さいとうゆたか法律事務所 解雇ブログ

さいとうゆたか法律事務所(新潟市中央区東中通1番町86-51東中通ビル5階、電話025-211-4854)のブログです。

解雇無効はいつまで主張することができるか

2013-01-12 13:59:12 | 解雇の手続き
 解雇が無効であれば、労働者はその会社の従業員であり続けます。労働者が期間の定めのない契約により雇用されている場合、理屈上は、無効な解雇をされた労働者は少なくとも定年になるまでは解雇の無効及び自分がその会社の従業員であることを主張し得るはずです。

しかし、裁判例上は、信義則上、長期間経過後は解雇無効を主張しえないとされることがあります。菅野和夫著「労働法 第7版補正2版」425ページによると、解雇から2年数ケ月経過後は無効を主張しえないとしたもの、8年経過後でも主張しうるとしたものがあるようです。おそらく、解雇後の期間だけではなく、解雇無効を主張することができなかった事情等を考慮し総合的に判断がなされる問題かと思います。

解雇直後はショックやら何やらですぐに裁判等の行動に移ることは難しいでしょう。しかし、なるべく早く訴訟をした方が良いことは間違いありません。行動が遅れると、解雇無効の主張自体はできても、説得力が失われることになります。また、賃金請求権が2年で時効となることには留意すべきでしょう。

解雇、その他の労働問題でお悩みの方は当新潟合同法律事務所の弁護士(新潟県弁護士会所属)にご相談下さい。まずはお電話(025-245-0123)かメールなさってください。

弁護士 齋  藤  裕(新潟県弁護士会所属)

弁護士が解雇について解説する新潟合同法律事務所 解雇ブログのトップに行くにはこちらをクリックしてください。

解雇理由の証明書

2013-01-05 13:30:42 | 解雇の手続き
 使用者が労働者を解雇する場合、労働者の求めに応じ解雇理由の証明書を発行しなければなりません(労働基準法22条)。

ポイントは労働者が請求しなければ発行義務がないことです。ですから解雇に納得がいかない労働者としては必ず解雇理由の証明書の発行を求めるべきでしょう。

解雇理由の証明書があれば、使用者が後付の解雇理由を主張することが困難になります。解雇理由の証明書にAという理由が記載されていても、後で訴訟等において使用者がBという解雇理由を主張することは禁止されてはいません。しかし、当初Aを解雇理由として記載していたのであれば、後からBという解雇理由を主張しても説得力を持たなくなるとは言えるでしょう。そのような意味で解雇理由の証明書は発行してもらうべきなのです。

解雇理由は「就業規則○×条に該当する」という程度ではダメで、なぜその条項に該当すると言えるのかまで書かないといけないとされています。労働者としてはトコトン具体的な記載を求めるべきでしょう。

解雇、その他の労働問題でお悩みの方は当新潟合同法律事務所の弁護士(新潟県弁護士会所属)にご相談下さい。まずはお電話(025-245-0123)かメールなさってください。

弁護士 齋  藤  裕(新潟県弁護士会所属)

弁護士が解雇について解説する新潟合同法律事務所 解雇ブログのトップに行くにはこちらをクリックしてください。

就業規則と解雇

2013-01-04 16:06:59 | 就業規則と解雇
平成15年に労働基準法が改正され、就業規則には「解雇の事由」を記載しなければならなくなりました。

それとの関係で、就業規則に列挙されていない理由による解雇が許されるかどうかが問題となります。

改正前には、就業規則に解雇事由が記載されていても、あくまでも例示でしかなく、それ以外の理由での解雇も許されるという立場をとる学説、裁判例がありました。

しかし、改正後は、サン石油事件判決(札幌高裁平成18年5月11日判決)が特段の事情がない限り就業規則で列挙されていない理由による解雇は許されないとの判断を示しています。菅野和夫教授のような有力な学者も見解を変え就業規則で列挙されていない理由による解雇は許されないとの立場になっています。ですから今後は就業規則に記載されていない理由での解雇は許されないという理解でよいと思います。

解雇、その他の労働問題でお悩みの方は当新潟合同法律事務所の弁護士(新潟県弁護士会所属)にご相談下さい。まずはお電話(025-245-0123)かメールなさってください。

弁護士 齋  藤  裕(新潟県弁護士会所属)

弁護士が解雇について解説する新潟合同法律事務所 解雇ブログのトップに行くにはこちらをクリックしてください。