起業会計

公認会計士による仙台TEOの起業支援活動、会計トピック、監査トピックの解説

懲罰賠償の意味

2007-02-13 00:12:11 | ビジネス本
アメリカでは、裁判で時々巨額の損害賠償判決が下りることがあります。
いわゆる懲罰賠償というやつです。
有名なマクドナルド・コーヒー事件では、マクドナルドでコーヒーをこぼして64万ドル(約6400万円)もの損害賠償が認められました。

何でそんなことになるのか常々不思議に思っていましたが、この間買った本を読んで、何となくその考え方が分かってきた気がしました。

アメリカでは、法(裁判所)の下では、被告と原告は全く平等に扱われるという考え方があるようです。
そんなの当たり前と思うかもしれませんが、日本では果たしてそういえるのでしょうか?
日本では被害者が泣き寝入りするケースが多くないでしょうか?

懲罰賠償の考え方は、相手に悪いところがあって、それによって損害を被れば、それを罰するというもののようです。
つまり、やけどを負って(損害を被って)、その原因がどこかにあったら(通常より熱いコーヒーを提供している)、罰を与える(痛いと思わせることをする)。ということです。

日本では現状回復(治療費)を過失割合で保障してもらうのがせいぜいです。
多分、日本人は懲罰賠償なんて考える人はほとんどいないと思いますが、アメリカでは当然のようです。

社会の仕組みがアメリカ化してきている気がしますが、日本も近い将来懲罰賠償が当たり前の世の中になるのでしょうか?



この国は誰のものか―会社の向こうで日本が震えている

幻冬舎

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半期報告書の消費税等の注記

2006-11-15 01:16:33 | Weblog
会計上、期中において消費税は、仮払消費税等、仮受消費税等と処理し、期末に両者を相殺して、その差額を未払消費税等と表示します。
期末の差額が税務署に納める税金と(基本的には)なるので、確定を意味する「未払」を使います。
一方、期中は仮決算をしない限り税務署に納める税金は確定しないので、「仮払」とか「仮受」としておきます。

ところで、半期報告書の消費税の注記を見ると、多くの会社は「仮払消費税等および仮受消費税等は相殺して未払金として表示しております」などと記載しています。
これは、ホントは確定してないんだけど、分りやすく(見やすく)するために未払金にしてるよ。という解説です。

ところが、ときどき前期末のところにもこの注記を入れている会社があります。
まあ、事実を書いているだけなので間違えではありませんが、なんで書いているのか不思議です。単に私の勉強不足なだけかもしれませんが…。
もう一つ不思議なのは、連結でこの注記を書いている会社がほとんどないことです。
異なる法人間で相殺しないのは当然ですが、連結でも各法人は同じ処理をしているはずなんですけどね。

ちなみに、さっきから書いている消費税等の「等」は、地方消費税のことです。消費税と地方消費税って別の税金なんですよね。細かい話ですが…。
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有価証券の評価差額の処理方法

2006-11-08 00:31:22 | Weblog
有価証券の評価差額の処理方法の名称が、今期(今中間期)から会社法の影響か、全部資本直入法から全部純資産直入法に変わるらしいです。
瑣末な論点ですが、行く先々で見てみると、そこまで手が回っていないようです。
こんな瑣末なことを指摘するのも恥ずかしいのですが(また、細かいこと言いますねぇとか言われそうなので)、指摘しないわけにもいかないので、しょうがありません。下らない改正はやめてほしいものです。
とりあえず、啓蒙活動をしておきます。
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mixi上場資料の分析

2006-08-25 01:47:17 | 会計
前回に引続き、mixiネタです。
今回は、まじめにⅠの部(*1)を読んで分析してみたいと思います。



*会社名
平成18年2月にイー・マーキュリーからミクシィに変更しています。

*売上
第3期から第7期にかけて売上が毎年倍々に増えています。(M:百万円)
71M → 144M → 303M → 739M → 1,893M

*経常利益
第5期から黒字化したようです。
売上高経常利益率は、3% → 22% → 48% と超優良会社になっています。

*当期純利益
経常利益と同様、第5期から黒字化しています。直近(第7期)は576Mです。
売上高当期純利益率は、2% → 13% → 30% と、こちらも言うことがありません。

*総資産
毎年倍々に増えてきます。現在は、13億円です。

*自己資本比率
57% B/Sを見ると、無借金経営でした。

*自己資本利益率
直近(第7期)で119%というとんでもない利益を稼いでいます。
100%を超えているので、自己資本より利益の方が多かったことになります。
なお、計算式は、当期利益÷((期首純資産+期末純資産)÷2)です。

*営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動からキャッシュを594M稼いでいます。当期純利益とほぼ同額です。
稼いだ利益をきっちり現金で回収しているということです。

*期末キャッシュ残高
710Mあります。規模の割りにかなりのキャッシュリッチな会社です。
純資産とほぼ同額ですから、稼いだお金をほとんど分配していないことが分かります。
これからは、貯めたキャッシュをどう使うかが課題になりそうです。

*従業員数
直近で、正社員39名、アルバイト等18名と、かなり少ない人数で会社を運営していることが分かります。
4年前はなんと、従業員は1名(アルバイト6名)だったようです。


*会社の沿革
もともと社長が始めた「Find Job!」というIT系求人情報サイトを有限会社化し(平成11年)、その後「@Press」というニュースリリース配信代行事業を開始。平成16年に「mixi」の運営を開始し、現在に至っています。
なお、「@Press」は平成17年に営業譲渡しています。

*事業内容
①mixi
広告枠の販売、プレミア会員サービス
②Find Job!
Web掲載料収入

*従業員
平均年収454万円、平均勤続年数1.2年、平均年齢28歳です。
従業員のほとんどは入社間もないようです。勤続年数の短さは、仕事がきつくてやめていっているというより、今まで少ない人数で運営していたが、最近人が増えてきたと見るべきでしょう。
従業員が増えてきてはいますが、まだまだ少人数で効率的に運営していることが分かります。

*事業別業績
mixiの売上高は、640M、Find Job!の売上は、1,221Mです。
売上比率は、1:2ぐらいの割合です。
伸び率は、mixiが47倍(!)、Find Job!が1.7倍ですから、売上比率は近づいてくることが予想されます。

*@Pressについて
17年8月に1億円で営業譲渡しています。
売価がそのまま譲渡益になっているので、権利(営業権)を売却したのではないかと予想されます。
直近の売上が5ヶ月で3千万ほどだったので、人件費がどれぐらいあるか分かりませんが、すぐに回収できる気がします。
なお、売却先はネットエイジキャピタルパートナーズという取締役の西川氏の会社です。
関連当事者の注記に記載していますが、取引価格が妥当だったのか(安値で馴れ合いの売却をしていないか)気になるところです。
公開直前のこのような関連会社の取引は、不要な憶測をされてしまうので、本当は控えた方が良かったのではないかと思われます。
証券会社や取引所の審査でも根掘り葉掘り聞かれて、問題が無かったことを信じるしかありません。

*mixi事業の懸念材料
月間閲覧数が60億PV(ページビュー)となっているので、Yahoo!の約5分の1、ライブドアの10倍ぐらいの閲覧数です。
閲覧数の伸びが今後の収益向上のキーとなっていると考えられます。
また、現在は広告収入が収益のほとんどを占めていますので、収益モデルの多様化も課題でしょう。
新たな収益モデルができれば、売上・利益が更に伸びる可能性があります。新たな収益源のプレスリリースに注目です。
サイトの健全性の維持を図ることも重要なようです。信頼性の向上が会員獲得につながるからです。したがって、mixi内でのトラブルにも気をつける必要があるでしょう。

*システム上の懸念材料
会員増加に伴うアクセス数の急激な伸びは、システムを不安定にさせる要因になります。したがって、システム安定にどのような施策をとっているか気になるところです。
時々このようなシステム運用の安定性を強調するプレスをして安心してもらうことも必要ですね。http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060330/233820/

*事業等のリスク
「事業等のリスク」という項目に32項目リスクを挙げています。
ちょっと気になったのは次のことがあります。
・SNS人口・・・平成19年3月末に1042万人になるらしいです(ホント?)
・Yahoo!等経由の利用者・・・4割ぐらいるので、SEO等の対策をしているらしいです。mixiみたいな有名サイトもSEOやっているんですね。
・今後の人材戦略・・・今後の急速な事業拡大に応じて採用をしていくらしいです。
・mixi内の検索機能・・・gooの検索エンジンを使っているらしいです。
・SNSの法規制・・・「インターネット異性紹介事業」に該当しないと判断しているとしています。そもそも、「インターネット異性紹介事業」っていうものがあったんですね。
・特許紛争・・・平成18年7月に特許侵害を理由にシステム利用停止を求められているらしいです。今後の動向が心配です。
・米国SNS業者の特許取得・・・特許に抵触するとなると影響が予想されます。
・資金調達の使途・・・設備投資とは書かれていますが、設備投資計画を見るとまだまだカネ余りとなりそうです。資金の有効活用が課題ですね。
・配当政策・・・内部留保を優先させると書いています。今まで配当はしたことが無いようです。資金使途がないなら、今後は配当を検討するべきなのでしょうね。

*本社
渋谷マークシティにあるようですが、3倍に増床しています。月30千円/坪で借りているようです。
渋谷ですと25千円ぐらいが相場みたいなので、まとまって広いところを借りている分ちょっと割高のようです。
予定としては、平成21年3月までにあと3倍ぐらいに増床する予定のようです。

*株主
株主は6名しかいません。
社長の笠原氏と取締役のバタラ氏、ネットエイジ関係2社、サイバーエイジェント関係2社です。

*取締役の報酬
34M(6名)です。利益の割りに遠慮気味ですね。

*貸倒引当金
2から3%ほど積んでいます。「投資その他の資産」の「その他」に対して全額引き当てを行っています。意外にこの業界は貸倒があるのかもしれません。

*従業員特別精算金
裁量労働制部分の精算だそうです。最近労働基準監督署がうるさいので、将来のリスクを無くす目的で精算したと思われます。
公開審査の項目で裁量労働はチェックされるのかもしれません。

*売掛金の回収期間
41日のようです。末締め翌10日払いぐらいで回収していると思われます。



全体的に概括すると、毎期売上の伸びが倍々と順調に伸び、当期純利益率も30%と高水準、計上した利益をほとんどキャッシュで回収して蓄えていることが分かります。
ここまで良いと果たして公開する必要があったのかな?と思えてきます(ネットエイジの公開に絡んでると深読みしてしまいそうです)。
設備投資では使い切れないと思われます。今後、資金の使途が課題になってくるのかなと思います。




*1 正確には、「上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)」といいます。内容はほぼ有価証券報告書と同じですが、特別情報と株式公開情報が追加されています。特別情報は、何か特別なことが記載されているわけではなく、過去3期分(直前5~3期)の財務諸表が記載されているだけです(監査は通常されていません)。
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mixi上場

2006-08-20 01:08:23 | 会計
9/14にmixiが上場するようです。

実は、ご縁があってMMJという会にゲストとして参加させてもらうことになりました。
そこで何か話をして欲しいということだったので、東証で公開されているmixiの情報(Ⅰの部)をみんなで読んでみましょうということをやってきました。

そこではあまり時間が無かったので、あまり広く話はできませんでしたが、一通り分析してみるのも面白いと思います。



ちなみに、Ⅰの部で分かるmixiの情報には次のようなものがあります。
・mixiって儲かっているの?(儲かってなかったら上場しないでしょうが・・・)
・そもそもmixiって何?
・SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)ってどんな仕組み?
・株式会社ミクシィってmixiの他に何をやっているの?
・従業員ってどれぐらいいるの?
・本社ってどれぐらいの広さなの?
・いつから会社をやっているの?
・従業員の年収は?
・SNSの問題点(ビジネスの課題)は?
・ビジネスのリスクは無いの?
・SNSって出会い系?
・SNSの特許って誰かとってないの?
・上場で調達した資金は何に使うの?
・上場したら配当はしてくれるの?
・ストックオプションいっぱい発行してない?大丈夫?
・設備投資計画はどうなっているの?
・役員ってどんな人がいるの?
・会社と役員が取引してない?(ずるいことしてない?)
・取締役っていくらもらっているの?
・取引先って大丈夫?倒産したりしてない?
・借金ってどれぐらいあるの?
・売上金は何日で回収しているの?
・株主ってどんな人がいるの?
・会社の財政状態を分析するとどうなの?


またⅠの部で分からないことはいっぱいありますが、たとえば、次のようなことがあります。
・どうやって会員を増やしたの?
・会員が急激に増えてるけど、どうやってサーバーの対応をしたの?
・上場の本当の目的は?
・・・・


というわけで、次回、Ⅰの部を実際に分析してエントリーしてみたいと思います。
MMJとかぶっていますが、続きといったところでしょうか・・・。
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成功するためのレッスン9章

2006-08-16 02:11:16 | ビジネス本
最近、「成功するための・・・」という本をやたら目にする気がします。
中には中身の無いただの自慢話みたいな本もありますが、この本は共感する生き方が随所に書いてあってなかなか良かったです。

そもそも成功は人それぞれですから、何をもって成功と言うかは人それぞれです。
したがって、この本に書いてあることを真似すれば成功するかどうかは分かりません。
豪邸や自家用ヘリを手に入れるのが成功ともいえますが、もっと心の中の本質的な満足を得ることが本当の成功なのでしょう。
つまり、成功とは何か明確に自覚しなければ、成功することはできません。豪邸や自家用ヘリを手に入れることが成功だと思うなら、なぜ豪邸や自家用ヘリを手に入れたいか考えておく必要があるのでしょう。

なるほどと思うことはいくつもあったんですが、「自分の月給より高い時計やかばんは身につけない」というタイトルでこんなことを書いています。
-----------------
日本では、「ハリウッドのセレブが持ってるから」ってブランド物を買ったりするよね。でも、ハリウッドのセレブっていうのは年収も何10億でしょ。それだけ収入があれば、数10万円のバッグも、数百万円の時計も、そりゃあ安いものだよ。だけど、日本で真似してブランド買っている人って、大半が公共交通機関を使ってる人だよね。しかも、ブランド物を買うために、食費を節約したり、光熱費を切り詰めたり。そこまでしてブランド物のバッグや時計を買うって、なんて無意味なお金の使い方だろう、って思うね。
(略)ハリウッドのセレブを真似するなら、セレブの持ち物じゃなくて、セレブがセレブになるために経験した努力とか、本質とか、プロセスを真似すべきじゃないかな。
-----------------

確かに、外見だけ真似をしてもあこがれている人にはなれないでしょう。その人が経験してきたことや考え方を真似しなければ。
外見を真似すると、あこがれている人になれると勘違いしたりもしますが、それより経験や生方を真似する方がワクワクしますよね。


SADAKATA!BIBLE―成功するためのレッスン9章
貞方 邦介
ゴマブックス

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ライブドア監査人の告白~感想

2006-07-26 01:20:03 | ビジネス本
だいぶ前に読み終わっていましたが、諸事情でエントリーが遅くなってしまいました・・・。

非常に臨場感が溢れていてリアリティのある内容でした。
前半は、ライブドア事件の概要をわかりやすくまとめているので、ライブドア事件って何だったの?と思っている方にはちょうど良いかと思われます。
事件の当事者が書いているわけですから、誰よりも事件の本質が分かって当然でしょうけど。

新聞やブログなどに載っていたこの本の感想を読むと、「著者が弁解をしている」などと批判をしているものもありましたが、読み終わって、それはちょっと酷ではないかと思いました。今回の事件にあたって監査人は、監査契約を解除すべきだったかもしれませんが、決定的な証拠をつかめないまま一方的に監査契約を解除することは不可能に近かったのではないでしょうか。特にライブドアは上場会社だったわけですから、なおさらです。
ライブドアの監査契約を破棄しなかったのは、後から見るとまずかったのかもしれませんが、もし自分がライブドアの監査人だったとして、監査契約を破棄できる自身のある人は何人いるでしょうか?多分ほとんどの人はそこまでの決断はできないと思います。


ところで、日本のほとんどの上場会社は、いわゆる四大監査法人が行っています。
人によっては、四大監査法人は海外のBig4と呼ばれる会計事務所と提携していて質は高いけれど、それ以外の100以上ある中小の監査法人は監査の質が低いから、中小の監査法人の監査報告書は信用できないと言う人がいます。
ライブドアは中小監査法人が監査を行っていたため、そのような論調で中小監査法人の批判をする人もいました。
本書にもそのようなことが書かれていましたが、中小監査法人は大手とは異なるリスク管理があるとのことです。まあ、下手をすると逮捕されてしまうわけですから、当然といえば当然ですが、なるほどなと思いました。

この本は、現役の会計士はぜひ読んでおくべきだとおもいます。
カネボウ事件、ライブドア事件などが続き、監査を取り巻く環境は、数年前から大きく変わりつつあります。
そんなことを実感させる内容でした。
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ライブドア監査人の告白

2006-06-15 22:36:06 | ビジネス本
本屋でパラパラ立ち読みをしてみて思わず買ってしまった本です。
まだ読んでないので、読んだら感想を書くかもしれません。

ライブドア監査人の告白
田中 慎一


ダイヤモンド社

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コジマが5億円所得隠し

2006-06-03 01:52:08 | Weblog
家電量販大手・コジマ、5億円の申告漏れ (読売新聞) - 6月2日10時42分更新


「関係者によると、同社は、仕入れ先のメーカーから家電を仕入れる際に受け取っていたリベート(販売奨励金)などについて、本来は営業外収益に計上すべきところを、メーカーの値引き分と装って仕入れ額を圧縮し、所得を過少申告していたという。」

ニュースによれば、営業外収益に計上すべきリベートを仕入から控除していたという事らしいです。

一見するとどっちでも同じじゃないの?と思えますが、違うようです。
営業外収益に計上すべきリベートなんて存在するのでしょうか?
リベートではなく仕入割引ならありえますが・・・。


**************

というわけで、リベートと仕入割引の違いをちょっと書いてみたいと思います。

リベートとは、仕入割戻しと言ったりもします。たくさん仕入れた場合にもらえる場合が多いです。
例えば、テレビを100台仕入れたら仕入額の2割を返金しますといった契約です。

一方、仕入割引とは、キャッシュリベートと言ったりもします。決済条件よりも早く入金する場合にもらえるものです。
例えば、月末締めの請求で、翌月10日までに全額振込みをすると、1割返金しますといった契約です。


リベートがたくさん仕入れてくれたことによる報奨という意味合いがあるのに対して、仕入割引は決済を早くしてくれることに対する報奨という財務的な意味合いがある点で異なります。
したがって、リベートは仕入額の調整となるので仕入額から控除する(売れた分だけ売上原価から控除)のに対して、仕入割引は仕入から控除せず仕入割引という営業外の収益(全額収益計上)となります。
つまり、仕入割引なら、支払時点で一括収益計上されますが、リベートなら期末在庫に按分した一部を除き、売上原価の控除項目として計上されることになります。

もっとも、翌期には期末原価から控除されたリベートが実現するので(多分翌期に売れるので)、翌期には収益計上することになります。


最近の税務調査の話を聞いていると、このような翌期に認容されるような取引は、あまり指摘されない傾向にあったようですが、他に指摘するべきことがないと膨大な契約書をガリガリ調査されて指摘されてしまうようです。
まあ、このような指摘事項が見つかると同業種で一斉にやられる傾向にもあるようなので、要注意です。


**************

小売業界はリベートの仕組みが複雑で分かりにくいということが良く指摘されます。
リベートには、先ほど説明したように、仕入の数量に応じたリベートのほか、仕入金額に応じたリベート、販売数量に応じたリベートなども存在するようです。
また、小売価格の下落に応じて在庫に対して支払うリベート(価格補填?)のようなものもあり、さまざまです。

一般的にメーカーは量販店に出荷する際の販売単価(仕切単価)を引き下げたがらない傾向にあるので、販売価格の下落に対してはリベートで調整することが多いようです。
メーカーが仕切単価を変えないこともリベートを複雑にしている一つの要因になっているようです。


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実地棚卸のポイント

2006-05-24 00:27:37 | 会計
今回は、在庫の棚卸について書いてみたいと思います。


<実地棚卸とは?>
実地棚卸とは、在庫の数をカウントして数量を把握することです。
と、一言で書くと簡単な手続のようですが、実際には難しい問題がたくさん潜んでいます。

<実地棚卸の問題>
最も大きな問題は、在庫の数が多いということです。
全ての在庫の種類、数を過不足なく把握するということは案外大変なのです。
ちょっとした会社でも、在庫の数は数千、場合によっては数万といった数に上ります。
これを全てカウントするには多くの人力が必要です。

よくあることですが、実地棚卸の趣旨や重要性が、理解されていないと正確な在庫の把握はかなり難しくなってしまいます。
得てして、実地棚卸は、夜遅く作業を行ったり、工場の運転を止めたりして行うため、無駄な作業をしていると思われがちです。
そのような会社の棚卸の立会に行くと、大体実地棚卸の結果がボロボロです。
下手をすると一区画ゴソっと数え漏れをしていたり、ワンフロアー分ダブルカウントしていたりと、ひどい結果であることがよく(?)あります。
期末の在庫が大きく間違ってしまうと、利益が大きく動いてしまう可能性があるので要注意です。
(在庫の数え漏れ→利益の減少、在庫のダブルカウント→利益の増加。なぜなら、在庫の減少→売上原価の増加→費用の増加、在庫の増加→売上原価の減少→費用の減少だからです。)


<正確に棚卸を実施するための方法>
ポイントだけを書くと
①棚札(タグと言ったりもします)を使う方法が良いとされています。
②棚札は連番管理します。
③棚札は2枚複写で使用します。
④棚札は1アイテムごとに使用し、複数のアイテムを一つの棚札に記載しないようにします。
⑤書き間違ったら、大きく×印をつけて新しい棚札を使用する(訂正はしない)。
⑥全ての在庫に棚札が貼付されていることを確認した後、複写の1枚をはがして回収する。
⑦未使用の棚札も回収し、全ての棚札が回収されたことを連番ごとに並べなおして確認する(タグコントロールと言ったりもします)。
⑧帳簿在庫(理論在庫)と実際在庫を比較し、差異の原因を調査します(この際、現物に貼付された棚札を確認したりします)。
⑨現物に貼付された棚札の複写は、差異調査が終了するまで貼付しておきます。

このポイントをふまえて実地棚卸を行えば、正確な棚卸へかなり近づくことでしょう。

ちょっと解説しますと
①この他、リスト棚卸と呼ばれる方法があります。あらかじめ帳簿上の数量が記載してあるリストをプリントアウトして数をチェックする方法です。棚札を使う方法に比べると正確性に劣ります。
②連番管理とは、棚札に001,002,003・・・と1枚1枚異なる番号を振っておく方法です。回収した棚札を順番に並べると、回収漏れがないかすぐに分かります。
④棚札はたくさん用意しておきましょう。棚札の記入・チェックと2人で行うとより正確にカウントができます。
⑨差異調査が終わったら回収するのを忘れないようにしましょう。次回の棚卸の時に残っていると混乱の元です。

<良くある差異原因>
似たような在庫があると間違えやすいです。色違いのものなど。
在庫の場所が固定されていないと間違いが増えます。まあ、固定化できない場合も多いようですが。
在庫の保管状況が悪いと間違いが増えます。整理整頓が重要です。



------------------
棚札には、次のようなことを記載します。

連番、ロケーション(在庫場所や棚番号)、品名、数量、場合によって品質、滞留状況を記載することもあります。
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多田さん、丸山さん

2006-05-11 08:28:20 | Weblog
先日、宮城エンジェルズフォーラムの笹氣さんからお誘いがあって、一ノ蔵の新酒をご馳走になりに行きました。

そこで、仙台TEOでいつもお世話になっている多田さんと丸山さんにも久しぶりに会いました。
多田さんも丸山さんもともに新たなビジネスの展開を迎えているようでした。

丸山さんは、ホームページが完成したようです。
http://382miyavi.com/
エクステリアの写真もいっぱい載っているカッコいいホームページです。

多田さんは、高校へ留学について講演に行くらしいです。

二人とも今後の展開が楽しみです。

私はといえば、その後仕事に戻ることに・・・。
やっぱりもう少し、忙しい日々が続くようです。
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子会社の為替換算

2006-04-16 01:22:22 | 監査
連結財務諸表を作るときに、海外の子会社は当然円貨に換算します。
換算に使う為替レートは、次のように決まっています。

資産・負債・・・期末日レート(CR)
損益項目・・・・期中平均レート(AR)
資本項目・・・・取得時レート(HR) (*1)

ということで、上記のように為替換算をすると貸借がバランスしません。
この差額は、「為替換算調整勘定」として資本の部に計上されます。


このように換算レートは項目によって異なるので、監査を行う際にそのチェックを行う必要があります。
今日は、このチェックをやっていました。

サクサクチェックをしていたのですが、こんなことがありました。

利益剰余金の換算で、為替レートがマイナスになっている項目がありました。

外貨 1,000ドル
円貨 -40,000円

つまり換算レートは、1ドル-40円という事になります。
果たしてこんなことがあるのでしょうか?


最初は、過去のレートが変動していても平均化されるから、少なくともマイナスにはならないのでは?と思っていました。
しかし、そうではないのですね。
・・・・

過去のARが円高(例えば100円)で、配当をするときに円安(例えば125円)になると、利益剰余金が外貨ではプラスでも、円貨ではマイナスになることがあるのですね。
まさに換算のパラドックスです。(*2)



-----------------------------------------------------------------------

*1
正確には、資本金等の払込金額は、親会社が子会社株式を取得したとき(設立したとき)のレートです。
当期利益による利益剰余金の増加は、過去の損益項目のARを使います。
また、配当による利益剰余金の減少は、配当時のレートを使います。
これは、親子会社間の投資と資本の相殺消去をするためです。
為替レートが違うと消去の際に差額が出てしまうので、同じレートで換算します。

*2
会計でいう「換算のパラドックス」は、一般的には、テンポラル法で換算することにより、外貨と円貨の損益が逆方向になってしまうことを指します。
上記のようなときにはあまり使いませんが、あえて使ってみました・・・。



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商法会計 表示チェック

2006-04-15 02:01:08 | 監査
ただ今監査の真っ最中です。
そろそろ連結の監査が佳境を迎えつつあります。
スケジュールでは、土日も遅くなりそうな予定です。
来週は更にひどいことになりそうで、恐ろしいです。

これから商法会計の監査も数々こなしていかないといけません。
東京で連結の監査もやっていますが、他のクライアントの商法の表示チェックをやらないといけなかったので、毎年買っている参考書を買ってしまいました。

中央青山が出している「商法決算書の作成実務」です。
似たような本はいっぱい出ていますが、この本のいいところは、「モデル開示例」が出ていることです。
通しで記載例が載っているのはこの本だけなので、いつもコレを買っています。

表示のチェックも時間がかかるんですよね。
いつやろうか悩み中です。


商法決算書の作成実務

中央経済社


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減資による欠損填補

2006-04-14 01:21:21 | 商法
会社は、利益剰余金がマイナス(資本の欠損(*1))の状態だと、基本的には配当が出来ません。
したがって、利益が出る体質になっても欠損金の額が巨額のままでは何年も配当が出来ないという状態が起こりえます。
株主は、「利益が出てるのに配当しないなんてとんでもない会社だなぁ」と思うに違いありません。
そこで、資本金を減少して利益剰余金のマイナスに補填して、早期に配当できる体質に持って行きたいというニーズが出てきます。
いうなれば、会社を「キレイなカラダ」にしてフレッシュスタートを切りたいというわけです。

しかし、資本金を自由に減少できるとすれば、資本金に相当する財産が会社に確保されていると信じている債権者を害することになります。
そこで、減資を行う際には、厳格な手続きが求められることとなります(*2)。

なお、会計の基本原則に資本と利益の区分の原則というものがあります。
この原則によれば、資本(株主の拠出)を利益に含めてはいけないことになります。
ただし、欠損填補のための資本の振替は、この原則には反しないという考え方が一般的です。
しかし、欠損填補を超えて減資を行う際には、その超過額は、その他の資本剰余金として、資本の部類に属するようにしなければいけ無いことになります(*3)。


----------------------------------------------------
(*1)資本の欠損
資本の欠損は、会社の純資産額(資本の部合計)から資産の時価評価による評価差額金を控除した金額が、資本金、資本準備金および利益準備金の合計を下回った場合、その差額をいい、貸借対照表の注記事項になります(商施規92)。これは会社の純資産はプラスではあるが、未処理損失が資本金と法定準備金に食い込んでいる状態をいいます。


債務超過
債務超過とは、未処理損失が資本金および法定準備金の合計額を上回り、資本の部がマイナスになった状態をいいます。


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(*2)減資による欠損填補の手続
①株主総会の特別決議で「資本減少案」の承認
②債権者保護手続


減資による欠損填補の会計処理
資本減少の効力が発生したとき、損益計算書の末尾に「資本減少による欠損填補額」などの名称で前期繰越損失の次に記載します。


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(*3)減資差益
減資差益は、従来、資本準備金として積立てが要求されましたが、平成13年の改正により、「その他資本剰余金」に「資本金減少差益」として計上することになりました。
これは、すでに総会の特別決議と債権者保護手続という厳格な手続を経ているため、法定準備金として使用の制限をする必要がないので、配当財源に含めるという理屈です。

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負ののれん

2006-04-06 23:41:23 | 会計
財務諸表等規則が改正され、営業権の表示が変わります。
これからは、営業権に変わって「のれん」と表示されるようになります。
マイナスののれんは「負ののれん」と表示することになります。

また、連結上も「連結調整勘定」が「のれん」または「負ののれん」と表示されます。
商法(会社法)会計も同じです。
新会社法の会社計算規則においても「のれん」と表示されることとなっています。


ちなみに、「負ののれん」の会計処理は、日本、国際会計基準審議会(IASB)、米国財務会計基準審議会(FASB)で以下のように相違しています。
IASBとFASBは統一する方向で議論を進めているようなので、日本でもそのうち負ののれんの会計処理が変わることになると思われます。

日本・・・のれんの会計処理との対照性を重視し、のれんと同様20年で規則的に償却する
IASB・・・資産負債を再評価し、差額を利益計上する
FASB・・・取得資産の額の割合で各資産から控除し、残りを利益計上する
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