自然派庭師の日々精進

~ 作庭衆 庭譚 ( にわたん ) ~ 広島県福山市 ~       ※熱いヤツ集まれ!!!

写真家 上田宏

2007年09月29日 01時45分52秒 | 日記
先日、写真家の上田宏(上田宏建築写真事務所)さんによる「美孔庵」の撮影があった。


UIDのまえちゃんが尊敬する写真家で、まえちゃんの撮影に便乗させてもらった。


上田さんは、以前「新建築」、「GA」などの雑誌のカメラマンで、若手写真家の第一人者です。


上田さんに会えたこと、一日べったりご一緒させてもらったことは、自分にとってとてもいい経験になった。

ゆっくり話しをすることもできた。



俺は、人が仕事をする姿を見るのが大好きだ。


それは、その人が一番輝いている姿だと思うからだ。


とにかく、上田さんが写真を撮る姿が何ともいえない。

アナログのカメラを使いこなし、凄いペースで淡々と撮っていく。

動きにまったく無駄がない。

まるで、何かが降りてきているような、そんな感じだった。


昼食時、質問攻めしていろんな話を聞かせてもらった。

何でも自然体で答えてくれる。

そして、何よりめちゃめちゃ頭が低いのです。



あ~、一流の人ってやっぱりこうなんじゃって思った。


写真の事もいろいろ教えてくださった。



やっぱり写真は感覚でとるんだなって思った。







「なぜデジカメを使わないんですか。」っていうとんでもなく馬鹿で失礼な質問に、





「私はアナログで勝負したい。」




って真剣に答えてくれた上田さんの言葉に感動し、俺も少し写真の勉強をしたいと思った。。。




そしてまた、やはりすべての仕事に共通する心を見れた気がした。。。





やりたいことが無限にある・・・




「美孔庵」を終え、やっと焦点が定まってきた。


目標は決まった。。。



これから実行に移します。。。



絶対にやってやる。。。




内容は今の時点では秘密。。。






そういや、「京都の旅」日記が途中やめになっとるな。。。


わすれとったわ^^


明日書くかな・・・


いよいよ

2007年09月26日 02時23分42秒 | 日記

                         「美孔庵 四顔の庭 ~水庭~」



「美孔庵」第一回目の撮影も終え、いよいよ終わりに近づいてます。


先日の撮影は、写真家でイタリア人のセルジオさんによるものでした。



UID一級建築士事務所は、日本ではもちろん、海外でも知られていて、セルジオさんから写真を撮らせて欲しいと連絡があったそうだ。

海外では、写真家が自分の眼で良いものを見つけ出し、出版社に売り込みをかけ、そこで認められれば報酬を得るのが主流らしい。

カメラマンの力量がかなり必要なわけだ。



イタリア語なんて、俺が話せるわけもなく、片言の英語でお互い会話する。


なんとか会話はなりたつんじゃけど、なかなか核心を英語で表せないので、思いっきりゼスチャーを使って伝えた。

やっぱり英語くらい勉強しとかんとって思ったわ。



セルジオも「グッドジョブ!!!」って連発してくれて、イタリアに帰国後、世界の数カ国の出版社に売り込むぜ!って言ってくれとった。。。



海外デビューできるかな~・・・


上の写真は自分で撮ったやつ。
セルジオから写真が楽しみです。

届き次第アップします。。。





ここ最近は、手入れにまわっています。

なかなかこれが遅れとって、やばい感じじゃわ。。。


がんばらんと。。。

美孔庵 -MIKULAN- 2007  

2007年09月19日 10時18分07秒 | 日記

                   美孔庵 八畳間 床の間 版築壁    「YOAKE ~動~」 




オープンハウスも無事終了。


オープンハウス前々日から、夜間作業の連続で、前日は徹夜。

当日の朝 6:30に完成。。。


夜間作業をすることはよくありますが、徹夜ははじめてじゃった。


しかし、この夜間作業の連続にもかかわらず、体の疲れを感じなかった。



ほんとうに楽しみながらできた仕事であった。



もちろん、苦しみが無かった訳ではない。



しかし、それを乗り越える楽しみの方が大きかったということです。



とりあえず、今日は圃場の片付け。


22日に撮影が入る。


それまでに、もう少し仕上げが残っている。




写真が取れ次第アップします。


おたのしみに!




それから、オープンハウスに来てくれたみなさん、鳥取、岡山など、遠くからも来てくれてありがとね^^





先週の旅 in 京都  ~「京町家の庭」~

2007年09月12日 03時07分36秒 | 日記
8/31、講座一日目。

愛知組とともに会場へ向かう。


途中、東京「植木屋 塩の」こと 塩野くんと合流。

その後、会場にて、岡山組「造園 武」 ことたけちゃん、「坂本ガーデン」こと坂本君、「おはら」おやびんと合流。



午前中・・・
尼崎博正(京都造形大教授)、千宗守(武者小路千家 家元)、村井康彦(京都市美術館 館長)の三人の講義を受ける。。。




午後・・・
町家見学。。。

奈良屋 杉本家、秦家、野口家(すべて非公開)に行く。



この日の講座を終え、やはり気になることが多々あった。


京都の町家は、なぜ潤いがあるのか。

狭い間口の「うなぎの寝床」。

隙間なく建物が並んでいる。

昔は、間口や、屋根の高さで税金が決まっていたのだから納得はできる。。。

が、表に緑が植わっている家はほぼない。あるとしても、高塀の奥にちらりと見える程度。ちなみに、高塀の家は、学者や医者の家だったらしい。


京都の町家には、格子を使った家が多いが、それは、建物が表に面している為で、目隠しの意味を持つ。
ちなみに、職種により、格子の模様が違う。

米屋さんは「米屋格子」、炭屋さんは「炭屋格子」という風に。

それぞれの職業に応じて、米屋さんは頑丈にとか、炭屋さんは炭埃がまわないようにとか、すべて考えられたデザインになっているわけだ。。。



そして、土間。「走り庭」というらしい。現在の台所。

かまどがあり、天井は高く、空気を入れ替える為に高窓がついている。

これも、機能を考えた上で洗練されてきたデザインだ。



そして、町家の庭には、「坪庭」がかかせない。

これは、狭い間口の「うなぎの寝床」をどうにかうまく活用するために生まれたスペースなわけだ。

光と風を入れるために、必然的にうまれた空間。



そして、奥に一般的にいわれる「庭」のスペースがある。




その間取り、庭、すべての空間が、空気を流し、光を取り入れ、家を長持ちさせるという機能を果たす。


必然的デザインだと思った。





もしも、最近の建物があれだけギュウギュウに押し込まれていたらどうだろう。。。

たぶん、息苦しくて、殺伐とした風景になるだろう。



あの潤いは何なのか・・・





そして、夜。


先斗町でドンちゃん騒ぎ。


そこでの話も、みんなが遠慮なしに意見をぶつけあう。


そんななかで、あらためて自分を見つめなおしてみるのだ。。。






そして何かがぼんやりと見え隠れしてくる。。。




つづく・・・












緊急告知! ~「美孔庵」オープンハウスのおしらせ~

2007年09月08日 23時04分51秒 | 日記
只今施工中 「美孔庵」のオープンハウスが決定しました。。。


 日時:2007年9月17日(月)10:00~17:00


依頼主様、並びに建築士「UID一級建築士事務所 前田圭介」ことまえちゃんの御厚意により、庭の方も声を掛けさせて頂けることとなりました。


ここでは、「庭」はもちろん、水鉢、蹲役石、燈籠、床の間 版築壁、植栽、金属を用いた石庭など、新たな挑戦を試みました。



良い機会なので、是非来ていただければ幸いです。。。

なお、当日の連絡先につきましては、私に直接電話して下さい。

連絡先がわからない方は、前もってメールをしていただいても結構ですし、直接来られても構いません。






詳細につきましては、UID一級建築士事務所さんのメールを添付させていただきます。




この度、広島県福山市御幸町に四つの茶室と四つの庭を持つ住宅が完成しました。
御施主様の御厚意によりオープンハウスを開催する運びとなりました。
皆様に是非、ご覧頂きたくご案内申し上げます。






日時:2007年9月17日(月)10:00~17:00

施工 : 株式会社 武田組

作庭・版築壁 : 作庭衆 庭譚 橋本善次郎

先週の旅 in 京都  ~「円通寺」~  

2007年09月07日 23時22分59秒 | 日記
8/31~9/2 「京町家の庭」 というテーマでの講座に参加するため京都に行く。。。


前日の8/30に京都に入り、愛知組の「一景 中村武」と「庭水 マービー」と合流し、穴場の「円通寺」にいった。。。


受付に行くと、この時点での住職は恐ろしいほど無愛想じゃった。

「なんじゃこのぼうずは・・・」って思いながらお金を払い、中に入った。


思った通り、貸し切り状態。

ここの庭は、比叡山をバックに使った「借景式庭園」。


座敷に座り眺めると、軒先と縁側の床板がちょうど「額縁」になり、何ともいえない雰囲気がある。。。


しばし、そこに座って眺め、更には、そこに寝そべってくつろいだ。






俺は、いつもメジャーを持って歩いている。

何かがあった時寸法を測るためだ。


「円通寺」でも、いつものようにメジャーを取り出し、いろんなとこを測っていた。



入ってどのくらいの時間ここにいたのか覚えていないが、かなり長居をしたみたいだ。


閉園時間が来た為、そこを去ろうとしたその時、あの無愛想な住職が私達を見ながらある方向を指差していた。


それは、ここの「月夜の庭」の写真だった。

住職は、少しずつ語り始めた。

「この写真は、カメラマンが10年かかってやっと撮れたものや。この位置に月がでるのは、一年の中でもほんの少しで、出てもほんの数分や。この景色はなかなか見れん。」

「へ~、そうなんじゃ~。綺麗じゃな~。」

ここで、住職の顔が少しやさしく変わりはじめた。


そして、話は続く。

「ここは、数年前から宅地開発が始まり、一時期、あの庭の景色のど真ん中にマンションが建つ予定じゃった。わしは、ずっとそれに反対し続け、やっとその計画は変更になった。今、なんとかここをまもっとる状態や。ここまでもってくるのに大変な思いじゃった。長かったわ。。。」


話はそれから長い事続き、こちらの身上も話し、笑いながら話を続けた。。。



その中で、住職が言っていた事でグッと来た言葉がある。


「君らこれからやさかい、思ったら仕掛けなあかんで。出来んことでも、やるんや。やらなできへん。がんばってや。(これからの未来のために)」



その時の住職の顔は清清しかった。。。


住職は、ああやって若者にいろんな事を伝え続けているような感じじゃった。


とにかく、パワーがある人じゃった。
この住職といろんな話しが出来てよかった。

人は第一印象ではわからんもんじゃな^^






あとから聞いたところによると、俺は気づかんかったんじゃけど、俺らが庭を眺めとる途中に住職は覗きに来たらしい。あまりに出てくるのが遅いので、見に来たらしい。

しかも、寸法とっとるとこなんか、監視カメラに丸映りで住職がモニターにらんどったらしい。。。


出た瞬間に「君らは何屋じゃ?」って聞かれたのはそのためじゃったみたいじゃ。



しかし、俺らがはいっとる間にも何人かが見学して出て行ったが、その人たちに声をかけていた風はなかった。



声を掛けられた事を誇らしく思えた。




ここで住職と話しができたことによって、心の中にある何かを引き出すきっかけをもらうこととなった。


このときは、それが何なのかわからなかった・・・


つづく・・・