がします。

 3D(風)シューティングとしては珍しく対空ショットと対地ショットの撃ち分けができるシステム。けれども地上物は気にしないでいいかもしれません。各ステージ最後にボスがいて、時間内に倒すと次のステージに進みますが、間に合わなかったらそのステージをやり直しという面倒くさいルールがあります。せめてダメージが蓄積していたらよかったのですが。



 なぜか常に傾いているボス。すぐ逃げる。出現した瞬間に何発か攻撃を叩き込んでおけば楽になります。

 このゲーム最大の売りは、2つの視点モードがあることでしょう。モードAは画面内をぐるぐる回る通常の3Dシューティング。モードBは自機が画面に固定され、周囲の敵の見かけ位置が変わるという視点。両モードはロジカルに同等のゲームかと思われます。モードBの方が浮遊感があってちょっとだけ楽しいように感じましたが、自機の移動可能範囲が見た目でわからないという欠点があります。

 攻略法としては、とにかく止まらないこと。ただし、自機の動きを先読みして攻撃してくる敵もいるので、画面を大きく動いているだけではやられてしまいます。私の場合は、右上、右下、右上、右下、と小刻みに止まらず移動する方法を使っています。なんだかナイトストライカーの誘導弾を避けているような感覚です。

 舞台は各惑星の衛星の地表面でしょうか、画面の上半分は惑星が描かれていて、なかなか美しいです。でももちろんゲームシステムには全く関わっていません。なんでも、宇宙人「マストドン」(どうでもいいが、ゾウに似た古代生物の名前なんだけど)を太陽系から追い払うため、地球、火星、木星、土星、海王星、冥王星とワープしていく、という設定。
ところで天王星はどうしたのか?



 我らが地球。舞台は月面でしょう。



 次は火星。ここはフォボス? ちなみに敵ボスの名前もフォボス。



 巨大な木星。大赤斑も見えます。色からして火山のあるイオからの眺め?



 輪が美しい土星。ここがタイタンなら、表面は有機化合物の海でしょうか。



 海王星の青はメタンの色。衛星はトリトンに違いありません。



 準惑星となった冥王星と衛星カロンは二重惑星と言われることもあります。このステージをクリアしたら最初の地球ステージへループ。

 というわけで、ゲイモスを味わうにはこれらグラフィックを堪能できたらまあ十分ではありますが、せっかくだからモードBもクリアまでプレイしてみました。モードBは前述の問題点のほか、ボスに先制攻撃をできる位置取りも難しいので、さらなる慣れが必要です。



 そして冥王星ステージをクリアした瞬間の画面です。モードBでは地上物を狙うための照準が表示されているのでモードAと区別可能。もうゲイモスはこれで満足。税込み270円で購入した分は楽しんだということにします。

 それでも、たとえゲームとしてはなんだかアレな出来でも、無理やりな3D表示だったり、巨大な惑星の描き込みだったり、なにか凄いことができないかというスピリッツを感じることはできました。

 クソゲーと称されることも多い本作。1985年製ですから、とにかく30年以上も前のゲームです。今の時代から振り返り、ゲームとしての完成度よりもプログラムとしての可能性を探っていた作品の一つと考えてみれば、本作の意義もなんとなく見えてくるような気がしないでもないんじゃないかと思われます。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿