にわたずみ

松岡永子
日々のことなど

『冥府行―ネキア―』 能楽座

2017-09-05 21:45:35 | 舞台
2017.9.3(日)13:30 大淀町文化会館あらかしホール

(書いてる途中です)

滅多に降りない駅で降りて大淀町まで行ったのは、町立ホールで新作能(パンフレットでは「現代能」となっている)の公演があったから。
ホメロスの『オデュッセイア』、その冥府下りの部分に材を取った『冥府行―ネキア―』。
新作の能というよりは、古代ギリシャの物語を能の形式で上演したもの、という感じがした。
なぜそう感じたのか。
まず、「言語」の優位性の高さ、だろう。
能の詞章は、掛詞やら縁語やら、論理とは違う言葉の音や響きで流れていくことが多いと思う。こんなにはっきりと「言葉の意味」が物語を進めていくことはない。
ふだん聞く謡よりも言葉が聞き取りやすいと思ったのもそのためだろうか(謡っている人の違いもあると思うが)。
他には、これは説明がうまくできないのだが、物語がドライだと思った。日本的な情緒はもっと湿っている感じがする。

『オデュッセイア』って朝帰り亭主の言い訳だよね、という言葉を『オデュッセイア』を読む前に聞いてしまったので、わたしはどうも『オデュッセイア』を英雄の物語として素直に読むことができない。小狡い男のイメージが浮かんでしまうのだ。
有名な物語だからだいたいの内容は知っているが、通読したことはない。今回、予習の意味で該当部分をざっと読んでみた。
予習はしておいて良かったと思った。

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