17日、独フォルクスワーゲンは、第1四半期の世界の販売台数は前年同期比11%減の約139万台となったと発表した。
独政府の販売奨励策が寄与し、主要市場での需要が堅調となった。第1四半期の自動車販売台数でトヨタ自動車を抜き、首位となる見通しだ。
数ヶ月前、トヨタが販売台数でGMを抜いて世界一になったときに私が説明したことが、まさに現実になってきた。
GMを抜き世界一になったトヨタにとって、今後世界一を競うライバルはフォルクスワーゲンになる可能性が高いということだ。
その根拠は、日米欧の主要自動車メーカーの資本関係を見ると分かる。
フォルクスワーゲンはポルシェを最大の株主にしつつ、チェコのシュコダ、スペインのセアトという低価格車を得意とする会社と、アウディ、ベントレーといったハイエンド車を得意とする会社を持っている。
ポルシェ、ベントレーというハイエンド車から、セアト、シュコダといった低価格車までカバーするラインアップは強力だ。
フォルクスワーゲングループが持つ車種の広さはトヨタにとって大きな脅威であり、今後の課題の1つになると思う。
フォルクスワーゲンに次いでトヨタを追随する可能性が高いのは、フィアットだろう。
フィアットが今後GMやオペルを買収することになれば、かなり大きな規模に成長するからだ。
ただ、例えそうなっても、近い将来で見ればトヨタやフォルクスワーゲンには及ばないと思う。
フィアット傘下にはマセラッティ、フェラーリという超ハイエンド車があるが、これらの市場は極めて小さいものだからだ。
トヨタ並みにミドルエンドの車のラインアップを揃えてくるようになると、世界のトップ争いができるようになるだろう。
やはり本命はトヨタとフォルクスワーゲンの一騎打ちという構図だが、今のままではフォルクスワーゲンの方が有利だと私は思う。
トヨタは平均的に非常に質が高い車を揃えているが、例えるなら「Jazzのような」あるいは「セクシーな」印象を与える車種が欠けているからだ。
以前、トヨタは1600万円ほどの価格でスポーツカーの販売を予定していたが、先駆けて日産にスカイラインGT-Rを800万円で発売されてしまったせいか、未だ開発中とのことで発売されていない。
現時点において販売台数で抜かれてしまったのは、トヨタそのものが原因というよりも、ドイツなどの欧州の国が新車販売に対して強力な補助を実施したためであり、さほど気にする必要はないだろう。
この点について、欧州は見事に「心理経済学」を理解した対策を講じており、それが効果を発揮している。
トヨタをサポートするという意味でも、日本の役人や政治家は、ぜひ今の欧州を見習ってもらいたいところだ。
世界大不況を経て、自動車業界の勢力図は一変した。トヨタ、フォルクスワーゲン、そしてフィアットを中心に今後どのような展開を見せていくのか注目していきたい。
独政府の販売奨励策が寄与し、主要市場での需要が堅調となった。第1四半期の自動車販売台数でトヨタ自動車を抜き、首位となる見通しだ。
数ヶ月前、トヨタが販売台数でGMを抜いて世界一になったときに私が説明したことが、まさに現実になってきた。
GMを抜き世界一になったトヨタにとって、今後世界一を競うライバルはフォルクスワーゲンになる可能性が高いということだ。
その根拠は、日米欧の主要自動車メーカーの資本関係を見ると分かる。
フォルクスワーゲンはポルシェを最大の株主にしつつ、チェコのシュコダ、スペインのセアトという低価格車を得意とする会社と、アウディ、ベントレーといったハイエンド車を得意とする会社を持っている。
ポルシェ、ベントレーというハイエンド車から、セアト、シュコダといった低価格車までカバーするラインアップは強力だ。
フォルクスワーゲングループが持つ車種の広さはトヨタにとって大きな脅威であり、今後の課題の1つになると思う。
フォルクスワーゲンに次いでトヨタを追随する可能性が高いのは、フィアットだろう。
フィアットが今後GMやオペルを買収することになれば、かなり大きな規模に成長するからだ。
ただ、例えそうなっても、近い将来で見ればトヨタやフォルクスワーゲンには及ばないと思う。
フィアット傘下にはマセラッティ、フェラーリという超ハイエンド車があるが、これらの市場は極めて小さいものだからだ。
トヨタ並みにミドルエンドの車のラインアップを揃えてくるようになると、世界のトップ争いができるようになるだろう。
やはり本命はトヨタとフォルクスワーゲンの一騎打ちという構図だが、今のままではフォルクスワーゲンの方が有利だと私は思う。
トヨタは平均的に非常に質が高い車を揃えているが、例えるなら「Jazzのような」あるいは「セクシーな」印象を与える車種が欠けているからだ。
以前、トヨタは1600万円ほどの価格でスポーツカーの販売を予定していたが、先駆けて日産にスカイラインGT-Rを800万円で発売されてしまったせいか、未だ開発中とのことで発売されていない。
現時点において販売台数で抜かれてしまったのは、トヨタそのものが原因というよりも、ドイツなどの欧州の国が新車販売に対して強力な補助を実施したためであり、さほど気にする必要はないだろう。
この点について、欧州は見事に「心理経済学」を理解した対策を講じており、それが効果を発揮している。
トヨタをサポートするという意味でも、日本の役人や政治家は、ぜひ今の欧州を見習ってもらいたいところだ。
世界大不況を経て、自動車業界の勢力図は一変した。トヨタ、フォルクスワーゲン、そしてフィアットを中心に今後どのような展開を見せていくのか注目していきたい。
トヨタにはセクシーさが足りないのですね?
セクシーさとは何でしょうか?
企業が成長しようとする場合、他社の後追いでは勝負出来ないと思いますよ。
私はトヨタにはわけのわからないセクシーさを追うより、日本企業としての独自性の追求が必要だと考えます。
現在の(今までも)トヨタ車はあまりにも一般受けする保守的なデザインや性能の車が多すぎると思います。まあ、それが現在までのトヨタを支えてきた要員の一つとも言えますが、要するにこれからの世界市場ではトヨタの独自性を象徴するような明確なアイデンティティをもったデザイン・性能の車も必要ではないかと思います。
ていおー様
詳しい解説ありがとうございます。
ハイエンド市場で独自の色気を持った商品が必要という事は大いに賛同出来ます。
確かに日本の企業はハイエンド市場では弱く、大きな課題だと思います。
いいものの究極について、稲盛さんが仰ってますが、それは「パーフェクト」であって、相対的な最高位である「ベスト」は、単なる妥協点ではないかと。
トヨタは、ベストを追求してきたんでしょうが、これからはパーフェクトを追求してないといけない、ということではないんでしょうか。物足りなさが目につく間は、まだまだ追求するべき課題があるということでしょうから。完璧なものは、当然ながら「セクシー」でもあるはずです。
なんて、受け売りの横流しですいません。