戦争に利用されて心傷つけられて帰還した芹沢博士は
彼が発明したオキシゲンデストロイヤーの製法を全て燃やして消して
恐ろしい兵器を二度と作れないようにして
ただひとつ残ったオキシゲンデストロイヤーを抱き
恋敵の青年とともにゴジラの潜む海底に向かうのだった
オキシゲンデストロイヤーをおいて浮上する予定だったのに
芹沢博士はひとり海底に残りゴジラとともに死ぬことを選ぶ
「さようなら」
「さようなら」
「幸福に暮らしてください」と言いながら
オキシゲンデストロイヤーを作動させる芹沢博士の鬼気迫る眼差しが美しい!
この場面の BGM が君が代風なのが作り手の意思を感じさせる
そして白骨化していくゴジラの巨体・・・
人間が作り出した核兵器の被害者でもあるゴジラの最期の哀れさと
芹沢博士の科学者としての責任感と献身が
子供だった私の心に突き刺さったのを憶えている
だから私にとって映画「ゴジラ」は怪獣映画ではなくて芹沢博士のお話
愛弟子だった芹沢博士の心の内を思う志村喬の抑えた演技も素晴らしい
「ゴジラが1頭だけとは思えない・・・」
映画は含みを残したセリフで終わる
水爆の放射能で巨大化し凶暴化したゴジラを倒したのが
やはり兵器のオキシゲンデストロイヤーだったのが皮肉だ
つねにエスタブリッシュメントたちのために起こされる戦争
利用されるのは芹沢博士だけではないことだけは確かだ
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