起業会計

公認会計士による仙台TEOの起業支援活動、会計トピック、監査トピックの解説

エンジェルから出資を受けるには

2005-12-15 08:43:54 | 起業家支援
あるエンジェル団体の会員の方から、今まで活動をしてきて問題になっていることをお聞きする機会がありました。

「色んな会社に出資してきたけど、配当もよこさなければ、何やっているかの報告もないんだよね。何のために出資したのか・・・。」

やはりそういうことがあるのか。と思いました。
問題点は、いろいろあると思うのですが、今回は問題点の分析よりも、何をするべきかを分析してみたいと思います。

①配当
「儲かっているのに配当をしないことに不満を持っている」
このことは、逆にとれば、儲かったら配当をするという意思表示をすることによってエンジェルからの出資をしやすくなることを意味しているのではないでしょうか?
エンジェルに見せるためにビジネスプランを作成する際、多くの方はバラ色のビジネスプラン(右肩上がりの業績になるようなビジネスプラン)を作成していると思いますが、ビジネスプランに配当予想(配当の約束)も入れておくとエンジェルからの評価も高いのではないでしょうか?(現状ではビジネスプランに配当をきちっと入れているものは少ないので)


②ディスクロージャー
「会社が今何をやっているかさっぱりわからない」
完全なディスクロージャー不足です。これも逆にいえば、会社のディスクロージャーの方針を明記することで、エンジェルに関心を持ってもらえる可能性が高くなります。
会社は「営業報告書」を作成する必要がありますが、これすらも作成していないのではないでしょうか?
営業報告書を作成するのは当然として、毎月の状況をエンジェルに報告するというのはどうでしょうか。月次決算を行い、簡単な分析、営業の報告を行う。
そもそもスタートアップの時期に出資するエンジェルの出資の動機は、お金(リターン)だけではありません。自分が出資した会社の成長を楽しみにし、現状抱えている問題(悩み)を共有して解決するということを楽しみにしている方が多いと思います。特にリタイアして若い起業家を育てたいと思っている方はなおさらです。
簡単でもよいので、毎月会社の現状を報告することを宣言することで、エンジェルに関心を持ってもらえるのではないでしょうか?


上記のことは、文章で書いていると当たり前のことですが、実行している会社は少ないです。
しかし、エンジェルにビジネスプランを見てもらう際には、必ずこの2つを明らかにしておく必要があるのかなと思いました。


ただ、日本のエンジェルは、スタートアップの時期に出資してくれる人は少ないようです。むしろ、VCが出資している案件に乗って出資する人が多いようです。(ただ、このような方をエンジェルと言うかどうかは疑問ですが・・・。)

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2 コメント

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エンジェルとVC (ぜんじょう)
2005-12-16 10:40:05
米国やユニバーサルに使われるエンジェルやVCという言葉と日本のある人達が自称で使っているこれらの言葉の意味するところは、ほとんど別物ぐらいの違いがありますものね。

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re:エンジェルとVC (norio。)
2005-12-19 00:56:41
コメントありがとうございます。



おっしゃるとおりで残念なことです。

これから日本のベンチャーを支える人がどんどん増えてくることに期待します。
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