まずい。この国はほんとうにまずいところに来ていると思います。麗しい国土を汚染し、長いあいだ何世代もが暮らして「ふるさと」と呼んで愛して来た土地にすむというあたりまえの幸せを理不尽に奪い、そこにすむ動植物を汚染し、子供の健康におそろしい影響を与え、だからこそ国民は「もうこりごりだ」という当たり前の感覚から、常識として「原発などいらない」という選択をした。にもかかわらず、政府は反省することもない東電を生き延びさせ、節電が可能であることがわかったのに、無理矢理電力不足の危機をあおり、「豊かな」日本を維持するにはエネルギーが必要だと強調しつづける。見かねておだやかな主婦が、老人が立ち上がった。その数はもしこれがヨーロッパの国であったらたちどころに政府が転覆するほどのものであるにもかかわらず、マスコミもとりあげず、政府は聞く耳をもたない。
今日のニュースによれば30年後の原発ゼロの約束も実体は骨抜きにされたらしい。その要因は経済界の圧力であったようだ。その代表的人物はいまだに「右肩あがりを維持するためには原発が不可欠だ」と信じて疑わない人物である。戦後の復興時代を導いた人としてはその人生を誇っていただいてけっこうだが、あの災害は日本人の社会感、自然観、世界観を根本から変えたのです。どうかお引き取りいただきたい。あなたたちに感謝もし、敬意も払うが、「豊かな社会」は私たちの人生の片面でしかなかった。少なくとも私は、自分が育った社会が森林を伐採し、川をずたずたにし、海岸をコンクリートで埋め立て、世界中からエネルギーや物資を買いあさったという事実に疑問があると気づいたのです。子供をもつお母さんたちは、汚染された土地で子供が外で遊べないことや、食べ物の汚染におびえ続けるような生活はいやだと思ったのです。これほど当然のことはありません。
そうした大多数の常識が経済界のひとことで無視され、政策がねじ曲げられる。その変節を問われた時の首相という男の口先の巧みさ。この社会は本当にまずいところに来てしまったと思います。
今日のニュースによれば30年後の原発ゼロの約束も実体は骨抜きにされたらしい。その要因は経済界の圧力であったようだ。その代表的人物はいまだに「右肩あがりを維持するためには原発が不可欠だ」と信じて疑わない人物である。戦後の復興時代を導いた人としてはその人生を誇っていただいてけっこうだが、あの災害は日本人の社会感、自然観、世界観を根本から変えたのです。どうかお引き取りいただきたい。あなたたちに感謝もし、敬意も払うが、「豊かな社会」は私たちの人生の片面でしかなかった。少なくとも私は、自分が育った社会が森林を伐採し、川をずたずたにし、海岸をコンクリートで埋め立て、世界中からエネルギーや物資を買いあさったという事実に疑問があると気づいたのです。子供をもつお母さんたちは、汚染された土地で子供が外で遊べないことや、食べ物の汚染におびえ続けるような生活はいやだと思ったのです。これほど当然のことはありません。
そうした大多数の常識が経済界のひとことで無視され、政策がねじ曲げられる。その変節を問われた時の首相という男の口先の巧みさ。この社会は本当にまずいところに来てしまったと思います。