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亀井大臣の発言について

2009-12-28 01:43:30 | 特例ご引見問題
サンデープロジェクトでの亀井金融担当相の発言は信じがたいものです。金融庁及び国民新党に対して、以下の旨お送りしました。

亀井金融担当大臣の、27日のテレビ朝日「サンデー・プロジェクト」における以下の2つの発言は極めて問題であると思います。

1.「私は恐れ多くも陛下に申し上げた。『権力の象徴だった江戸城にお住まいになられるのでなく、京都か、あるいは広島に』と口が滑って言ってしまった」[http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/091227/stt0912271306004-n1.htm]という発言
閣僚が天皇との会話を公にするのは極めて異例ではないのでしょうか。また、現職閣僚がこの様に発言することは、政府の方針がそうであると国民に誤解を与えうると思われますが、その点はいかがでしょうか

2.習近平氏のことを「皇太子」と表現
習氏は確かに次期指導者の有力候補とされていますが、決して正式に決まったものではありません。日本の閣僚が勝手に「皇太子」とすることは、72年の日中共同声明の「内政に対する相互不干渉」に反すると思われますが、いかがでしょうか。


鳩山内閣100日

2009-12-26 00:55:32 | 鳩山内閣
鳩山内閣発足から100日が過ぎた。民主党を中心とする本格的な政権交代の実現によって、政治が大きく変わると期待した国民は決して少なくない。「脱官僚」の政治、「生活が第一」の政治。確かに、それらの総論に異論を唱える人はほとんど居ないであろう。
 しかしながら、鳩山内閣は数多くの問題を抱え、支持率も低下気味である。その要因としては、”基地”問題、”経済”政策への不安、”献金”問題といういわゆる「3K」が挙げられる。それに”皇室の政治利用”問題も加えて、「4K」とした方がいいのかもしれない。

そこでこの4つの問題を中心に、鳩山内閣の動きを簡略に振り返りたい。



・基地 ~これ以上の先送りは許されない~
現在日米間で最も大きな問題となっているのは、普天間基地移設問題である。これを簡略にまとめれば、以下の通りになる。日米両国は、沖縄県宜野湾市にある米海兵隊の普天間飛行場の返還に伴い、その代替地を名護市のキャンプ・シュワブ沖(辺野古)に建設することを、06年当時の小泉・ブッシュ両政権下で合意していた。沖縄県及び名護市も、基本的にこれに同意している。しかし、民主党はマニフェストで「米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む」としており、実際鳩山内閣はその姿勢を明らかにした。同内閣においては、各閣僚が様々な発言を続けた挙句、結局「先送り」することで決着するという不明確かつ不可解な動きが目立った。これに対して、米側は不満を募らせている様である。

本問題のみならず、基地問題全体において最も重視すべきなのは、(1)抑止力の維持、(2)沖縄の負担軽減、(3)米側の理解という3点である。

(1)に関しては、海兵隊の飛行場を日本に維持することは、我が国及び極東地域の安全保障において欠かせぬことである。国外移転の主張は、あまりにも非現実的であり、なおかつ韓国や台湾の平和にとっても良からぬ影響が出かねない。
(2)についていえば、そもそも普天間飛行場を返還することで合意したのは、96年の橋本内閣のときであるが、これは、普天間基地が住宅の中心地にあり、騒音や事故等の住民不安の除去が問題視されてきたことによる。そのことを踏まえれば、普天間よりも辺野古沖の方が格段に優れているのは明らかではないか。04年の大学への墜落事故も、記憶に新しい。その意味からすれば、いたずらに議論を引き伸ばそうとする鳩山内閣の姿勢は、地元住民のことを考えれば、到底理解できない。
(3)はいうまでもない。2国間関係である以上、米国の了解なくして新たな案は作れない。先述した06年の日米合意は、日本側としては基地負担の軽減、米側としては国際的な米軍再編という両国の思惑が一致したことによるものである。確かにグアム移転経費の負担等、日本国民には納得しがたい面もあろうが、こんな好機が今後あるとも考えにくい。

日米両国が合意し、地元も一応了承した案を覆すにしては、あまりにも説明と準備が不足してきたのではないか。先述した(1)~(3)を満たす新たな案を編み出すことは、極めて困難なのだ。[本問題について、詳細はhttp://www.mod.go.jp/j/saihen/index.htmlを]



・経済 ~司令塔は?~
昨年の米国での金融危機以降、景気は世界的に悪化している。最近日本では、円高・デフレ不況が懸念されている。

民主党のマニフェストに(僅かながら)ある「日本経済の成長戦略」は、消費拡大による内需主導型経済への転換、先端技術の開発・普及(特に環境関連)、農業・医療・介護の成長力を高めるといった風にまとめられているが、これだけでは心もとない。しかも、本気で内需主導にしようとするならば、「痛みをともなう構造改革」が必要のはずだが、そのことは明確にされていない。また不可解なことに、派遣労働の規制や最低賃金の引き上げ等、どう解釈しても失業率や経済の悪化にしか寄与しない様な政策もある。

それに加え、しばしば指摘される様に、経済・財政政策の司令塔が明確でない。小泉内閣で活躍した経済財政諮問会議は、どういうわけか鳩山内閣は一切開催していない。国家戦略室をそれに代えるつもりの様だが、あまり機能していないと報じられている。本来、経済財政諮問会議は総合科学技術会議と共に内閣府設置法に明記されているものだ。これは、民主党の「脱官僚」の方針通り、官邸主導で経済財政政策を決定するものであり、日銀総裁が参加することで、財政政策と金融政策の調整もできるわけだ。小泉元首相のイメージが強いという様なさもしい考え方をせず、とりあえず諮問会議のメンバーを任命し、来年にでも内閣府設置法を改正して、「国家戦略局」に改称するというのが、真っ当な手順ではなかったのか。(なお、鳩山政権下での経済成長戦略関連の組織としては、経産省の「成長戦略検討会議」や国交省の「成長戦略会議」があるが、今月15日にようやく官邸に「成長戦略策定会議」が設置された)

民主党の経済への認識にも不安がある。同党には、「利上げすれば景気が良くなる」との不可解な主張をしていた議員も居る。さすがに閣内はそこまでひどくはないが、菅国家戦略・経済財政担当相は、先日の竹中元総務相との議論内容http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091216/plc0912161146006-n1.htmを伺う限り、供給曲線上の動きと供給曲線をシフトさせることの違いが理解できていないようだった。「外需」依存経済(正確にいえば、近年の経済成長における外需の寄与度が高かった)から脱却して、「内需」拡大すべきというのが民主党の主張というのは理解できるが、だからといって需要がなければ供給を拡大しても無意味という菅大臣の主張は、そういう風に解釈するのが自然だろう。

本日公表された予算は史上最大の92兆円。新規国債発行額は44兆円を超えた。今までの予算の上に多額の予算が必要な新規事業を始めるとあっては、必然であるとはいえ、多すぎはしまいか。事業仕分けで一定の無駄を削ったことや、いわゆる埋蔵金に手を付けたことは一定の評価ができるが、これでは財政再建への道が遠のいたと国民に思われても仕方ない。このような状況では、国民は将来の増税を予想してしまう。一方で、首相は消費税は増税せぬとしている。これでは国民は消費を減らし、貯蓄に回しかねない。また長期金利の上昇による、いわゆるクラウディングアウトの恐れもある。これらによって、さらなる景気悪化の恐れがあるわけだ。今後の対応に注視したい。



・献金 ~秘書の罪は…~

この問題については、あまり詳細に論じるつもりはない。

昨日鳩山首相の元秘書2名の内、1名が在宅起訴、もう1名は略式起訴された。鳩山首相は、議員としての謝罪会見を行ったものの、辞任はしない方針を示した。

しかし、鳩山氏はかつて議員の秘書が逮捕された事件において、議員本人も辞任するよう強く求めてきた人物である。民主党マニフェストでも、「政治不信を解消する」ことが明記されてある。首相の説明は、かつての発言は否定しないが、今回の件はさほど悪質でないから許されるということだが、これで国民は納得するだろうか。




・皇室の政治利用 ~説明責任果たさぬ政府与党~

いわゆる特例ご引見問題は、当ブログにおいて何度も取り上げたが、未だに鳩山首相や小沢幹事長から納得のいく説明はなされていない。

説明責任や意思決定の透明性というのは、民主党が唱えてきたことだ。にもかかわらず、自らは説明責任を果たさぬ一方で、経過を説明した羽毛田宮内庁長官を批判するという極めて不可解で自家撞着とも思える姿勢を示したわけだ。しかも小沢氏からは、、憲法解釈について恣意的かつ誤った(少なくとも政府見解とは異なる)説明がなされているわけだ。この様な姿勢で、いかにして納得すれば良いのか。各社の世論調査を見ても、問題があったとする人は過半数を超えている。鳩山・小沢両氏は、これで本当に「国民の総意」を得ていると思っているのか。

本件は、民主党マニフェストにも反している。

民主党のマニフェストの鳩山氏の巻頭の言葉には、「ひとつひとつの生命を大切にする」とある。いわゆる「1ヶ月ルール」を反故にすれば、ご不例の陛下にさらなる負担をかける可能性があるにも関わらず、鳩山内閣はこれを強行したわけだ。これは絶対に看過できない。

マニフェストの最後のページの「国民の自由闊達な憲法議論を」には、「『憲法とは公権力の行使を制限するために主権者が定める根本規範である』というのが近代立憲主義における憲法の定義です。決して一時の内閣が、その目指すべき社会像やみずからの重視する伝統・価値をうたったり、国民に道徳や義務を課すための規範ではありません」とある。本件は、憲法上国政の権能を有しない天皇を、「日中関係は重要」、「本当に大事な方」、「習氏は次期リーダー」等といった「みずからの重視する価値」に基づいて、鳩山内閣及び民主党が利用したといっても過言ではない。

鳩山内閣及び民主党は、「政治主導」を勘違いしていると思われる。政治主導や脱官僚が唱えられている理由の1つは、本来プリンシパル(依頼者)たる国民・政治家のエージェント(代理人)であるはずの官僚が、自らの利益のため(天下り先の確保等)等、良からぬ政策を行うことによる弊害を防ぐためではないのか。今回の羽毛田宮内庁長官の対応は、別に宮内庁自身の利益の為に行ったものではなく、陛下のご不例を憂慮してのものに他ならない。にもかかわらず、「政治主導」を金科玉条に、恣意的に「特例」を認めるというのは、あまりにも横暴ではないか。

改めて、鳩山首相及び小沢幹事長には明確な説明責任を、また野党側には通常国会での徹底的な追及を求める。

なお本件との関わりは不明だが、小沢事務所に銃弾が届いたという。http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/091225/crm0912251900023-n1.htm 民主主義国家において、この様な犯罪行為は断じて許されない。

天皇誕生日

2009-12-23 23:21:43 | 皇室
天皇陛下には本日、76歳のお誕生日を迎えられました。衷心よりお祝い申し上げます。あわせて、陛下及び皇族方のご健勝、そして皇室の弥栄を改めてお祈り申し上げます。

本年は、陛下のご結婚50年及びご即位20年の記念の年でした。これらを祝う様々な催しが、官民双方において盛大に行われたことが偲ばれます。

一方、極めてゆゆしき問題もありました。いわゆる特例ご引見問題は、鳩山内閣及び民主党が、陛下のご不例に配慮せず、また天皇の政治利用の疑いを全く気にとめない、極めて横暴な政権・政党であることを示しました。かかる蛮行は、断じて看過されてはなりません。

小沢幹事長の言葉を聞く限り、民主党の立場は、政権さえ取れば、天皇を自由に利用してよいということの様です。これは、断じて是認できません。これからも政府与党に対し、明確な説明責任を求め続けて参ります。野党側にも、厳しい追及を行う様要求いたします。


本日の小沢会見について

2009-12-21 16:37:40 | 特例ご引見問題
本日の小沢民主党幹事長の記者会見は、「国事行為」という新解釈は撤回したものの、さらに疑問が深まるものでした。そこで、以下の通り民主党に質問を送りました。

いわゆる特例ご引見問題について、貴党の小沢幹事長は本日の記者会見で、「憲法で規定している国事行為にはそのものはありません」と以前の「国事行為」という新憲法解釈を撤回しつつ、「憲法との理念と考え方は、天皇陛下の行動は内閣の助言と承認によって、行われなければならない」、「天皇陛下にお伺いすれば、喜んでやってくださるものと私は思っております」と述べられました。[http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/091221/stt0912211532003-n1.htm]このことについて、以下の疑問を感じましたので、ご説明いただきたく存じます。

1.政府見解によれば、公的行為には「内閣の助言と承認」は必要ではありません(平成2年5月24日参院内閣委員会での工藤法制局長官答弁「公的行為と呼ばれるものは天皇の象徴としての地位に基づいて行われるわけでございます。(中略)国事行為でございませんから内閣が助言と承認という形で関与するものではございません」等)。今回の幹事長の見解は、民主党として新たな憲法解釈を行ったと解してよろしいのでしょうか。

2.民主党のいう「天皇の行動」には、「私的行為」も含まれるのでしょうか。仮にそうであれば、「私的行為」とされる祭祀等にも「助言と承認」が必要ということでしょうか。そうすれば、例えば、本年10月18日に陛下が靖国神社に勅使を派遣されたことも、鳩山内閣の「助言と承認」によるものということになりますが、それは事実でしょうか。


3.憲法に「内閣が責任を負ふ」(3条)とあることから、「内閣の助言と承認」が不適切な場合には、当然国民にはその責任を追及する権利があると思われます。民主党は、そのようにはお考えにならないということでしょうか。


4.天皇陛下は平成4年のご自身のご訪中への批判に関して、「言論の自由は,民主主義社会の原則」、「私の立場は,政府の決定に従って,その中で最善を尽くすこと」と述べられています[http://www.kunaicho.go.jp/okotoba/01/gaikoku/gaikoku-h04-china.html]。そのことから考えれば、幹事長の忖度はあまりにも民主党に都合がよく、かつ、それで批判を抑えようとするのは、天皇の政治利用の疑いがあります。このことについて民主党はいかがお考えなのでしょうか。


政府の憲法解釈について質問

2009-12-17 01:12:13 | 特例ご引見問題
しつこいようですが、また特例ご引見問題です。

首相官邸に対して、今度は憲法解釈に関して説明を求める以下の質問を送りました。鳩山政権は様々な面で「バラバラ」ですが、本件は国家の基本法たる憲法の解釈に関わることですから、笑い事ではすまされません。

天皇陛下の習近平氏ご引見について、鳩山総理は民主党の小沢幹事長の「国事行為」発言に対して、「よしとしたい」と肯定的な見解を示されました[http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091215/plc0912152043026-n2.htm]。また亀井内閣府特命担当大臣も、「国事行為」と述べられました[http://www.asahi.com/seikenkotai2009/TKY200912150404.html]。しかしご承知の通り、憲法学会の通説としては、天皇と外国賓客との面会は、憲法7条の国事行為ではなく、公的行為と解されています。実際政府内でも、宮内庁の岡官房審議官が「公的行為だと認識している」と述べられています[http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091216/plc0912162015028-n1.htm]。

以上のことから、驚くべきことに、政府及び内閣府内の憲法解釈が全く定まっていないのではないかと感じられます。一体、現在の政府の解釈はいかなるものなのでしょうか。主権者たる国民に対して、明確にご説明していただきたく存じます