のろや

善男善女の皆様方、美術館へ行こうではありませんか。

ジャガーのCMほか

2014-03-05 | 映画
「午前10時の映画祭」で一番楽しみにしていた『カッコーの巣の上で』を観てまいりました。
舞台となっている精神病院の患者のひとりに、ビリーといういかにも可愛らしい若造が出て来るんでございます。
見栄えもいいし演技もいい、これ誰かなあと思っておりましたら、エンドロールで出て来た名前が "Brad Dourif" ...

おぉい!将来グリマかい!!



ううむ、何というグレっぷりだ、ビリーよ。マクマーフィもびっくりだ。

ところで『ホビット』シリーズには蛇の舌グリマ殿は出て来ないんでしょうか?ちらっとでも?
いえ、原作である『ホビットの冒険』にグリマが登場しないのは承知の上ですとも。しかしそれを言うなら、レゴラスだって原作には登場しないじゃございませんか。おまけにimdbによれば3作目には上司のサルマンも登場するらしいじゃございませんか!
サルマンが出るなら蛇の舌も出してくださいましよ!!
サルマンの側に立って陰気な顔でもみ手してるだけでもいいから!



と、いうのは
以下の記事とは全然何の関わりもない前置きなのでございましてあしからず。

そう、ジャガーのCMなのでございます。
スーパーボウルの時に流れたジャガーのCM、「英国人が演じる悪役」をテーマとしております。ひと月も前の話題になってしまったわけですが、ソーターさんことマーク・ストロングががっつりとフィーチャーされたものではあり、とにもかくにもご紹介しておこうと思います。

まずはソーターさんのみのもの。



M:絶大な権力は必ず堕落するものだと言うが...それの何がいけない?

ううむ、セプティマスとかサー・ゴドフリーなら堕落しても結構というか期待通りですが、ハニとかアーチーおじさんが堕落したら悲しいです。
ベン・キングスレーとトム・ヒドルストンを交えた完全版は↓こちら。
 


B:ハリウッド映画で悪役を演じるのはことごとく英国人であることにお気づきかな。
M:喋り方がいいのかな。
T:あるいは、より集中力があるから...それとも、より細やかなためか。
M:常に一歩先んじている。
B;スタイルと細部へのまなざし。
T:それに力への執着!(ヘリ、ジャガーにまかれる)...動じないことが肝心だ。
M:そして、ジャガーに乗ると。
B:そう、ワルでいるのは楽しいものだ。

ベン・キングスレーってそんなに悪役してましたっけ。むしろゲイリー・オールドマンとかアラン・リックマン(そして知名度は落ちますがチャールズ・ダンス)の方が「British villain」としてすぐに思い浮かぶのですが。ソーターさんことマーク・ストロングの悪役歴については、今更申すまでもございません。トム・ヒドルストンは『マイティ・ソー』のロキの人ですね。
ロキがずいぶん魅力的なキャラクターであるとう噂は聞き及んでおりますし、実際ワタクシが大好きなタイプの悪役のような気がしますけれども、ワタクシは『ソー』シリーズも『アベンジャーズ』も観ておりません。理由は以下の通り。
(1)マッチョなあんちゃんがトンカチを振り回して闘う、という絵に心惹かれない。
(2)北欧神話をアメリカナイズしている感じがなんか嫌。
(3)関連作品を全てチェックしなければならない感じが嫌。
(4)にもかかわらず、観たら悪役にどっぷりはまってしまいそうなのが嫌。

はまりすぎるであろうことが目に見えているためにあえて避けて来たものというのが、ワタクシにはいくつかございます。バスター・キートンもそうでした。『ダークナイト』もそうでした。まあ結局いつかは観てしまって案の定ズブズブにはまる上に「もっと早く観ておけばよかった」なんて思うことになるんですけれども。

CMに話を戻しますと。

これを予告編として、このキャストで、信頼と欲望と裏切り渦巻くクライム・ムービーをひとつ作っていただけないものか。
叩き上げで犯罪組織のトップに上りつめた苦労人のベン・キングスレー、その片腕として長年仕えて来て、今では組織の海外支部の運営を任されているマーク・ストロング、豊富な資金と巧みな話術で政治家や警官をたらし込み、裏社会で急速に成り上がって来たものの、パパ・キングスレーのコネと組織力に惹かれて接近して来たトム・ヒドルストン、この三者の壮絶な騙し合いっていうのがいいなあ。
長年の片腕役となると『ロックンローラ』のアーチーおじさんと被るかしらん。だったら、ソーターさんは昔パパ・キングスレーとシマを争っていた組織BのNo.2で、抗争に敗れて組織Bは解体するものの、有能さに目をつけたパパ・キングスレーに拾われ、それ以降は彼の組織で辣腕を振るっている、というのはどうでしょう。
そうするとヒドルストンは、かつて潰された組織Bのボスの三男坊あたりがいいですね。長男は抗争で死亡(ということになっている)、次男はヒドルストンが手にかけたと。ソーターさんには『スターダスト』での所行を踏まえて、ぜひとも「血を分けた兄弟を殺すとは最低な奴だ」みたいなセリフを吐いていただきたい所。
もはやジョン・ウーもデ・パルマもけっこうなお歳ですから、監督はダニー・ボイルかクリストファー・ノーランでお願いします。

と、ひと月前の話題のみで終わるのもナンでございますから、新しいCMをひとつご紹介しておきます。
ミラークァーズ社の新製品で、アルコール度高め(6.9%)のウィスキー風味のビール、「ミラー・フォーチュン」の広告でございます。



M;帰るのか。家に帰って寝る、それも結構だろう。
だが別の選択肢もある。戻って、明日のために闘うことだ。
今夜を大抵の男なら夢見る事しか出来ないような一夜に変えてやれ。
幸運(フォーチュン)はそれを求める者と共にある。


商品について言えば、ワタクシはビールはビール、ウィスキーはウィスキーでいいと思いますし、こういう中途半端なアルコール度数の飲み物は悪酔いのもとなので、その点であんまり購買意欲は湧かないのでございますけれども、CMの展開には今後も大いに期待したいと思います。


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