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横断者のぶろぐ

ただの横断者。横断歩道を渡る際、片手を挙げるぼく。横断を試みては、へまばかり。ンで、最近はおウチで大人しい。

宮崎勤論Ⅵ■ある小平義夫論

2008-03-03 05:09:26 | Weblog
二 ある小平義雄論□性生分離の大原則
 

 私の見るところ、小平義雄の供述は、一級の史料価値があります。これを真っ先に引用すべきかどうかで迷いましたが、ここはやはり、仮説を最初に提示し、次に引用を行い、最後に簡単な分析を試みます。
 この仮説作業を通して、意外な出口を発見したと思っています。
 と言いましても、自己流の怪しげな論理的な計算を行ったうえでのことですから、今述べたことは戯言と思われても一向に構いません。
 たとえば、

  仮説a) 性行動の原則*「性生一致=男性型」
  仮説b) 性行動の反原則*「性生分離=女性型」

の二型を仮定してみたところ、まるで正反対であることに気づきました。
 ですから、次のように改めました。

  仮説A) 性行動の原則*「性生分離=女性型」
  仮説B) 性行動の反原則*「性生一致=男性型」

 「性生」とは、「性交」と「放生=エクスタシー」の組み合わせを言います。
 男の性行動とは、「性交」は「射精=放生=エクスタシー」が約束された道です。
 しかし、女性の場合は、屈折しています。男のように、ストレートな道は約束されておりません。時には、望まぬ性交のように、痛みを伴い、男の道具としての屈辱を呼び覚まします。
 ですから、女性の性行動は「性生分離」と捉えるほうが妥当と考えます。

 問題は、男女の性行動のどちらが原則的かという点です。

 この問題を真っ先に取り上げたのは、フェミニストだと思いますが、私の知る限りでは、フランスのボーボーアル女史です。名著「第二の性」では、処女が初夜にエクスタシーを体験するのはおかしい、といって男の書いた恋愛小説のうそを暴露しました。
 私が言いたいのは、男は自らの性行動を原則的と信じて疑わずに、女性にその原則を強要してきたことです。
 この程度の問題なら取り上げるまでもありません。
 ですが、小平義雄の連続レイプ殺人鬼の性行動は、どう考えてみても、女性型と捉えるしかなく、もってこっちの変質者の性行動を「原則的」とすることになり、従来型の男性の性行動は二重のダメージを与えかねなあと、一種深刻な問題を抱えて弱ってしまいました。
 結果的に、こうと出た以上は、それはやむをえないのではないかと。
 では、引用を行います。

> まず、女を殴り、次いで頚部を絞め仮死状態にする。・・・二、三分そうしていると、洟を垂らし、手をだらりと下げ、仮死状態になるのである。この時すぐに交わるとは限らない。むしろ三十分ぐらい待ち、蘇生したところで、揺り動かす。「私どうしたの、どこか行っていたの?」たいていの女が、不思議そうに問いかけ、失禁していることに気づく。そこで、着ている物を脱ぐように命じ、体に付着した糞尿を拭き取ってやる。もはや抵抗を諦めるので、体をひろげて、自らを重ねる。その行為の間、女は目を開いて宙を見つめ、両手を伸ばしている。女を横にして陰部を見て、今入れんとする瞬間がなんともいえないのです。殺されてもいいと思うときがあります。日本刀で後ろから首を切られても構いません。陰部ばかりを見ています。顔なんか見ていません。入れると夢中で私だけ腰を使います。終わると早く始末してしまいます。(『無限回廊』様より引用

「小平義雄連続殺人事件」:http://www.alpha-net.ne.jp/users2/knight9/kodaira.htm

 見られますように、冒頭から暴力的な仕掛けが述べてあります。ローマは一日にしてはならず、という格言があるように、女性心理を研究し、攻略法を自ら考えて実践し、最後にたどり着いた、いわば究極の攻略法がそれであったと私は見ています。当然、リスクを背負います。
 そうやって生死を自由にできる女性の陰部を見て、「今入れんとする瞬間がなんともいえないのです」という言葉は、「(前的)放生」を思わせるエクスタシー表現と見ています。
 次に、「日本刀で後ろから首を切られても構いません」という言葉に、その間の恐怖心の強さを物語っています。一つの恐怖を乗り越えて、さらなる恐怖の幻影に取り付かれている様子が見てとれます。

 快楽殺人鬼というと、「快楽」のイメージが先走っていしまって、実際には、恐怖と出遭って震えているというのは、不思議な、理解しがたいものに思えてくるかもしれませんが、そこに恐怖が立ちはだかっているからこそ、彼ら殺人鬼は涜聖的な行為に溺れるのであり、そうして恐怖越えの先に待っているのは、放生というべきエクシタシー、つまり、純悦びではないかと。

 これは、自殺者の心理と通うかもしれません。死ぬのは怖い。しかし、試してみる価値はあると。


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