矯正歯科で、出っ歯をディスられる

娘の前歯がすきっぱなので、歯並びの相談をしに、矯正歯科へ行った。

歯医者の先生は40代ほどの男の先生で、娘の歯のレントゲンを見て、
私の顔を見てから、おもむろに口を開く。

先生「あー、こりゃ完全に遺伝ですわ」

ん？

先生「お母さんが出っ歯だからね、娘さんも出っ歯。直さないと確実に出っ歯になりますね」
私「はぁ…」
先生「君ね（娘に）、ちゃんと口を閉じてないと、お母さんみたいに出っ歯になっちゃうよ」

娘、口を真一文字に閉める。

先生「お母さんみたいに、口が閉まらなくなっちゃったら嫌でしょ。
　　　お母さんみたいに、ずーっと口を開けてることになるよ」

私、口を真一文字に閉める。

先生「弟君も、出っ歯になりそうだね。お母さんの遺伝だ。確実に出っ歯になるよ。
君も、口を締めておこうね。お母さんみたいになっちゃうから」

息子、口を真一文字に閉める。

耐えかねて、私はついにいうことになる。

「あの…出っ歯の相談じゃなくて、前歯のすきっぱの相談なんですけど…」

え…どうして娘のすきっぱを相談しに行ったのに、
おもに私が出っ歯で、口が閉まっていない問題に話がいっているわけ…！？
ここまで出っ歯をディスられるなんて、予想外！　矯正歯科怖い！

先生「あ…そう。すきっぱはね、まぁ…隣の歯が生えてきたら、
　　自然に押されることもあるし、そんなに問題では…」

そして話は冒頭の、出っ歯問題にまた戻るのであった。