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<ブログアーカイブ98>何故日本のIT業界は不振なのか?(Ⅲ、日本企業ユーザはIT音痴:2012/8/10掲載)

2015年05月14日 22時52分13秒 | IT
4月27日の何故IT業界は不振なのか?(Ⅰ、システムデザイナー不在)」、5月9日の第2弾(Ⅱ、ガラパゴス現象)に続き今日はシリーズ第3弾として(Ⅲ、日本企業ユーザはIT音痴!?)を述べます。

今、日本のIT産業(インターネットサービス関連のLINEやゲームのモバゲー/グリー等を除く)は深刻な不振に喘いでいますがその理由の一つに導入したシステムが期待通りに稼動しない」という問題があり、その原因が「殆どのユーザが自社のシステム仕様(RFP)を作れないという事にあります。
具体的にはTOP層のITは分からないという逃げの自覚が蔓延し、更に情報システム責任者のCIOまでも出世の1ポストとして任命される事が多く企画できない人が多い、それと致命的なのが現場の部課長までも情報システム部署に依存し、自部署のシステムを評価し、改善要望書を起案できない事です!

一般の方は情報システム部署や情報最高責任者(CIO)であれば自社のシステム開発時にはキチンとした要求仕様書を作成した上で外部IT企業に委託していると思う方が多いと思いますが、実は日本が最もこの事が苦手な国なのです。これは世界で日本が最も英語で話せない国民である事と似ています。日本の企業・団体・役所が総じてIT音痴症候群なのです!

その結果次のような重大な過失が日常茶飯事発生しています。

1、RFPはユーザ企業の実態を殆ど知らない委託IT会社のSE(システムエンジニア)がヒヤリングをベースに実施する。

2、ユーザ企業はヒヤリング参加者へ会社の方針すら伝達せず、視点がバラバラで纏められる内容では無い事が多い。

3、委託IT会社の責任者(PM:プロダクトマネジャー)は基本計画書を作成するが、その際にユーザがチェックできるレベルのデザイン書は作成していない。

4、委託契約完了後、PMと担当SEで再度ヒアリングしながら基本設計書と新たな予算案を作成しユーザの承認を得るが、承認側にこの内容をキチンと精査できる人が居ず、納期と予算だけの注文に終わる事が普通。

5、基本計画書がユーザ理解を得られないレベルな為にその曖昧さを衝いてユーザは基本計画書や基本設計書で承認した内容と違う要求や追加要求を当然のようにしてくる風潮がありこれに開発側が拒否する能力が無く、当初予算を大きく超えるハード構成や開発工数となりその結果、納期遅れや追加予算請求トラブルや基本設計の変更からくる設計不備や最悪では完成しないシステムが多発するのです。

6、これらの経験で一般にIT企業は予算を膨らます防衛策を打つので善良なユーザや予算に関心が無い国や自治体は法外な費用を払うのが慢性化し、また納期は当初計画を大きく遅れ、しかも効果が出ないのが日本の実態なのです。


以上の現象により日本の企業/国/自治体のシステムは諸外国と比べて異常に高額な費用を負担しながら、そのシステムの完成度は悪く、特に業務実態を理解していないSEが設計するので「単なる事務合理化効果だけで売上利益に貢献しないシステム」のオンパレード状態であり、しかもIT会社も希望通りに追加予算が承認されない為に、利益が出ない案件だらけで業績不振という互いに不幸でメリットの無い状況に落ち入っているのです。更に予算削減が目に見えないセキュリティ対策をおろそかにした為に日本の情報システムはハッカー天国の無防備システムだらけです!
このような実態を抜本改革できる方法を著書「省悩化システムリデザイン」で訴えていますので骨子は次のホームページでご覧下さい。<http://www.it-dream.biz/books.html


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