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京都 花の密室殺人事件

2016-07-24 23:00:00 | ゲーム
 長い歴史のある京都は国内でも特別な場所で、多くの国民にとってあこがれであることでしょう。そして、それだけに京都特有のお高くとまった雰囲気も気になることでしょう。それが実に奈良県民の私の鼻につくのです。とはいえ、そんな京都のイメージは「京都府」ではなくて「京都市」のものであって、非常に限られた範囲のことですけど。まあそんな私の京都コンプレックスはさておき、京都の文化にディープなものがあるのは間違いありません。



 さて、ファミコンで発売された本作『京都 花の密室殺人事件』のテーマは「華道」です。山村美紗原作によるタイトー・サスペンス第2弾だそうです。このゲームのことをリアルタイムでは知りませんでしたが、半年ほど前に近所のブックオフのサービス品の箱の中に500円で見つけて気になっていたのですが、その後になくなっていました。買っておけば良かったかなと思ったのですが、別の店で500円であったのでそこで買いました。抹茶色のROMカートリッジがなんとなく京都的。



 ゲームはサスペンス・アドベンチャーで、友人のキャサリンと華道の個展を観に行くところからスタート。キャサリンは推理マニアだそうで、プレイヤーはゲームデザイナー(ただしこの設定は無意味)。



 キャサリンの友人の松野愛子の個展会場に着くと、さっそく本人が挨拶に出てきました。この人は京本流という華道の流派で一番の実力者だそうですが、古くからの家元制度に反発をしているとのこと。そしてこの直後、目の前で松野愛子は倒れて死亡してしまいます。そしてキャサリンによるとどうもこれは殺人事件だそうです。



 事件の担当は狩矢警部という人で、なぜかこちらもキャサリンの知り合い。プレイヤーが調べた情報を教えてあげると、それをもとに捜査して新たな情報を教えてくれたりします。



 登場人物として他に京本流の家元と後継ぎ息子、理事、多くの門弟が出てきます。最初の事件の後、次々に死亡事件が発生します。その内の一つは密室での死亡事件ですが、キャサリンはこれも他殺だと言います。京本流は近々華道大会に代表を数名出す予定だったようで、その座を争っての事件だとの話も聞こえてきます。果たして真犯人と、その目的とは?



 ゲームシステムはコマンド選択式で、はっきり言って簡単です。行けるところは全部行って、できることは全部やっているうちにどんどんゲームは進みます。進むところまで進んだらプレイヤーは自宅に帰ってその日の出来事を整理し、一晩眠ると次の日に情報が入っていたりして新たな展開が待っています。



 ただ、ゲームのテンポはなかなかいいのですが、プレイヤーが考えて行動するということがありません。情報を聞いてそれをキャサリンに伝えに行くと、キャサリンが次々に答えを出してしまうので、アドベンチャーゲームというよりはデジタルノベルに近い気がします。密室のトリックもキャサリンが勝手に解明してしまうので、それはないだろうと言いたくなります。他の事件のトリックには華道ならではの流儀が絡んできて、へぇ〜と感心しますが、それもキャサリンが解説してくれます。もうあんた一人でやってくれと言いたい気がしないでもありません。



 情報集めでは何ヶ所かで京都の町の雰囲気を感じることができます。実在の名所を出してくれても良かったのですけど。



 上の写真はエンディングからの一枚。密室のトリックを(キャサリンが)解明し、証拠をつかんだところであとは狩矢警部に投げてエンディングです。ここでやはり犯人と対峙し、その目的とトリックの種明かし、殺人の証拠を突きつけるというシーンが欲しかった気がします。いきなりエンディングなのでかなり肩透かし気味。



 とにかく難易度は低くテンポがいいので数時間のプレイでクリアできるでしょう。ゲーム内の時間にして2週間程度。クリアするとなんとなく京都に出かけたくなることでしょう。そうなるとやはり京都っていいよなという気持ちも強くなりますが、奈良県民としてはリニア中央新幹線の駅だけは京都に渡すわけにはまいりません。


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