そういえば・・・

母の脊髄梗塞回顧録

泣き虫Aさんのコーヒー

2012-12-05 15:47:02 | 現在の日記
患者と家族会の時に、誰かが「コーヒー屋さんのAさんの入れたコーヒーを飲んでみたい」といったので、私も飲みたいな~といったら、コーヒーが届きました。

泣き虫Aさんとして有名なAさん、ネット上のつきあいはかなり長いんです。
いつも泣き事ばかりいって、おっちゃんに喝を入れられている(笑)それでも懲りずに
喝を入れられに来る。

最初、私も若かったし「泣き事ばかりいってても始まらないから、前に進め~」という意味で
ガツンと書いちゃったんですよね~。いやぁ、あの時はすいませんでした。
別の人に「その人の気持ちも考えてやれよ」みたいな事を言われて、ああ、気づかいが足りなかったなと反省しました。落ち込んでいる最中に、あれじゃ可愛そうでした。

で、その後、患者と家族会の第一回目があって「あの時はすいませんでしたね」と平謝りした記憶があります。ですがAさん、気弱なだけあって、優しいんですよね(笑)帰りはタクシーで一緒に、新宿駅まで乗せていってもらいました。
五回目の今回は「俺、みかんちゃんの隣ね」と嬉しい事をいってもらいました。


そのAさん、10年たっても、まだ泣き事を言っています。
最近は、我慢しちゃうような人って、なかなか愚痴も泣き事もいえないけれど、ここ(おっちゃんの所)に来る人の中には、家族に心配をかけたくなくて書いてきている人も大勢いるだろう。Aさんがいると、新しい人も言いやすいだろな。といないと困る人になってきました。
誰ですかね、泣き虫Aさん、なんて名前をつけたのは。

脊髄梗塞は神経が損傷するので痛みがあるのですが、この痛さにはなかなか慣れるもんじゃありません。10年たつと、諦めもあるし、少しは良くなる・・・・かどうかははっきり書けませんけど、普通は、だんだんと言わなくなります。それをAさんは言い続けてる。
なかなかの根性です。

いや、それだけじゃないのかもしれない。
立ち仕事だろうし、片側なので、どうしても腰や背中をかばって負担が来る。だから、整形外科的な痛みがあるのだろうと思っていました。
Aさんも、接骨院に通ったり、いろいろな検査をして、最近、どうも奇形があるらしい、と言われたようです。
血管に奇形があって、そこに溜まるんだか、血流の流れが悪くなるのか、よくわかりませんけど、そういう方が中にはいます。再発しないといわれている脊髄梗塞で、再発と思われるのが奇形らしいです。この奇形は、かなり詳細な検査をしないと見つけにくのですが、奇形じたいは手術で治るらしいです。

Aさんの場合、足の力が落ちている、痛みが増しているとのことで、もしかしたら気が弱いだけの話だけでは無かったのかも? まだまだ謎の多い脊髄梗塞ですが、症状が増すというのは考えにくい。一体何なのか? 


そんなAさんが年明けに手術をするそうです。その前に「飲みた~い」といったのを覚えていてくれてコーヒーを送ってくれたんです。美術分野で才能のある息子さんの絵ハガキと、お店のハガキにはAさんが焙煎している姿が別人のようにカッコ良く映っていました。
今は、もう少しやせたかな? 手術の前にしっかり食べて、体力をつけないと!!


コーヒー好きな母と、お勧めだろうブレンドを飲んでみました。
泣き虫Aさんがブレンドしたコーヒーはどんな味だろう?ネットでは、すっきりとか書いてあったけど、あ・・・私、コーヒーの味ってあまり詳しくないので、ごめんなさい。
詳しくない私が書いていいものか、わかりませんけど
なんと、意外と男っぽい味でした!
後味とかはわからないのでパスして、母と話したら、どんな時に飲みたいかというと・・・元気の無い時に飲みたいと意見が一致しました。
元気を出せと言われるようなものでは無いし、メチャクチャホッとする物でも無い、なんというか泣いている時に、無言で、すっと出されるコーヒーのような気がしました。
どうにもならないけれど、流さずにはいられない涙を知っている大人の味?

やるじゃん、Aさん!
この経験は、きっとコーヒーの味に出ていますね。

違う味も飲んでみたいな・・・と思って、他のを見ると


ダイエットコーヒー


・・・・・おそらく、女性に人気だというのと、ダイエットしろよという二重の意味が込められているに違いない。



Aさん・・・・
今度、思いっきり酸っぱいみかんを送ってあげますので、覚悟しててね


第五回 番外編

2012-12-05 13:45:31 | 現在の日記
第五回脊髄梗塞患者と家族会のレポートは、前回を見ていただくとして、こちらは個人的な感想を。


終わった後は、世話役の奥さんや他の方も交えて、ガールズ(おばちゃん?)トークをしていました(なぜか、そうなっちゃったの)

お母さんの気持ち、妻としての気持ちを、爆笑を織り交ぜながら面白おかしく話してくれるんです。
いやー、私にはまだまだ言えないセリフだなと思いました。あと20年くらいしたら、言えるかな?

その中で、「なんとなくわかる」と思ったのが、妻というか、女性の気持ちですね。
たとえ障害者になっても、相方にはいつまでも「素敵なあなた」でいて欲しい、そんな気持ち?
多分、女性は「障害」に対する否定的なイメージが、男性より少ないのでは無いかと思います。
だから、障害そのものではなくて、やっぱ・・・雰囲気かなぁ。
「障害者の俺」「障害者の私」ではなくて、それも含めた全体像とでもいうのでしょうか。


落ち込んでいる時にはしようがないけれど、できたら母には、身なりは小ざっぱりと、多少の社会性はあって欲しい。外の人に感謝も出来れば怒る事もできる(権利意識で怒るんじゃなくて、自分の意見を持っていて伝えられる)新しい事に興味がある。夢を持っている。もちろん、リハビリはがんばる♪
こんな人であって欲しいと思っています。思っているだけで現実にはなっていない所がミソですが。

旦那さんはいないので、妻の気持ちはわからないのですが、痛さで不機嫌になっていたり、気弱になっていたり、トイレで失敗して落ち込んでいたりするのも含めて、おっ?とときめくような魅力が欲しいですね。「これだけはあきらめへんで」みたいな物をひとつふたつ、持っているとよろしいかと思います。

他は・・・男女の事は、やっぱ、わかりません!なんて難しいのだ・・・。
後で書きなおそう。もうちょっと成長したら(いつよ?)





第5回 脊髄梗塞患者と家族会 新宿

2012-12-03 10:08:12 | 現在の日記
upが遅くなりましたが2012.10.27に新宿の戸山サンライズで「第5回脊髄梗塞患者と家族会」が行われました。
写真を数えると・・・家族やガイドヘルパーさんを含めて20組30名が集まってくれました!みなさん、大勢来て下さってありがとうございます!!新しい方も6組かな?新しいベテランさんはどっしりと構えて、まさに今、入院中という方の家族は溢れる涙をぬぐいながら、真剣に聞き入って下さったように思います。

詳しくは、おっちゃんの患者と家族のコミュニケーション広場を見てね♪

今回、あれ?今までとなにか違うな?と感じた事は、みなさんが積極的に発言してくれて、しかも、それぞれ得意分野ができつつあるという事でした。リハビリ一つをとっても、ストレッチ(なんとストレッチの意味から)に筋トレ(実技付きで見事なバランス感覚とムキムキの筋肉)、超重度の方は自分で痙攣をおこして筋力を鍛えていると、いろいろな方面からの話が聞けました。誰かが疑問をいうと、誰かしら「ああ、それはね」みたいな感じで答えてくれるので、かなりびっくりしました。

ご家族が発症されたという看護師さんが2名参加され、一般人では気付かない視点からの発言を聞いて少し安心したり。一人暮らしをしたいのに見つからないから建てちゃったよ~というびっくりするような話や、上手な愚痴のいい方、聞き方をご夫婦でレクチャーしてくれたり、初参加にも関わらず、自分の体験を面白おかしく話す奥さんの話にはついつい笑ってしまいました。

休み時間はさながら分科会のよう。まさに今、入院中のご家族の皆さんは、電動車椅子のIさんを囲んで真剣に話を聞いていますし、リハビリ実技、東日本大震災で被災された方のその後の様子と災害時の備えも聞けました。水が無い所での導尿は大変だっただろうなぁ。家族が車で吹っ飛んだ話(お大事に><)、スポーツの事、などいろいろな話をしていた模様です。全部聞けなかったのが悔しいです。

終わってからから聞くと、司会のAさんは他の話も用意していたようですが、話がはずんでいたのでそのまま続行させてくれて、しかも時間内に収めるという離れ業を難なくやってくれました。事務系が得意だったり、珍しい経験をしていたり、おしゃべりが得意だったり、気持ちをほぐす人だったり、仕事で培った特技だったり、みなさん各分野で得意な事が何かしらあるんだなぁと実感しました。大勢が集まるのって、やっぱりいいですね。
世話役の一人のKさんは、将来ピアカウンセリング(患者同士のカウンセリング)をできたらいいなと語っておられました。

いろいろありすぎて、まとまってないですね、すいません。
個人的に気になった事を書きます。
薬はリリカ以降、特に違う話は聞かないです。バクロヘンという液を脊髄に直接注入する機会を埋め込んだお話、麻薬系の痛み止めのお話、電気刺激の機械を埋め込むか迷っている、将来子供が欲しいので薬を減らそうと考えているなど、考えさせられるお話もありました。
経年変化で筋力やバランス感覚が落ちて来ているというベテラン組、腸の悪い人が数人、奇形(ぽいも含めて)が数人、おっちゃんの下肢静脈瘤ぽい人も他にいるのでしょうか?


おっちゃん、今年は1月から落ち込みっぱなしで、人を元気づけるのはかなり大変だったと思うのですが、いつも頑張ってみんなに力と勇気を与えてくれました。いろいろな病気だったり症状があっても、さんざん脅され検査をされまくったあげくに「年だから」で結局わからないというのは、余計に不安が増しますよね。

それなのに、私のリクエストに答えて、作って来てくれた歌を披露してくれました。
作詞作曲  天下茶屋のおっちゃん

ジンジンブルース

♪ジンジンジンジン 痺れがジンジン

今日もジンジン 明日もジンジン

気持ちが!ジンジンジン

背中も!お尻も!つま先までもが!痛てて!ワ~オ

それでもカンバ!ガンバで!ジンジン、ブルース♪


みんな「そうなのよ、おっちゃん、やっぱりわかってるよね~」と言いたげな
ニヤニヤ笑いの後、最後は拍手と爆笑に包まれながら閉幕しました。

みなさん、ありがとうございました!!