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拉致問題、今度こそ

2014-06-01 20:41:42 | 北朝鮮
先週スウェーデンのストックホルムで行われた日朝協議は、驚くべき前進があった。

拉致問題(いわゆる特定失踪者も含む)について再調査を行い、生存者が居れば帰国させることを北朝鮮が約束したのだ。遺骨問題や日本人妻問題等「日本人に関する全ての問題」について、「解決する」ための調査をするとのことだ。しかも文書で発表した意味も大きい→ http://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/na/kp/page4_000494.html

勿論、日本国民として北が「拉致問題に関して傾けてきた努力」を認めるなど、到底納得できない。また、調査をするだけで、日本独自の制裁を解除することへの不満もあるだろう。

とはいえ、北朝鮮は結構面子を重んじる国であることを考えれば、苦肉の策だろう。金賢姫元死刑囚も 「北の自尊心を傷つけないようにしながら、心を動かす方法を考えるべき…北では死んだ人も生きていることがある」た語っていた。 http://www.47news.jp/smp/47topics/e/98449.php 拉致被害者やご家族の方々が歳を重ねられ、残された時間も少なくなってきた今となっては、日本側のこだわりで動きを止めてはならない。

現在、中韓の関係が改善する一方、日中、日韓の関係は停滞している。北朝鮮も、原理原則を重んじる朴槿恵大統領との南北関係好転は見込めず、また張成沢氏処刑により同盟国中国との関係もギクシャクしていると報じられている。勿論、日米韓の伝統的な枠組みを変える必要はないし、韓国が中国に依存しすぎる現状への懸念はある。しかし、今こそ日朝協議を前進させる千載一遇のチャンスでもあるのだ。

今回、安定した安倍政権が交渉するので、北側も安心できるだろう。安倍首相も思い切って決断したのだから、これ以上北側が問題を解決しないことは許されない。



金正日死去

2011-12-20 18:56:47 | 北朝鮮
北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の独裁者・金正日国防委員会委員長兼朝鮮労働党総書記が、死去した。

以前から体調不良が伝えられていたが、ついにこの日がきた。

彼の生涯について、論じたくもないが、率直にいって、国家のリーダーとして最悪な人物である。国内経済を衰退させ、また人権侵害を繰り返し、多くの国民の命を奪った。核問題等で国際社会から孤立し、周辺国に脅威を与え続けた。政権としてのプライオリティは、常に自らの体制維持しかなく、国家国民のことなど念頭にもなかったのだろう。

また、日本人や韓国人等が被害に遭った拉致問題はじめ、大韓航空機爆破事件やラングーン事件といった北朝鮮当局による犯罪・テロは、彼の指示によるものという説が有力である。昨年も、韓国の哨戒艦を撃沈したうえ、延坪島を砲撃し、多数の命を奪った。数え切れない蛮行を行った残忍なテロリストと呼ぶほかない。

この様な独裁者がようやく居なくなったわけだが、これは諸刃の剣だろう。後継者となる金正恩政権が不安定になれば、経済援助を得るために譲歩する可能性もあるが、一方で暴発する可能性もないとはいえない。いずれにせよ、しばらくは内向きになって問題は進展しないというのが、多くの識者の見方の様だ。

日本の立場としては、拉致問題の解決が最も気になる。これについては、先代で行われたことだから解決しやすいとの見方もあるが、一方で儒教思想の強い国で父の責任を認めるとも思えないし、若いリーダーが実際に関わった老年の幹部を説得できるとは考えにくい。過度な期待は禁物だろう。

当面は、金正恩政権がどの様な布陣になるかを注視するしかない。


南侵

2010-11-24 19:59:29 | 北朝鮮
昨日、驚くべき出来事がありました。北朝鮮軍が、韓国北西部の延坪島(ヨンピョンド)を砲撃し、民間人も含めた死傷者が出たということです。

同島は黄海上の北方限界線に近い島で、周辺海域ではこれまで幾度も両軍の衝突がありました。しかしながら、今回砲撃されたのは領土であり、しかも民間の住宅地等が狙われました。韓国側の発表が正しければ、北朝鮮による侵略であるのは明白です。これまで同国は、「瀬戸際外交」を何度も繰り返してきました。それに対するこれまでの対応は、甘すぎた感があります。今度ばかりは、甘い対応は許されません。

例えば、本年の韓国の哨戒艦「天安」が北に撃沈された事件では、「犯人不明」のまま行為のみを批判するという、何とも情けない国連安保理議長声明が出されただけでした。再びこのような態度でのぞめば、北が益々調子にのり、さらなる蛮行を繰り返しかねません。

では、どうすべきか。当たり前の事かもしれませんが、日米韓が強力なタッグを組む事が極めて重要です。その「当たり前」が、これまで必ずしも十分ではなかったのではないでしょうか。

日米韓が一体となって北朝鮮に立ち向かうのは勿論、中国にも圧力をかけねばなりません。今度こそ、厳しい国連決議を成立させるためにも、中国への強い圧力が求められます。

幸い、現在の李明博大統領は、日米との連携を重視しています。菅首相とオバマ大統領は、韓国と一致団結して、北朝鮮の蛮行と戦う決断をすべきでしょう。


発射

2009-04-05 16:17:09 | 北朝鮮
本日北朝鮮は、弾道ミサイル・テポドン2号とみられる飛翔体を発射した。

北は人工衛星打ち上げのロケットだとしているが、そもそもミサイルとは「ロケットなどの推進装置を備えた軍用の飛翔体」(広辞苑)であり、ミサイルとロケットの違いを議論してもあまり意味がない。先端が異なるだけだからだ。11年前のテポドン1号とみられる飛翔体発射の際も、実は米韓両国も衛星発射は事実だとしていた。仮に人工衛星等をつけていても、北の目的がミサイル開発なのは一目瞭然だろう。

今回日米韓が、例え人工衛星でも、3年前のミサイル7発発射後の国連決議に違反するというのは当然だ。

ところで、昨日は政府の誤報騒動があった。政府は「誤探知」だとしていたが、報道を見る限り、実際は「誤伝達」だったのではないか。日本の安全保障上、笑えぬ話である。

日米には北朝鮮問題で温度差があるとも言われるし、中露は更に消極的だ。それでも、国連では何としても、連携して厳しい対応をとってほしい。


いま、女として

2009-03-12 13:50:05 | 北朝鮮
「元死刑囚」という異様な肩書を持つ女性が、自らの母親の記憶を持たぬ青年を抱きしめ、「お母さん生きてますよ」と語りかけた。このシーンを見て、感動を覚えた方も多いことだろう。

昨日、釜山において、拉致被害者の田口八重子さんの兄の飯塚繁雄さん、長男の飯塚耕一郎さんと、田口さんから日本語教育を受けた北朝鮮の元工作員で、大韓航空機爆破事件実行犯の金賢姫元死刑囚との面会が行われた。3人の記者会見はhttp://sankei.jp.msn.com/world/korea/090311/kor0903111439010-n1.htm

田口さんや金氏のことについては、以前述べた。http://pub.ne.jp/niosmo0418/?entry_id=1957713

今回の面会の意義のひとつは、拉致問題に対する日韓連携への動きの象徴であることだ。田口さんのご家族は、今までも金氏との面会を希望していたにもかかわらず、実現することはなかった。これは金氏が、韓国政府によって行動を制限されていたことに起因する。今回の面会の実現は、やはり昨年の韓国での政権交代の影響が大きい。金氏自身「盧武鉉政権で皆さんがご存じの通りのことがあった」と会見で述べている。

面会では、金氏から何らかの重要証言がなされることも期待されていた。今回はさほど大きな証言はなかったようだが、金氏が今まで政府に行動を制限されていた身であり、なおかつさほど長くないはじめての面会であったということを鑑みれば、やむをえまい。ただし、今回の証言でも、北朝鮮側の説明とは大きく食い違う部分もあった。継続的な面会や、訪日を実現させることが、今後の課題であると感じる。

大韓航空機爆破事件については、近年韓国内では、韓国政府陰謀説という信じがたい説が出ていることは以前も述べた。http://pub.ne.jp/niosmo0418/?entry_id=1095249金氏はこのことについて、改めて「テロであり、私がニセ者ではない」とし、遺族との面会については「遺族が、北朝鮮のテロであるということを認めるなら会いたい」と述べた。115名が亡くなった残虐なテロ行為について、北朝鮮は未だに関与を否定し、ましてや謝罪や賠償を行う気配はない。にもかかわらず、米国政府がテロ支援国家指定を易々と解除したことは、改めて理解に苦しむ。

今回の面会は、各マスコミで大きく報じられた。このことが、拉致問題や大韓航空機爆破事件に対する日韓両国での世論の関心を少しでも高めたのであれば、喜ばしいことだ。北朝鮮はもうじきミサイル発射を行う可能性が高いが、何があっても冷静にならねばならない。両国民は北朝鮮をめぐる諸問題を絶対に忘れず、これからも両政府に対して、解決のための努力を訴える必要がある。

金氏が貴重な証言者なのはいうまでもない。今回の面会をきっかけに、金氏が「いま、女として」果たすべき役割を認識し、これから実際にその役割を担ってくれることを望む。

(追記)
韓国のメディアの反応を少しチェックするため、朝鮮日報の社説http://www.chosunonline.com/news/20090312000018、東亜日報の社説http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2009031293498、そして中央日報の社説http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=112514&servcode=100§code=110を見てみた。

前二者の反応は日本でのそれとおおむね同様であろうし、韓国人拉致問題の解決も強く訴えている。特に東亜は、「北朝鮮政権を刺激することを心配し、面会を拒否してきた前政府は、非人道的な行為を恥ずべき」とし、田口さんご家族と金氏の面会を拒否した盧武鉉前政権を批判する。

また三紙とも大韓航空機爆破事件に触れ、前政権下で巻き起こった「陰謀論」について批判している。

これら三紙はすべて保守系の新聞だが、部数でみれば韓国における三大紙であり、韓国世論への影響を期待したい。