goo blog サービス終了のお知らせ 

俺の明日はどっちだ

50歳を迎えてなお、クルマ、映画、小説、コンサート、酒、興味は尽きない。そんな日常をほぼ日替わりで描写

「オーケストラ!」 LE CONCERT

2010年06月02日 18時38分53秒 | 時系列でご覧ください

すべては最後の12分22秒のラストシーンへ

何にも予備知識なしで出かけていったこともあって観る前はもう少し格調高い映画なのではと勝手に思い込んでいたけれど、ところがどっこい良くも悪しくもいろんな意味でカラフルな映画で、正直言って前半のコメディ的な展開にはかなり戸惑ってしまったものの、終盤に向けて俄然盛り上がり、終わってみれば思っていた以上の感動が押し寄せ思わずウルウル。



ストーリーそのものは、ユダヤ人の排斥が強行されたブレジネフ政権下、それに反旗を翻したことで楽団を解雇された指揮者がひょんなことからパリのシャトレ座から送られてきた出演依頼を見つけ、かつての楽団仲間を集め、偽のオーケストラを結成してステージに立つというもので、実のところかなり突っ込みどころ満載だったりもするんだな、これが。
しかし、だけど、そうは言ってもそうしたドタバタ劇に中に政治に翻弄される市井の人たちのたくましさや政治的変遷や背景が見え隠れし、そのあたりの描かれ方も今回の大きなテーマだったんだなと観終わってから実感。



それにしても救急車やタクシーの運転手、引っ越し屋、ポルノ映画の音響技術者、博物館の監視員、蚤の市業者などなどバラエティ豊かな職業についている昔の楽団仲間はもちろんのこと、ロシア人、ユダヤ人、ロマ(ジプシー)、フランス人、といったさまざまな人種、さらにはロシアマフィアや大富豪まで登場させるあたり、楽器が奏でるハーモニー同様、人と人とが織り成す協奏曲がそこには描かれていたのだ。



そしてそして、なんと言っても特筆すべきは新進気鋭のバイオリニスト、アンヌ=マリー・ジャケに扮したメラニー・ロラン!
チームガレタッソのクラシック班のチーフ(なのか?)のミカちゃんによると指の置き方も弓の引き方も大いにぎこちないそうだけど、そんなこたぁまずはさておき「イングロリアス・バスターズ」の時よりさらに綺麗になっていて、その可憐な姿を見ているだけでかなりかなり胸キュン( ← 死語)。
我ながら「どうなん?このオヤジ」状態でありました。



加えて映画館に鳴り響くチャイコフスキーの「ヴァイオリン協奏曲」のなんと素晴らしかったことか!
久しぶりに音楽で感動した瞬間でありました。

機会があれば是非是非劇場で。音楽と映画がひとつに昇華する感激がここにはあります。



今日の1曲 “ Tchaikovsky Violin Concerto ” :  Jascha Heifetz

ということで20世紀を代表するヴァイオリニストであり、「ヴァイオリニストの王」と称されたヤッシャ・ハイフェッツがソロをとるそのチャイコフスキーの「ヴァイオリン協奏曲」を。
動いている彼の姿をはじめて見ましたが、やはり凄い!のであります。



最新の画像もっと見る

5 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ケイト)
2010-06-03 18:35:19
この20世紀最高の「ヴァイオリニストの王」は俳優さんもやってるんですか・・?
返信する
◇ケイトさんへ (nikidasu)
2010-06-04 08:56:32
そうなんです。
どうもこの1本だけらしいのですが、1939年に製作されたアメリカ映画
『かれらに音楽を』(They Shall Have Music )で貧しい音楽学校に手を差し伸べる
そんな本人役で出演いるとのことです。

なのでこの動画の最後で演技を見せてくれているのは
間違いなく本人だろうし、
そんなことまでやっていたと知って少々びっくりであります。
返信する
Unknown (ケイト)
2010-06-05 17:17:25
は~、ホイットニーヒューストンとかプリンスみたいなもんですか~~~・・・違うか。
返信する
映画は楽しい (ken)
2010-06-07 01:11:18
映画は楽しい,と心から思えた一本でした.リアリティなんか軽く吹っ飛ぶフィクションの王道みたいな感じで.日曜のレイトショウで視て,余韻はキナセで一杯,でありました.

プーチン似の共産党マネージャ,なんとなくWアレンを思わせるユダヤ人のトランペット吹きとか,つまんないトコで喜んでみてました.
返信する
◇ ken さんへ (nikidasu)
2010-06-07 19:52:31
>プーチン似の共産党マネージャ,なんとなくWアレンを思わせる
ユダヤ人のトランペット吹きとか

そういった細かいところで勝手に面白がるのも映画の楽しみですよね。

それにしても映画を見た後で一杯、ということがなかなか出来てません。

思えば香林坊に映画館が10数館あった頃は、見る映画にも、
一杯をやりに行く飲み屋にも事欠かなかったのですが…。
まったく、ウ~ムであります。
返信する

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。