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【ゲームクエスト】ニンジャコマンドー

2011-01-05 19:11:59 | ゲームクエスト
ニンジャコマンドー(ネオジオ)

2008年6月17日掲載

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ネオジオ最大のバカゲーといえば、
多くの人がこの「ニンジャコマンドー」を挙げることでしょう。

「忍者」とは人目を忍んで工作を図る諜報・戦闘集団。
「コマンドー」とは隠密で奇襲する特殊部隊。
似たような意味の二つの単語をくっつけたはずなのに違和感抜群のタイトル!

人類の歴史をねじ曲げようとするマルスコーポレーションの野望を打ち砕くため、
3人のニンジャコマンドーが出撃だ! 時空を超えて「スパイダー」を倒せ!

ニンジャコマンドーは、世界から集まった3人の忍者からなる!
アメリカ国籍だが甲賀忍者の血を引くジョー・タイガー!
日本に留学して伊賀忍術を学んだイギリス人のレイア・ドラゴン!
「風魔の小太郎」の名前を継ぐリュー・イーグル!

すいませんレイアさん、日本のどこで伊賀忍術を学べるのでしょうか?
私も学びたいのですが。

本作は縦スクロールのアクションシューティングで、「戦場の狼」タイプです。
Aボタンのショットの他にコマンド必殺技もあり、ド派手な攻撃が楽しめます。
Bボタンでバク転(無敵時間なしの緊急回避)、Cボタンで忍法を使用。
ただ、リュー・イーグルの「ブラックホール」は忍法ではないと思います。
言うなれば科学忍法ですが、敵を倒せりゃ何でも忍法なのでしょう。

彼らニンジャコマンドーに必要なのは「火力」です。
「ニンジャ」とは、「忍ぶ者」ではなく、「残忍な者」のことなのです。
「コマンドー」とは、「コマンド必殺技もあるよ」ということなのです。

本作で何より有名なのは、登場人物たちのとろけた会話の数々です。

「マルスコーポレーション特製の人造人間」って漬け物みたいに言うな!
女中を散々丸焼きにしておいて「心配ご無用! みね打ちでござる!」だと?
「おのーれ、おのーれ!」って、お前はベルクカッツェか!?

彼らの言動にいちいち突っ込みを入れないと、とても自身の正気が保てません。

気になる部分はまだまだあります。
プログラム、システム、バランスの面からも突っ込みがいがあるのです。
でも突っ込んで回るのも大変なので、列挙だけ。

タイトルデモの無理矢理な三次元表示とか、
タイトルコール「ニンジャ! コメーンドーゥ!」の悩ましい発音とか、
画面下に「びじんはくめいいいい!」などと表示される字幕システムとか、
六芒星を描く(上、左下、右下、左上、右上、下)必殺技コマンドとか、
その六芒星の技(爆烈究極拳)さえ出せればクリアは簡単だとか。

「戦場の狼」タイプのゲームと書きましたが、実はちょっと違います。
その点は最大の突っ込みポイントですが、あまり追求されていないようです。

自機が人間のアクションシューティングなら、
普通はプレイキャラの向いた方向に射撃することができますが、
本作では画面の上方にしか撃てないのです。非常に不自然なゲームです。
横から敵が出てきた場合などにはコマンド必殺技を使う必要があります。
このようにゲーム設計の部分がリアリティの領域を浸食しているのですが、
そのことが特徴的なゲーム性と操作感覚を本作に与えています。

今にして思えば、本作が発売された1992年はプレステもサターンもなく、
リアリティよりもゲーム設計が優先できた最後の時期だったのかもしれません。
その後のいわゆる次世代機以降のゲームは見た目がなまじリアルなだけに、
「そんなのありえねーだろ!」と文句を言う風潮が広がったような気がします。
突っ込みとは要するに何らかのリアリティーの欠如に対するものですからね。
ゲーム史の潮目にまたがった本作は独特の地位を築いたようです。

マニアックながら、音楽に関してもソフトな突っ込みを。
全体的にワールドワイドな感じの曲調で、ノリもセンスもいいのですが、
ショスタコーヴィチの交響曲第5番にそっくりな軍隊行進曲には笑えます。

全方位からの突っ込みに耐えるバカゲー、それが「ニンジャコマンドー」です。
それにしてもリアリティーのみでゲームを語るようにはなりたくないものです。
バカゲーとはゲームらしさを死守する最後の砦なのかも知れません。


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