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ミヨー:世界の創造、屋根の上の牛

2011-04-18 20:54:11 | CD


ダリウス・ミヨー:
・バレエ「世界の創造」
・「ブラジルの想い出」より
・バレエ「屋根の上の牛」

指揮;レナード・バーンスタイン
フランス国立管弦楽団

EMI: CDC-7 47845 2



 Darius Milhaudと書いて、ダリウス・ミヨーと読みます。フランス語はよくわかりません。Dariusの綴りはダライアスですね。ミヨーはエリック・サティのもとに集まったフランス6人組の一人で、数多くの作品を残した人です。6人組とは言っても、6人が共通の音楽語法を持っているわけではなく、皆かなりバラバラの作風です。

 ミヨーの特徴の一つは、ジャズやブラジル音楽などを取り入れているという点です。このディスクでは、「世界の創造」ではジャズ、後の2曲はブラジル風になっています。「世界の創造」ではクラシックには珍しいスウィング感があります。小品集の「ブラジルの想い出」からは4曲が抜粋されていますが、むせかえるような暑い空気とオープンな雰囲気を醸しています。

 ミヨーの音楽のもう一つの特徴は「多調」を用いていることです。「普通」の音楽には、ドレミファソラシドの音階を使うハ長調や、ソラシドレミ♯ファソのヘ長調や、♭ラ♭シド♭レ♭ミファソ♭ラの変イ長調など、長調と短調を合わせて24の「調」があります。普通の音楽では途中で転調することはあっても同時には一つの調だけを使いますが、「多調」とは多くの調を同時に用いる技法です。その結果、音階的に噛み合ない素っ頓狂なメロディーが流れたりすることになります。

 このディスクの「屋根の上の牛」では、その多調が効果的に使われています。冒頭の旋律の後にいきなり調子っぱずれの多調が顔をのぞかせますが、様々な性格を持つ音楽を挟みながら、最初の旋律が何度も現れます。始終馬鹿馬鹿しい雰囲気で、サンバ的な部分もあったりして、底抜けに明るく楽しい曲です。私は生演奏で最初に聴いたのですが、仲間内で流行るほどのインパクトがありました。これも演奏したいなあ。


原曲はオーケストラ曲ですが、ピアノ連弾バージョンの動画がYouTubeにありました。
他の人の動画も色々ありましたが、この動画は手元が写っており、「多調」っぷりが見えて面白いです。
原曲は連弾バージョンの二倍以上の長さがあります。


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