崖っぷちロー

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ユリイカ「ゲーム実況、そして刺身。」について1

2009-04-29 01:48:24 | ニコニコ動画・ネットとか
先日されたユリイカ4月号は「RPGの冒険」を特集したものであり、ゲームに関心のある人にとって非常に面白そうなものある。それを、今日になってようやく読むことができた。図書館に入るのが遅すぎる

そこで気になったのは、金田淳子「ゲーム実況、そして刺身。 ゲーム実況プレイ動画についての覚書き」という論考。まぁ、論考と言うよりも、ゲーム実況プレイ動画に関する議論をギュッとまとめた記事と言った方がよいかもしれない。コンパクトに7頁ほどにまとめられており、大変読みやすい。

とはいえ、公のメディア(特に雑誌)でのゲーム実況プレイ動画の取り上げられ方としては、今まででは一番大きいかもしれない。また、その雑誌が「ユリイカ」であるというのも価値があるように思う。

さて、金田氏は、この限られた紙面の中で、<問題提起-回答>という形式を繰り返し、実に効果的に議論を展開している。

その中でも面白いのが、なぜ、クリア済みのゲーム実況でも見るのか?あるいは、クリア済みだからこそ好んで見るのか?という問題提起である。

これに対して、金田氏はゲームというメディアの性質に内在的理由を求めている。つまり、ゲームにはインタラクティブ性がある。だから、ゲームではプレイの度に物語が生成される(一回性)。ゆえに、自分のプレイした物語と他人がプレイする物語は異なる。「同じゲームだけど、別の物語だから」面白いとするのである。
なるほど、もっともだろう。
 (私は以前、権利者とゲームの関係から一回性について言及しています。実況プレイ動画に適したゲーム?2)

そして、この<問題提起-回答>の構造の中には、もう一つ別の問題提起が置かれている。
なぜ、「テレビ実況」ではなくて、「ゲーム実況」なのか?
というものである。

上述の文脈の中で、金田氏は、ゲームのインタラクティブ性を浮かび上がらせるために、ゲームとテレビを対比させたのである。しかし、実はこの問題提起それ自体が、非常に面白いのではないかと私には思える。
 (金田氏は「ゲーム実況」という言葉を使っているが、これはゲーム実況プレイ動画のことである。ゆえに、「テレビ実況」も「テレビ実況動画」ということになるだろう。)

つづくユリイカ「ゲーム実況、そして刺身。」について2


***5月5日追記
「しんすけ ユリイカ」で検索される方が多いようなので追記しておきます。
今回と次回のエントリで取り上げたこの金田氏の論考では、「しんすけ」を例として取り上げ、ゲーム実況プレイ動画が持っているゲームの批評性について説明しています。内容的には、アライユキコ氏が米光一成のブログ内で書いたこの記事と同趣旨です。
ゲーム実況で実感する堀井雄二の凄さ

コレに加えて、本論考では最後の2頁で金田氏おすすめのゲーム実況プレイ動画を紹介している。具体的には、はるしげ、しんすけを初めとするゆとり組について。


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