嵐ファン・大人のひとりごと

嵐大好き人間の独りごと&嵐の楽曲から妄想したショートストーリー

妄想ドラマ 『身長差のない恋人』 (最終回)

2009年06月08日 | 妄想ドラマ『身長差のない恋人』
なんでしょうねぇ~忙しい!雑用で

もう貸してもらったDVDが全然見れません。

しかし最終回は書きます。

ではどうぞ!



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



   妄想ドラマ 『身長差のない恋人』 (最終回)



土屋さんから話を聞いたその日の夜遅く、俺は相葉に電話した。

相葉は松本が自分に本心を話してくれなかったことを悔しがり、

そして松本を信じてやれなかった自分を責めた。

「松本はお前を巻き込みたくなかったんだよ」

「あいつらしいよね。でもなんかさぁ・・・」

「それに打ち明けられたって困っただろ?やりきれない思いするだけだし」

「まあね」

「今ならできることあるんじゃない?なんか相葉といると元気出てくるもん俺も」

「そう?」

「うん。こいつより俺のほうがましだってね」

本当は人を笑顔にしてしまう不思議なオーラが出ているんじゃないかと思う。

ひたむきで自分に正直に生きてる相葉を見ていると、俺も頑張ろうって

勇気がわいてくる。


相葉と電話で話しながら、傷つくことを恐れてばかりいないで、

自分の気持ちに正直に行動してみようと思っていた。

遅いかもしれないけど彩香に会いに行こうと。



次の休み、俺は東京へ向かった。

新宿にあるビルの前で仕事を終えて出てくる彩香を待った。

一時間経っても現れない。

残業かもしれないし、もうこの会社は辞めたかもなんて思いながらも

ひたすら待った。



携帯で意味もなく明日の天気を調べた。

顔をあげると、ちょうど彩香が出てきたところだった。

遠慮がちに手をふると驚いて、それから困惑した表情になった。

俺はまっすぐに彼女に向かって歩いていった。



「驚かしてごめん」

久しぶりに見る彩香は少しも変わっていなかった。

ハイヒールも履いていない。

「どうしたの?」

「会いたかったから・・・。もう遅い?」

「何が?」

「だから・・・」

「はっきり言って」

「今でも彩ちゃんのこと好きなんだ」

彩香は突然俺の首に両手を回して抱きついた。

そして人目もはばからずポロポロ泣いた。

「遅いよ。どれだけ待たせるの」

「ごめん。待っててくれたんだ」

「バカ」

「ハイヒールは?」

「いらない」

高層ビルから吐き出されてくる人たちがニヤニヤ笑いながら通りすぎて行く。

恥ずかしいなんて気持ちに負けないくらい俺は嬉しくて幸せだった。

二人で食事をして、次に会う約束をした。

そして駅のエスカレーターを二段飛びで駆け上り、最終の新幹線にすべりこんだ。




12月になると軽井沢はクリスマスムード一色に包まれる。

ホテルでも中庭に植えられた木に飾りつけがされてとても綺麗だ。

レストランで食事をしながら眺めることができる。

ホワイトクリスマスになればいっそうロマンチックだろう。

あれから俺たちは毎月、東京と軽井沢で一度ずつ会っている。

会うたびに彩香を愛おしくおもう気持ちが深くなる。

クリスマスは仕事で会えないけれどプレゼントは買った。

6月の誕生石パールのピアス。

そしてプロポーズするつもりだ。

誰よりも身近な存在なのに、お互いの気持ちもわかっているのに

その時のことを考えただけで緊張してしまう自分が可笑しい。



そうそう、大野さんはその穏やかで静かな雰囲気とは違って

情熱的な人だったようだ。

どういう経過をたどったのかは知らないが櫻井さんの気持ちをしっかりと

掴み、東京のシティホテルで働いている。



松本は洋菓子店に職を見つけパティシエに復帰した。

左手はまだ完全ではないがやる気と工夫で補っていると言っていた。

30歳で独立するという目標を松本ならきっと実現するだろう。

その時を俺と相葉は待っている。

この軽井沢で。


俺は大野さんのような一流のホテルマンを目指している。

日常から離れて思い出を作りにやってくる人たちの記憶に

ホテルウイッシュで過ごした時間が少しでも温かく残ってほしいと思う。

そして笑顔があふれる家庭をつくりたい。

もちろん彩香と。


        ------------END--------------



わ~い!無事終わった

ホッとしました。

もう妄想ドラマは止める!

なんて途中で何度も思うけど止められない

登場人物の名前が嵐くんたちと同じだけで一人盛り上がったりして。

さて次は・・・???

乞う、ご期待!じゃなくて期待しないでね。

がっかりさせると悪いし。

でも私の頭の中では妄想がスタートしております



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妄想ドラマ 『身長差のない恋人』 (8)

2009年06月04日 | 妄想ドラマ『身長差のない恋人』
       妄想ドラマ 『身長差のない恋人』 (8) 



俺は駐車場に止めた車に戻り、すぐに彼女を追いかけた。

歩いたのでは軽井沢駅まで20分はかかる。

「駅まで送るから」 

「大丈夫です。お仕事遅れると悪いし」 

「今日は遅番でまだ時間あるから乗って」  

助手席のドアを開けると断りきれないと思ったのだろう、彼女はすみませんと言って乗り込んできた。

「何時の新幹線?」

「11時」

それきり会話は途切れて気まずいまま駅前の交差点にさしかかった。



「俺には関係ないことかもしれないけど、さっきの君の言葉を伝えたからって

 相葉にはどうしようもないと思うんだけど」

「そうですよね。相葉さんの友達でもない私の言葉なんてなんの力もない・・・」

「それでも君は相葉に会いに来た。俺のこと信用して少し話してくれないかな」

信号が青に変わった。

駅前の送迎用の駐車場に車を停めると彼女は決心したように口を開いた。

「私、潤くんのいとこなんです。残念だけど彼女なんかじゃないの」



彼女は松本の叔母夫婦の娘だった。

東京の大学に行っているが、就職のことで度々帰ってきていた。

松本に彼女役を頼まれて、渋っていると仕方なく事情を話してくれたそうだ。



松本と櫻井さんはうまくいかなくなっていた。

原因は櫻井さんが他の人に惹かれてしまったから。

たぶん大野さんだろう。

そんな時に事故を起こして、松本は怪我をしてしまった。

仕事を辞めるのは辛かったけど、櫻井さんの心を取り戻す時間を

与えられたのだと思った。

櫻井さんは病院でも退院してからもずっと献身的に松本の世話をしてくれ、

ふたりはまた元通りになった。

松本はそう信じたかった。

でも、時が経つにつれ事故の責任を感じている櫻井さんを自分が縛り付けているだけのような気がしてきた。

その思いは日に日に強くなり、櫻井さんを愛しているのに自分は彼女を幸せにはできないと苦しんだ。

別れを切り出しても、まだパティシエの仕事に復帰できずにいる松本の傍を

彼女は離れることはできないだろう。

そう考えていとこの土屋さんに彼女役を頼んだ。

自分を支えてくれる人はいるから櫻井さんはもう必要ないと彼女に思わせるために。

そして櫻井さんは松本と別れ、東京へ帰った。



「潤君が考えたとおりになったけど、愛している人を失って友達にも誤解されたままなんて悲しすぎます」

「それで相葉に会いに来たのか」

「早くパティシエに復帰してクリスマスには腕を振るいたいって言ってるけど・・・」

「けど?」

「あまり笑わなくなったから」

「そうか・・・。相葉には必ず伝えるから心配しないで」

「お願いします」

土屋さんは真剣な眼差しで俺を見つめ、もう一度よろしくお願いしますと言って車を降りた。

駅のエスカレーターへ消えていく後ろ姿を見ながら、

あの子はすごく松本のことが好きなんだなと思った。

なんだかみんな切ないよ。

大切な人を思っているのに、少し歯車がかみ合わなくて苦しい。


俺の大切な人は誰だろう。

誰かのために勇気を奮ったことがあっただろうか。

ホテルへの道を引き返しながら、そんなことを考えた。


    --------つづく----------



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


すみませ~ん最終回と予告しておきながらうまくまとめることが

できませんでした。

最終回は次回に持ち越させていただきます



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妄想ドラマ 『身長差のない恋人』 (7)

2009年05月31日 | 妄想ドラマ『身長差のない恋人』
嵐のCDを買った時に、レンタルの半額券をもらったので『自虐の詩』を借りました。

監督は堤幸彦さん。

そうあの堤監督ですよ。ピカ☆ンチとピカ☆☆ンチの。

笑えて泣けたよかったです。




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         妄想ドラマ 『身長差のない恋人』 (7) 



「見損なったよ」 

相葉にそう言われても、松本は何も答えなかった。

「あんなにお前のこと思ってくれる子なんていないぞ。まさか・・・事故ったことを許せない?」

「もう俺たちは終わったってことだよ」

「それでも、お前のやり方はひどいよ」 

松本が俺の方を見た。

「まずいとこ見られちゃったしな。由美子から聞いたのか?」 

俺は黙ってうなずいた。


相葉の怒りにはどこか悲しさが混じっている。

「お前、なんだか変わったね。今の松本は好きになれないよ」

「だろうな」

「仕事は出来るし、プライベートでは優しくて懐深くて、

 俺さ、ちょっとだけ尊敬してたのに」

「今は嫌な奴?」

「ああ・・・」

「相葉はお人よしだから」

松本はポケットから車のキーを取り出すと背を向けて歩き出した。


「他に言うことはないのかよ!」

相葉の言葉には答えずに、右手を軽く上げると車に乗り込んで行ってしまった。

俺には松本が相葉にバイバイと言ったように見えた。

「なんだよあいつ。俺だけが親友だなんて一方的に思ってたってことか・・・」

「そんなに落ち込むなって」

「大切な友達だと思ってるなら、怒ってる俺に何か言い訳したっていいだろ。友達無くさないようにさ。

 結局、俺は失ってもかまわない友達の一人にすぎなかったのさ」

相葉の気持ちがなんだか痛いほどよくわかる。

見損なったと言いながら本当は松本を嫌いになんてなれない。

なんで人の心はこうもすれ違ってしまうのだろう。



その後、東京に戻った櫻井さんからフレンチのレストランで働いているという

メールをもらった。

やっぱりサービス業が好きだし、仕事をしている方がくよくよ考えなくて

すむからといった短いメールだった。

最後の笑顔の絵文字になんだかホッとした。



学校が夏休みに入る頃、軽井沢は観光のトップシーズンを迎えた。

連日、ほぼ満室の状態で仕事漬けの毎日。

観光マップの主なところは、自分の足でいろいろ回っておいたおかげで、

お客様の質問にも答えることができて嬉しかった。

でも大野さんに比べれば俺はまだまだだと思う。

初めてのお客様にも親しみと信頼を得られるのはなぜだろう。

リピーターのお客様の中には俺が応対に出ると「大野さんは?」と聞く人もいる。

ここへ来て俺に足りないものを知り、はじめて仕事に前向きになれた。

そして少し自分のことを好きになった。


9月になると平日の軽井沢は渋滞から開放され、落ち着いて楽しめるようになる。

俺たちも一息つける日がやってくる。

休み明けの遅番の日、いつものように従業員用の駐車場に車を停め、

通用口に向かった。

入り口の前に女性が立っている。

その後姿に息を呑んだ。


「彩香・・・」

俺の声に振り返ったのは彩香ではなく、以前松本から彼女だと紹介された女の子だった。

「あの、相葉さんて方は今忙しいですか?」

「たぶん。休憩は3時ごろになると思います」

彼女は明らかにがっかりした様子だった。

「急用ですか?」

「いえ。私土屋といいます。あなたも相葉さんと潤君のお友達ですよね?」

「ええ、相葉とは。松本とは友達と言えるかどうかわかんないけど。

 僕でよかったら相葉に伝えておきますよ」

「私、これから東京の大学に戻るんです。でも潤君が親友まで失うのを見てられなくて。

 相葉さんに潤君は何も変わってないから友達でいてあげてくださいって、

 そう伝えてください。お願いします」

「なぜそんなことをわざわざ君が?」

「ごめんなさい。あなたには事情は話せません」

彼女は頭を下げると駅の方角へ歩き出した。


            ---------つづく--------


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



スタートした時は明るく行くぞ!と思ったのに、

やっぱり無理でした。

次はよいよ最終回の予定です

悲劇?ちょっぴり切ない?ハッピーエンド?

皆さんのお望みはどれかな?
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妄想ドラマ 『身長差のない恋人』 (6)

2009年05月25日 | 妄想ドラマ『身長差のない恋人』
怒涛の数日が過ぎました。

まだ疲れが・・・歳だな

これはもうどんなスタミナドリンクより嵐で目と耳の保養をするしかない

私の特効薬ですから。




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      妄想ドラマ 『身長差のない恋人』 (6)




「悪いけど帰るよ」

そう言って大野さんも出て行った。

俺と相葉は顔を見合わせて、どうする?と声には出さずに問いかけた。

楽しい酒を飲むつもりだったのに。

いつも元気で楽しそうな相葉もさすがに沈んでいる。

相葉は黙って椅子に座ると小さくため息をついた。



「なんか信じられない。俺が知ってる松本とは違うやつみたいだった」

「親友だからって、なにもかも知ってるわけじゃないだろう」

「そりゃ、いちいち彼女のことを報告したりはしないけど・・・なんか由美子ちゃん可哀そう」

「まぁ仕方ないよ。違う人に心が持ってかれることだってあるよ」

「それはそうだけど。でも、大野さんにくれてやるとかあんな言い方して、最低だ」

「うん・・・」

「ほんとにね、優しい男だと思ってたのに。がっかりだ」

酒が入るほど相葉は愚痴っぽくなった。

いいやつだけど、女性関係だけは身勝手という男はいくらでもいるし、

恋愛なんて当事者同士しか分からないことだと思う。

ただ俺も今までとは違って松本に好感は持てなくなった。

平気で人を傷つけるようなやつは嫌いだ。

心が離れてしまったのは仕方ないけど、櫻井さんにきちんと話をするのが先だろう。

一度は愛した人なのに、なぜ手のひらを返すように冷たくできるのか俺には分からない。

櫻井さんが友達だから余計に嫌な気分だ。



翌日、大野さんはいつもどおり何事もなかったように仕事をこなしていた。

大人ってそうして生きていくものなんだと思う。

俺は相葉と飲みすぎて頭が痛い。

松本の話の後、相葉の料理に対する熱い思いと、シェフの料理がどれだけ素晴らしいかを

延々と聞かされた。

酔ってるあいつの話は専門用語が多くてよく分からなかったけれど、

仕事への情熱には俺も刺激された。

これから相葉とは長い付き合いになりそうな予感がする。



しばらくはホテルとアパートを往復するだけの毎日が続いた。

それでもつまらないとは思わない。

仕事で得られる充実感に満足していた。

日常を離れて観光に来るお客様に少しでも楽しんで帰ってもらいたいと、

軽井沢の情報をいろいろ仕入れるようにした。

休みの日にはアウトレットのショッピングセンターへ行ったり、
 
俺らしくもなく美術館へ足を運んだりもした。



相葉とは休憩時間に時々話をする。

あれから松本とは会っていないと言っていた。

何となく自分から連絡する気もおきないし、松本からも連絡がないということだ。



泊り客も少ない月曜日、早番だった俺は買い物をして夕方にはアパートへ帰った。

駐車場へ入ると櫻井さんと松本、そして新しい彼女だと紹介された土屋さんが目に入った。

まずいところに帰って来た。

3人で顔を合わせているなんて、最悪な状態に決まってる。

ほんとはUターンして出て行きたいくらいだけれど、3人が俺に気がついた。

すぐに櫻井さんは車に乗り込んで駐車場を出て行った。

俺とは目を合わせなかった。

松本も俺も何も言葉を交わさずに、それぞれの部屋へ入った。

一度だけ松本の彼女が複雑な表情を浮かべて、俺のほうを振り返った。



三日ほどして櫻井さんのお兄さんの翔先輩がホテルに来た。

休憩時間に少しでいいから話がしたいと言われて

近くの喫茶店で会う約束をした。

レンガ造りの趣のある建物で、別荘客に人気の店だ。

カラマツ林の中に佇む雰囲気も値段に含まれるのか、すべてのメニューが高い。

そのかわり観光シーズン以外は静かで、地元の人間に会うことはない。



翔先輩は先に来ていた。

「単刀直入に聞くけど、由美子から何か聞いてる?」

「何かって?」

「ホテル辞めたこと、あいつ黙ってたんだよね。聞いても何となくとか言っちゃって。
 
 好きな仕事だったのにおかしいよ。職場で何かあったのかなって思ってさ」

「いえ、特になにも・・・」

俺の口から言えることじゃない。

大野さんのことは俺の勝手な思い込みかもしれないし、第三者が口を挟むことじゃない。

「そっか、今更聞いても仕方ないしね。由美子も東京に帰るって言ってるし。

 いろいろありがとう。二宮君には仲良くしてもらったみたいで感謝してるよ」

松本と別れたのならもうここに留まる理由もない。

かえって辛いだけだろう。

「あの、もう引越しとか決まってるんですか?」

「いや、まだこれからだけど俺は早い方がいいと思ってる。二宮君も実家に帰った時は連絡してよ。

せっかくの縁だからさ、飲みにでも行こう」



その夜、櫻井さんに電話しようか迷っていると彼女がかけて来た。

「兄さんから聞いた?二宮君に会ってきたって言ってたから」

「東京に帰るんだってね」

「うん。なんか私この前へんなところ見られちゃったね」

「松本とちゃんと話しできた?」

「他に好きな人できたから、もう私は必要ないって言われた。新しい彼女まで

 紹介されたんじゃどうしようもないよね」

「そんなやつ別れて正解だよ」

「私がいけないの。仕事も出来なくしちゃったし・・・」

櫻井さんが松本に怪我をさせてしまった事故は、凍結した道路でスリップして起こしたと相葉が言っていた。

軽井沢は雪は少ないけれど、気温が下がるので夜間は道路が凍結していることも多い。

冬になったら二宮も気をつけろと教えてくれた。

東京に帰る前に食事に行こうと誘ったけど、彼女は断った。

「今は心から笑えないの。元気になったら東京でご馳走して」

そう言って電話は切れた。


数日後、夜のコンビニで俺と相葉は松本にばったり会った。

相葉の顔が見る見る険しくなった。

まずい!

松本が櫻井さんにも新しい恋人を紹介したことを、俺は相葉に話してしまった。

そんな友達を笑って許せるやつじゃない。




       ----------つづく-----------




8話くらいで完結の予定です

松本君ちょっとひどい?

まぁもうしばらくご辛抱を
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妄想ドラマ 『身長差のない恋人』 (5)

2009年05月20日 | 妄想ドラマ『身長差のない恋人』
昨日の夜は寝る前にうたばんのCrazy Moonをミントと二人で見てました。

あそこが好き!ここがカッコイイ!

と止まらなくなるオタク親子。

好きな人を褒められると普通は嬉しいもんですが、

バ 「にのちゃんが前に出てくるとこが好き!髪の毛が揺れてるとこ。

 あと細身のパンツをはいた時の体のラインが綺麗!」

ミ 「お母さんはおーちゃんでしょ!」なぜか切れる

バ 「おーちゃんカッコイイ!もう最高!!」

ミ 「よろしい」


微妙な乙女心ってやつ?

「もうそんなに嵐オタクじゃなくなったから・・・」と言ってたくせに!

なんて指摘してはいけません。




それでは主題歌は身長差のない恋人でどうぞ!



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


        妄想ドラマ 『身長差のない恋人』 (5)




6月の半ば、俺は松本と同じアパートに引っ越した。

本当の一人暮らしのスタートだ。

最低限必要な家電は相葉に教えてもらったリサイクルショップと

電気屋をまわって揃えた。

他にもトイレの掃除道具やバスマットのような雑貨まで必要な物が後から後から出てきて、

お袋が手伝いに来ると言うのを断ったことをちょっだけと後悔した。

引越し祝いと称して相葉と松本がワインとビールを持ってきてくれた。

大半は相葉が一人で飲んだけど。

ご機嫌の相葉を連れて松本が自分の部屋へ引き上げると、妙な寂しさが

襲ってきた。



理由はわかっている。

そう、今日は6月15日だ。

忘れた振りして通り過ぎようとしていた彩香の誕生日。

あと一時間で終わってしまう。

6月17日が誕生日の俺と一日だけ同い年になるのを喜んでいた彩香。

休みを取って二人で過ごしたっけ。



携帯が鳴った。

液晶画面にコウシュウデンワの表示。

「彩香?・・・」

返事がない。

じっと耳を澄ましていると

「バカ・・・」

聞き取るのがやっとなくらい、小さくつぶやいて切れた。

胸を締め付ける衝動に駆られ、俺は彩香の携帯にかけた。

あの時から一度も聞いてない綾香の声が無性に聞きたかった。

でも、携帯から聞こえてきたのは「おかけになった番号は・・・」という

優しくて無情な声だった。

情けなくて寂しい夜を一人、噛み締めた。





日に日に深くなる緑、カッコーの声で目覚める朝。

東京よりもはっきりと季節の流れを感じる生活も悪くない。

梅雨時はさすがに観光地も静かなものだ。

その日、相葉と飲んで帰ることになっていた俺は大野さんも誘った。

行き先はいつもの店。



店の駐車場に松本の車があった。

「松本も誘ったの?」

「いや、誘ってないよ。今日は由美子ちゃんと来てたりして。みんな知ってる仲だし合流しちゃう?」

事情を知らない相葉は楽しそうだ。

そっと大野さんを見ると落ち着いている。

それでも俺は内心、櫻井さんがいない事を願いながらドアを開けた。



松本が会計を済ませているところだった。

一緒にいたのは、俺が初めてこの店に来たとき一緒だった女の子。

彩香に雰囲気が似ていたので印象に残っている。

後ろにいる大野さんに気がつくと、松本が一瞬戸惑ったのを俺は見逃さなかった。

「大野さん久しぶりです」 

「ひさしぶり。元気そうだね。怪我はもうすっかりいいの?」 

「ええ、ほとんど」  

松本はにっこり笑うと、一緒にいた女の子の腰に手を回して引き寄せた。

そして俺と相葉に向かってこう言った。

「紹介するよ。俺の彼女で土屋あかねちゃん。よろしくね」

「土屋あかねです」

彼女はちょっとはにかみながら挨拶をした。



相葉は何も言わずに固まっていた。

驚いたのが顔に出ている。

「二宮です。こっちは相葉。それから・・・」

俺が言いかけたとき

「どういうこと?」

大野さんが松本に聞いた。

口調は穏やかだがその視線は厳しかった。

「だから、彼女ですけど」

一気にその場の空気が張り詰めた。

「先に行ってるね」

何かを察したのか彼女は俺たちに軽く頭を下げると店を出て行った。



「いつの間に由美子ちゃんと別れたの?」

恐る恐る相葉が聞いた。

「まぁ・・・別れたって言うか俺の心変わり。由美子にはこれから・・・」

「ふざけるな!」

言葉が終わるのを待たずに大野さんが松本の胸ぐらを掴んだ。

松本は大野さんの手を乱暴に振りほどくと

「由美子に惚れてるならあんたにあげるよ」と言い放った。

止める間もなかった。

大野さんの拳が松本を捉えた。

松本がスローモーションのようにゆっくりよろめいて、傍のテーブルに

倒れ掛かかるのを呆然と見ていた。

大きな音がして店中の客の視線が集まる。

相葉が驚いて松本を助け起こしているとオーナーらしき年配の人が出てきた。

「喧嘩なら外でやれ」

「喧嘩じゃないですよ。目まいがして倒れただけ」

それだけ言うと松本は店を出て行った。


--------------つづく-----------



あ~んどうなっちゃうの?

こっちが聞きたい?だよね。

これから週末にかけて多忙なもんで続きは月曜になると思います

ではまた


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妄想ドラマ 『身長差のない恋人』 (4)

2009年05月16日 | 妄想ドラマ『身長差のない恋人』
またまたやっちまいました

ひみつのアラシちゃんが・・・録画できてない

どういうことだか原因不明です。???犯人は誰だ!

だれか録画してないか聞いてみなきゃ




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     妄想ドラマ 『 身長差のない恋人 』 (4)





櫻井さんと大野さんに余計なこと言ったのが何だかやりきれなくて、

鬱々として数日を過ごした。

大野さんは中途採用の新人への指導で忙しそうだ。

久しぶりに厨房の相葉に誘われて外に飲みに行くことにした。



「田舎だからさ遅くまでやってる店少ないんだよね。俺の行きつけのとこでいい?」

「いいよ。だって俺、店知らないもん」

「けっこう雰囲気いいんだぜ。デートにもぴったり。ただし俺に見られちゃう可能性高いけどね」

相葉が行きつけの店はホテルから車で15分ほどの所にあった。

木製のドアを開けると、アメリカンカントリー調の内装でカジュアルだけど落ち着いた雰囲気の店だった。

7,8人が座れるカウンターとテーブル席が四つ。

奥は一段床が高くなって木製の手すりがついている。

その向こうにテーブル席が六つくらいだろうか。

お客は若い子が多いみたいだ。



「あれっ、友達がいる」

奥のテーブルの4人連れが立ち上がったところだった。

男性2人と女性2人でみんな俺たちと同年代に見える。

そのうちのひとりが相葉に気がついて近づいてきた。

「今来たとこ?」

「そう。松本はもう帰るの?なんか久しぶりじゃない?」

「10日ぐらい会ってないのを久しぶりって言うかな」

「俺たちには久しぶりだろ。せっかく会えたんだから一緒にどう?いいよね二宮」

「俺はかまわないけど」

「じゃあちょっとだけ」

そう言ってから、松本と呼ばれた男は今まで一緒だった友達を店の外まで送りに行った。

女の子の一人が彩香と雰囲気が似ていると思った。



「あいつね、うちのホテルのパティシエだったの。最初はちょっと取っ付きにくい感じかもしれないけどいいやつだから」

「ふーん。なんか男から見てもカッコイイね」

「櫻井さんの彼氏。美男美女だよね」

「そうなんだ」

「でもあいつ女の子と2対2で来たりして。櫻井さんに悪いだろ」

「別に二人っきりじゃないんだから。相葉だって女の子の友達くらいいるだろう?」

「俺は今フリーです。誰にも遠慮はいりません」

櫻井さんはホテルを辞めても東京の実家へは帰らず、隣の街の本屋で働いている。

この近辺では一番大きな本屋で、買いたい本があったので一度行ってみた。

彼女はレジにいた。

俺の後ろにも並んでいる人がいたので、短い言葉を交わしただけだったけど、

いつもの優しい笑顔を見せてくれた。




松本が戻ってくると、相葉が紹介してくれて俺たちは3人で飲んだ。

話題は趣味のことや車のこと。

「それで軽井沢はどう?いいとこでしょ。これから夏は大変だけど」

「正直、最初はなんで俺が?って思ったけど今は来てよかったと思ってる」

「アパート探してるって相葉から聞いてるけど見つかった?」

「まだ。あんまりないよね。空いてるところは高くて」

「俺の住んでるアパート、この前一部屋空いたよ。隣の町だけど軽井沢より家賃安いし、裏道走れば

 夏でもホテルまで30分かからない」

「あそこなら俺が住みたい!」

相葉が身を乗り出した。

「お前実家だろ。家賃もったいないぞ」

「そうでした」



やがて話題は仕事のことになった。

「なんでうちのホテル辞めたのか聞いてもいい?」

「えっ!」

俺の質問に相葉が戸惑いの表情を見せた。

なんか立ち入ったまずいこと聞いたかなと思った。

でも松本は気にしたふうでもなく笑顔で答えた。

「車で事故ったの。それで腕怪我してリハビリ中なんだよね今も」

「リハビリって大怪我?全然わかんないけど」

「見せてやろうか?」

そう言ってちょっとシャツの袖を引っ張って左の腕を出すと、引きつったような

深い傷が見えた。

かなりの大怪我だったことがうかがえる。

それは手首から腕の上の方まで続いているようだった。

事故のために左腕を怪我して、リハビリに時間がかかりそうだったので辞めたけど、

今ではほとんどのことには支障ないほど回復したと言っていた。

一時間ほどして彼は先に帰った。



「あのさ二宮、俺が松本を誘っといてあれなんだけど・・・」

「なに?いいやつじゃん。楽しかったよ。アパートのこともうまくいけば決まるし」

「櫻井さんのことなんだけど、彼女にはさ、事故のこと聞いたとか今は言わないでほしいんだ」

俺は言われていることがどうしてだかわからなかった。

「彼氏に会ったなんてわざわざこっちから連絡しないよ」

「二宮君と櫻井さんって幼なじみで親しいって聞いたけど?」

「ただの友達だよ」

「そっか」

「なんだよ気持ち悪いな。はっきり言ってよ。それとも俺って信用できない?」



相葉の話によると、松本は日本では有名なパティシエの元で経験を積み、

コンクールで優勝して雑誌なんかにも紹介されるほどだったらしい。

そんな彼を見込んだシェフが自らスカウトしたということだった。

それが事故の怪我で辞めることになった。

日常生活には困らないといっても親指に力が入らなくて、物をうまくつかめないらしい。

片手ではパティシエの仕事は無理だろう。

でも彼は自棄になったりあきらめたりはしていないという。

知り合いの会社の事務を手伝いながらリハビリを続けているそうだ。



「それでどうして櫻井さんに言っちゃいけないのさ?」

「だって・・・」

相葉はグラスについた雫を指でなぞりながらこう言った。

「実は事故を起こしたのは櫻井さんなんだ。松本は助手席に乗っていた。

 だから彼女、責任感じてると思うんだよね」

「そうか・・・」

松本が情熱を傾けていたパティシエの仕事を、自分のせいで出来なくしてしまったのは辛いだろう。

たとえそれが一時的なことだとしても、責任感の強い彼女は自分を責めているに違いない。

何も知らなかったから仕方がないけど、俺はまた後悔の気持ちでいっぱいになった。

あんなこと言うんじゃなかった。



     ------------つづく-----------

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妄想ドラマ 『身長差のない恋人』 (3)

2009年05月09日 | 妄想ドラマ『身長差のない恋人』
バジルとミント(10歳)のオタトーク


ミ 「身長差のない恋人どこまで行った?」

バ 「まだ2話。あーなってこうなって・・・」

ミ 「最初言ってたのと全然違うね」1話を公開の後、4話まで書いたけどつまんなくてボツ

バ 「書いてたらなぜかそうなった。これからどうしたらいい?」

ミ 「知らない」

バ 「妄想ドラマだからさ5人のうち誰か殺してもいい?ここだけ聞くと怖い

ミ 「ダメ!!!」

バ 「だって作り話だよ」

ミ 「嫌!!!」

バ 「だよね~私も。お話の中とはいえやっぱ無理」


トビラの時はラストシーンだけは最初からはっきり見えてたんですけどねぇ・・・

今回はどこへ着地したものか?



では主題歌は『身長差のない恋人』で






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       妄想ドラマ 『身長差のない恋人』 (3)




軽井沢にも桜の季節が訪れると、ゴールデンウィークのための新作料理や

ロビーのディスプレイの入れ替えなどでみんなの気持ちもシーズン到来に向けて高まった。

そして怒涛のようなゴールデンウィークを俺たちはチームワークで乗り切った。

疲れたけど、ひさしぶりに達成感を感じることができて俺はなんだか嬉しかった。

この気持ちを誰かに聞いてもらいたかった。

出来ることなら彩香に。

何度か電話しようと思ったけど出来なかった。

彩香の携帯には今でも俺の番号が残されているだろうか。



やがて街は新緑で美しい季節を迎えた。

生命力のたくましさを見せる木々とは反対に櫻井さんは時折、暗い表情を見せるようになった。

お客様やみんなの前では変わらず明るい笑顔を見せているけど、

俺には無理をしているように見える。

大野さんと櫻井さんがお互いひかれあっていると思ったのは

俺の勘違いだったのか、最近は避けているようにさえ感じる。



チェックアウトのお客様の一団が去ってフロントが静かになった時、

俺は大野さんに呼ばれた。

「もう聞いたかもしれないけど、櫻井さん今月で退職することになったから」

「えっ、ほんとですか?初めて聞きました。どうして?」

「個人的な都合だそうだよ。梅雨が明けると忙しくなるからその前に新しい人に仕事覚えてもらわないとね」

「もうそこまで決まっているんですか?」

「今度は二宮君がいろいろ教えてあげてね。夏に向けて中途採用の新人が一人と、派遣から一人フロントにはいるから」

「はい。わかりました」



俺は何だか納得がいかなかった。

人それぞれ事情はあるだろうけど、櫻井さんはこの仕事が好きなはずだ。

それに俺にひとこと言ってくれてもよさそうなのにと腹も立った。

毎日のように顔をあわせている同僚だし、その前に友達だろ。

少なくとも俺はそう思っていたのに。



「聞いたよ。辞めるんだって?」

「うん。なんかね、この仕事もういいかなって思っちゃって」

「俺にはそうは見えないけど」

「私、実はいいかげんな奴なの。二宮君が思ってるような人とは違うのよ」

「大野さんと何かあった?」

櫻井さんの表情が一瞬フリーズしたのを俺は見逃さなかった。

やっぱり櫻井さんが辞めるのは大野さんが原因なのか。

「やだ、何言ってるの?大野さんは何も関係ないよ」

「こんなの俺のキャラじゃないけど、はっきり言わせてもらえば

 大野さんと顔を合わせるのが辛くて辞めるんじゃないの?」

「違う!」

そう言いながらも彼女は俺と目を合わせない。

「好きな人をあきらめて付き合ってもらうなんて、俺が彼氏ならごめんだね」

「だから違うって・・・」



俺、どうしたんだろう。

人の恋愛にこんなに熱くなったりしてダサいかも。

自分が傷つくのが嫌で、彩香に理想や建て前で話をしていたことを

後悔しているせいかもしれない。

本当は彩香に無理を言ってでも、すぐに会いたくてたまらないこともあったし、

このまま帰したくない夜もあった。

でも口にはしなかった。

彩香にはそんな俺が冷めていると映ったと思う。

時間が経つにつれ後悔は深くなるけど、どうすることもできない。

傷つくことを恐れたって、自分の気持ちに嘘をついていたら

結局誰かを傷つけるんだ。



櫻井さんが辞める前日、いつもどおりの笑顔で話しかけてきた大野さんに、

なんだか腹がたってとうとう俺は言ってしまった。

「大野さんはいいんですか?気がついてますよね彼女の気持ち」

くそっ、何言ってるんだ俺は。

仕事中だぞ。

大野さんはそれには応えず、ほんの少し微笑んだ。

「二宮君は櫻井さんの幼なじみなんだよね。これからもいい友達でいてあげてね」

「なんだよそれ。いい人ぶって後悔しないんですか?」

「今の僕に出来ることはないんだよ。彼女の問題だから」

「彼女に彼氏がいるらしいから、自分の気持ちを伝えられないってことですか?」

「いや、だいぶ前に伝えたよ。そして振られた」

「そんな・・・」

「今、僕が自分の気持ちに正直に行動すれば彼女を追い詰める。辛いけど何もできないんだ。

 友達ならこれからも彼女を見守ってやってほしい」



俺は何も言えなかった。

これ以上立ち入ったことは聞けない。

やっぱり、人のことに余計な口出しをするんじゃなかったと思う。

どうかしていた。

翌日、みんなに挨拶をして櫻井さんはホテルを去った。

後ろ姿が寂しそうに見えたのは俺だけだろうか。



        -----------つづく--------



全国的に快晴だったみたいですね。

『トマトがないと生きていけない』と言うミントとトマトの苗を買いにいきました。

3本買いましたが、さてどうなりますか

私はトマトより『嵐がいないと生きていけない』
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妄想ドラマ 『身長差のない恋人』 (2)

2009年05月06日 | 妄想ドラマ『身長差のない恋人』
ゴールデンウィークは何してましたか?

我が家は夫が仕事で忙しいので地味~にDIY。

ミント(10歳)とウッドデッキのペンキ塗りです。

あとは草もち作ったり・・・


それでは主題歌は『身長差のない恋人』で

軽井沢に転勤になった俺(二宮和也)は・・・



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     妄想ドラマ 『 身長差のない恋人 』 (2) 




横川から軽井沢の間で風景は一変した。

春から冬に逆戻りしたかのようだ。

桜どころか木々は芽吹いてもいなくて寒々しい。

軽井沢の町に入ると春休みのせいか、俺のような他県ナンバーの車が目に付いた。

ホテルへは午後に顔を出せばいいので、少し町を散策してみようと思っている。

実は今まで一度も来たことがない。


コンビニに車を止めてガイドブックを開いてみる。

美術館めぐりするような趣味は持ち合わせてないし、

かといってショッピングも興味がない。

とりあえず一番有名な軽井沢銀座にでも行ってみよう。



駐車場に車を置き、ブラブラ歩いてみたけどやっぱり一人じゃつまらない。

楽しそうな家族連れやカップルを見ると、あ~俺は遊びじゃなくて仕事だよってなんかブルーになる。

彩香の顔が浮かんだ。

そういえば前に軽井沢に行きたいって言われたことがあった。

一回くらい連れてきてやればよかったかなと思う。

今更だけど。




駅の近くのマックで昼食を済ませ、ホテルへ向かった。

カラマツの林の中にホテルウィッシュ軽井沢はあった。

木をふんだんに使った二階建てのホテルは周りの森と調和して美しく、

落ち着いた雰囲気だった。

ロビーには暖炉を囲んでゆったりとしたソファが置かれ

ヨーロッパのお金持ちの別荘みたいだと思った。

もちろん俺はヨーロッパもお金持ちの別荘にも行ったことはないけれど。




若い女の子がフロントにいて目が合うと軽く会釈をした。

お客様だと思ったらしい。

綺麗な子で何だか変に緊張した。

「あの、新宿からこちらに転勤になった二宮です」

「あっ、どうも。お話はうかがっています。こちらへどうぞ」

俺はフロントの奥にある事務室に通された。




しばらくすると俺とあまり歳がかわらないような男性が現れた。

「こんにちは。早かったね。疲れてない?」

「あ、はい大丈夫です。新宿から来た二宮です。よろしくお願いします」

「そんなに固くならなくていいよ。僕は大野です。一応フロントの責任者」

責任者?若そうに見えるけど実はおじさんだったりして。

「責任者ったって実は肩書きなんてないけどね。フロントは高山さんって女性が今月で退職するから

 二宮君と櫻井さんと僕の3人だけ。仲良くやろうね」

「はい。あの、櫻井さんってさっきの女性ですか?」

「そう。二宮君と同じ25歳。仕事は出来るから何でもわからないことは聞くといいよ」



軽井沢は客室数38。満室でも100名に満たない。

部屋ごとに内装が少しずつ違う凝った造りになっている。

客室からフロントの前を通って円形のおしゃれなレストランにつながっている。

夜は周りの森がライトアップされて綺麗らしい。

これはパンフレットで見た。



ちょうどフロントの下がアルバイト用の寮になっている。

夏の繁忙期だけアルバイトを雇うためだ。

アパートが決まるまで俺はバイト用の寮で暮らす。

案内してくれた相葉雅紀は厨房で働くコックで俺よりひとつ年上。



「ねぇねぇ、フロントの櫻井さんって可愛いでしょ?」

「そうだね。どういう人?」

「う~んと、なんか東京の人みたい。でも彼氏いるから惚れちゃだめだよ」

「俺、顔で一目ぼれとかないから」

「そう?ならいいんだけど」

「好きなの?」

「違うよ。櫻井さんの彼は俺の友達なの」



新宿はビジネスマンが多かったけど、軽井沢は当然ながらお客様は観光客で

ホテル全体に流れる空気もゆったりとしている。

俺は仕事に慣れてくると、少しずつ周りの人たちのことも見えてきた。

大野さんはいつも穏やかで一緒に仕事をしていると安心できる人。

櫻井さんは責任感が強くて、お客様にだけでなくここで働いている仲間たちにも優しかった。

パートさんやアルバイトにも評判がいい。

相葉くんは気さくで思っていることがすぐに顔に出る。

嘘がつけないタイプだ。

俺と気が会って、仕事帰りによく俺の部屋に来て一緒に酒を飲む。

大野さんともゆっくり話がしたいけど、同じフロントなので一緒には休みがとれないのが残念だ。




「大野さんと櫻井さんってここで働いてどのくらいですか?」

「僕は5年。最初の2年はレストランの方だったんだけどね。櫻井さんは1年位かな」

「そっか1年か。櫻井さんって完璧ですよね」

「そうだね。少し肩の力が抜けるといいんだけど」

「えっ、そうですか?お客様の応対もソフトな感じでいいと思いますけど」

「表面的なことじゃなくて・・・」

気のせいか大野さんの表情が一瞬曇ったように見えた。

「もう少し楽に生きてもいいんじゃないかな。二宮君みたいに」

「俺だって頑張ってますよ」

「冗談!」



その後、俺は退職する高山さんから意外なことを聞いた。

本当は櫻井さんが辞めるはずだったのに自分が出来ちゃった結婚で

急に辞めることになったので彼女が引き止められたのだ。

この仕事が好きで頑張っているように見えていたのになぜ辞めようとしたんだろう。



軽井沢に来て2週間ほど経ったある日、どこかで見たことがあるような人が

ロビーで櫻井さんと親しげに話していた。

俺に気がつくとまっすぐに歩いてきてこう言った。

「久しぶり二宮君。中学の時から笑っちゃうくらい変わってないね」

「はっ?」

キラキラと輝く瞳と爽やかな笑顔が一瞬にしてほろ苦い思い出をよみがえらせた。

「櫻井翔先輩?」

「覚えていてくれたんだ。懐かしいね。噂は由美子から聞いてる。妹のことよろしくね」

隣で櫻井さんが笑っている。

「なんで言ってくれなかったの?」

「だって私振られたのよ。言いにくいじゃない」

「いや、あれは・・・」



そう、確か中学一年のバレンタインデー前日、突然櫻井先輩に呼び出された。

先輩はサッカー部のキャプテンで生徒会長もやった学校一の有名人。

女子の間ではファンクラブまであるという噂だった。

そんな人がなぜ俺を?と思いながらついて行くと、妹のチョコをもらってくれるか

返事が聞きたいと言われた。

妹の由美子ちゃんはアニキと違って地味で目立たない子だった。

特別意識したことはなかったけど、他にチョコをもらえる当てもない俺は嬉しくてOKした。

しかし当日俺は約束をすっぽかした。

野球部の先輩に説教をくらっていたのだ。

チョコくださいって自分から電話するのも気が引けてそのままになった。

後日、彼女と仲が良かった女子に「最低!」とか言われて彼女が傷ついたことは想像できたけど、

どうしていいかわからなかった。

でも中学一年の由美子ちゃんはぽっちゃりとした子でメガネをかけていた。

今の櫻井さんからは想像できない。



櫻井先輩は軽井沢に会社の保養所があって、時々同僚と遊びにきているそうだ。

あの頃と変わらない爽やかな風を残して先輩は帰った。

それから櫻井さんと俺は急速に親しくなった。

幼なじみだったということが二人の間の垣根を取り去ったのかも知れない。

そして親しくなるほど俺はあることに気がついた。

櫻井さんは大野さんのことを好きなのかもしれないと・・・



      --------つづく--------



ゴールデンウィークも終わりですが、元気百倍!の嵐の曲を聴いて

明日からまた頑張りましょう

今週末までお休みの方も!?

私はミントが学校へ行って、お昼ご飯が手抜きに戻ります

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妄想ドラマ 『身長差のない恋人』 (1)

2009年05月03日 | 妄想ドラマ『身長差のない恋人』
いよいよ妄想ドラマ第2弾をスタートさせます

今回のドラマ主題歌はタイトルどおり嵐の『身長差のない恋人』で

なおドラマ中の固有名詞、登場人物のキャラクターは実在の嵐とは一切関係ございません。

それではどうぞ!






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        妄想ドラマ 『 身長差のない恋人 』 (1)





高速道路は予想に反して空いていた。

上信越自動車道の横川サービスエリアで、眠気覚ましに缶コーヒーを飲みながら

あたりを見回すと桜が満開だった。

予定より早い時間だったけど、一人で花見をするほどロマンチストじゃないので10分ほど休憩すると

すぐに車に乗り込んだ。

ここから目的地の軽井沢まではあと少し。

つい一週間前、マネージャーに呼ばれるまでは、こんなところに来るとは

まったく予想していなかった。



俺が働いているのは新宿にあるHOTEL WISH。

客室数100のこじんまりとしたシティホテルだ。

都内にはここだけだが、ほかに山中湖、鎌倉、軽井沢にリゾートホテルを展開している。

専門学校を卒業してビジネスホテルに就職、その後WISHに移り3年が過ぎた。

TVドラマに憧れてホテルマンになったものの、現実はドラマとは違って

地味で代わり映えのしないことの繰り返しだ。

正直、選択を誤ったかな、なんて思っている。

もうすぐ新入社員を迎える3月の終わり、俺はマネージャーに呼ばれた。

何事だ?何かやらかした覚えはない。



「二宮君、実は君に軽井沢へ行ってもらえないかと思っているんだけど」

「軽井沢?何しにですか?」

「仕事に決まってるでしょう」

「あの、転勤ってことですか?」

「そうです。急に人が辞めちゃってね。向こうで地元の人募集して研修してる時間がないんですよ。

 すぐに戦力になる人がほしいってことで」

入社のときは転勤があるなんて聞いてない。

「僕じゃないと駄目なんですか?」

「独身だから身軽でしょ?これからの軽井沢はいいですよ。空気は綺麗だし、夏は涼しいし、

 なんてたってみんなが憧れる避暑地ですからね」

マネージャーはお客様に接するときのような丁寧な物腰でにこやかに微笑んでいる。

この狸親父め。いつもと態度が違うだろ。

「ぜひ優秀な君にお願いしたいんです。これから軽井沢は忙しいシーズンですから」

「それでどれくらい?」

「詳しいことは人事に行って聞いてね」

結局、はっきりした期限の返事はもらえずじまいだった。




その日は早番だったので、彩香と待ち合わせをしていた。

池本彩香24歳、付き合って1年半の俺の彼女。

前にも行ったことのあるイタリアンレストランで食事をした。

軽井沢転勤の話を聞くと彼女はこう言った。

「ちょうどいいかもね」

「何が?」

「私たち終わりにしない?遠距離は無理だと思う」

「遠距離ってほどでもないと思うけど・・・」

「それに私、ハイヒール履きたいからつりあう人探す」



彩香と俺は身長が3センチしか違わない。

168センチの俺と165センチの彼女。

自分の方が背が高くなるのを気にして、デートの時はいつもローヒールかスニーカーしか履かなかった。

だからって、俺そんな理由で振られるわけ?

最近はなんとなく惰性で付き合ってる感じになってきていたから、

どっちにしろ遠距離になれば自然消滅を招くかもしれない。

だけど、はっきり別れると言われるとやっぱり寂しい。

正直未練がある。

いや、かなりショックだ。



「カズくん、私がいなくても平気でしょ」

「いや、寂しいよ」

「じゃあどうして別れるなんて嫌だって言ってくれないの?

 別れたくないって言うほど好きでもないし、自分から別れようって言うエネルギーもないだけでしょ」

「違うよ」

「うそ。なんだか冷めてる」

「そんなことはないよ。ただ俺は彩ちゃんの中でいつも一番じゃなくてもいいと思ってるだけだよ。

 恋愛以外で大事なものだってあるだろ?」

「あたしはそんなの嫌。恋は理屈じゃないの。だから別れる」

うまい言葉が見つからず黙っていると、自分から別れるって言ったのに

彩香は涙を浮かべて急に席を立った。

「仕事頑張ってね」

こうして人生3度目の恋は思いもよらない終わりを迎えた。




それからは友達に連絡したり、送別会を開いてもらったり、あっという間に一週間が経った。

自分でも意外なくらい、振られたことにはショックを受けたけど、

落ち込んでいる暇はなかった。

生まれて初めて実家を離れる俺のために、お袋がいろいろと必要なものを揃えてくれた。

もっと寂しがるかと思ったのに、姉ちゃんと二人で、今年の夏は軽井沢で避暑だと浮かれている。

「ねぇ、従業員の家族割引ってどれくらい?」

「知らない。それに新宿と違って軽井沢は高いと思うよ」

「あんたの寮に泊まればいいか」

「寮なんて狭いに決まってるだろ」

「我慢する」



こうして恋人に振られ、家族にも引き止められず、

マネージャーの言うとおり身軽な俺は、車に荷物を詰め込んでひとり軽井沢へ旅立った。




     ------------つづく------------





『身長差のない恋人』は2003年7月にリリースされたアルバム

How's it going?に収録されている曲です。

同じタイトルのコンサートDVDでは

ナイスな心意気身長差のない恋人テ・アゲロ

の流れがめちゃくちゃテンション上がります

もう大好き何十回見たことか

色とりどりのアフロを初めて見た時は転げまわって爆笑しました

もち、可愛すぎて~どうしてくれよう~

そうそう、テ・アゲロを今の嵐くんたちに歌ってもらいたいなぁ。

2003年はお子様が何言ってんの?と思ったバジルおばさんですが

今なら超セクシーだと思うわけで・・・

想像しただけで失神
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