橋ものがたり (新潮文庫) | |
藤沢周平 | |
新潮社 |
1月23日(月)
このところサスペンスや洋もの続きだったので、時代物が読みたいなあと思い、
本屋で今回の直木賞「ひぐらしの記」←(漢字がうまくでない)を探すも、少々お待ちくださいでどこにもなかった。
仕方なくなんて言ったら藤沢先生に失礼だが、読みかけにしてあった「橋ものがたり」を。
「橋」というモチーフを必ずどこかに織り込んだ短編が10作。老いも若きもすべて恋物語です。
たとえば一作目の「約束」、
錺(かざり)職人の幸助は、年季奉公が明ける5年後の今日、幼馴染のお蝶と橋の上で会う約束をしていた。
5年間、お互い奉公先で苦労し、大人になった二人。果たしてお蝶は橋の上に現れるのか?
なーんていうお話ですが、なんとも切なくて、素敵ですねえ。
5年ですよ!
その日を励みに辛い修行にも耐えられるなんて、いいお話じゃありませんか。
どっかのメール小僧に聞かせてやりたいわ。まったく、もう。