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フォンタナ:サウンドブリッジ ケルン~サンフランシスコ

2011-11-11 21:04:32 | CD


ビル・フォンタナ:
・サウンドブリッジ ケルン~サンフランシスコ

ケルンの18の音源およびサンフランシスコの18の音源による1987年5月31日における衛星ライブ

WERGO: WER 6302-2 286 302-2



 この「サウンドブリッジ」はクラシック音楽どころか、もはや音楽とも言えないかもしれません。作者のビル・フォンタナは音楽家でなく音響彫刻家を名乗っています。「サウンドブリッジ」はシリーズになっているようで、二つの都市で聞こえる音響を一カ所で同時に鳴らすというものです。このCDではドイツのケルンとアメリカのサンフランシスコでの音響が使われています。このライブは1987年5月31日にケルンのルートヴィヒ美術館とサンフランシスコ現代美術館で流されると同時に、欧米の50を越えるラジオ局から放送されたとのことです。

 ライナーノーツを読んでもよくわからないのですが(英語だし)、ケルンで採取された18の音源をミキシングしたものと、サンフランシスコで採取された18の音源をミキシングしたものを、衛星でつないで同時に鳴らすというもののようです。その音源というのがリアルタイムで鳴っているものなのか、録音したものをリアルタイムでミキシングしているのかがよくわかりませんが、遠く離れた二つの都市の特徴的な音響が一カ所に集約されて、その効果として時間と空間の意識が拡大するような感覚が得られます。

 環境音楽というか、環境音そのもののようなものですが、一種のインスタレーションと考えるのがわかりやすいかもしれません。そんなの聴いて何が面白いのと思われるかもしれませんが、ケルンの教会の鐘の音とサンフランシスコのウォーターフロントの音が同時に聞こえるという体験は現実ではあり得ず、イマジネーションを刺激されます。さらに私はこれを聴きながら散歩するのが好きで、ケルンとサンフランシスコに加えて自分がいる街もサウンドブリッジによって繋がるという楽しみがあります。



 上の動画はサンフランシスコ側の音響素材のようです。CDのジャケットと同じものが映像に出てきますが、これは恐らく音の素材となったサンフランシスコの霧笛です。また、このCDとそっくり同じものはオフィシャルサイトのこちらで全部聴けるようです(CDいらんやん…)。35分あたりからの壮大に打ち鳴らされる鐘の音に浄化されてしまいそうです。

 現代音楽や現代美術はよくわからない、という人も多いかと思われますが、これは相当わかりやすい作品でしょう。オフィシャルサイトのmp3データをダウンロードしてiPod等に突っ込んで街を歩きながら聴いてみると、きっと面白いですよ。


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