つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

70歳の大学生・・・

2006-04-03 | Weblog
 桜咲くこの季節は、新入学の子どもたちや、新社会人となる若者たちが新たなスタートを切る時期である。きっと夢と希望に胸を膨らませて張り切っているだろう。

 今朝の地方紙に、岡山市の70歳の男性が、晴れて大学生になったという記事が目に付いた。約50年前大学受験に2年連続で失敗し、「学歴のない社会で生きてみせる」と県酒販に就職、重職を歴任した永年の功績を認められて、昨秋は藍綬褒章を受章した。それでも大学進学の夢を捨てきれず、昨年3月から小論文の通信教育を受けるなどの勉強を始めた。そして、今年3月上旬、岡山商科大学商学部商学科の社会人入試を受験し、見事合格通知を受け取ったという。昨今、生涯学習の重要性を言われるが、70歳にして大学進学など、なかなか誰にでもできることではない。老いてなお衰えぬ向学心には尊敬の念を覚える。

 わが身を振り返ってみれば、約45年ほど前、私にも大学進学のチャンスはあった。我が家の恥をさらすようであるが、母は決して幸せではなかった結婚生活から、女も手に職をつけるべきだという考えが強く、貧しい生活の中でも大学に行かせてくれるといった。
 女が資格を身につけるには薬剤師がよいということで、一応神戸薬科大学を目指し、進学コースで勉強することになった。その当時としては高額であった分厚い大学受験参考書など、必要な参考書類を買ってもらって、最初は真面目に勉強していた。だが、受験勉強はなかなか大変で、とうとう途中で投げ出して進学を諦めたのである。今思えば、母も働きながら生活を支えており、楽ではなかったと思うが、そのなかで進学させてやるという親の思いが汲み取れなかったことを、今になって悔やむことがある。あの時合格したかどうかは分からないが、もし薬剤師の資格を得ていたら、当然私の人生は変わっていただろうし、苦労していた親を喜ばせることができたのにと、今頃になってみて自分に根性がなかったことが悔やまれる。だからといって、今さらこの歳になって大学進学に挑戦しようという気概も根性もなく、怠惰に生きるわが身に比べ、老いてなお向学心を持つ人に、特別尊敬の思いが強いのである。
 今は今で結構満足しているのであるが、もしタイムスリップして昔に返ることができるなら、あの大学受験を目指した高校1年生に戻りたい。そして、今度は変った別の人生を生きてみたいと思うが、案外今の方がよかったという結果になっていたかもしれない。とにかく、今の生き方、今の生活を大事にすることがベストということかも。
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3 コメント

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Unknown (関西のヤングばーば)
2006-04-03 15:33:40
 私の時代は30%が大学進学、70%が就職。しかし父の給料では女に大学進学は頭になく、兄もいけなっかった。今思えばどんなにでもしてでもがんばっていこうという決意があれば行けたかもしれない。親に頼らずともいけたとも思うが、それだけの強い意志は自分にはなかったと思う。頭の柔軟なときに他のことを何も考えず、いろいろなことを学習できる機会は若いときしかありません。お若い方はぜひ恵まれた年を大切に。もちろん70歳で向学心をもたれたなら大いに結構。





Unknown (オールドレディー)
2006-04-03 17:23:31
 お互いもう一度若いときに戻れたらいいですね。ただし、時代は現代がいいけどネ。

 ブログ開設はまだですか? 楽しみに待っています。
Unknown (Unknown)
2006-04-04 14:13:10
 ちょうど光ファイバーに変えようとしているところで、プロバイダーも、アドレスも一新するので、開通を待っているのですが、一向に開通せず、昨年の8月から8ヶ月も待たされています。うんざり。

 NTTは何も言ってこないし、遅くなってすみませんの一言もない。いまさらキャンセルすればどうなるか、腹立たしい。というわけです。

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