崖っぷちロー

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ゲーム実況プレイ動画の発展2

2008-11-27 02:51:48 | ニコニコ動画・ネットとか
前のエントリの続き。
「えどさん”&ふみいち」さんが、メーカー公認で「実況プレイ動画」を配信するという話。
ラジオの内容のメモを兼ねています。とはいえ、一回聞いただけなので、あやふやw
時間がある時に聞き直して、訂正するかもしれません。

5.メーカー公認「実況プレイ動画」の必要性・長所
 (1)従来型広告の「無駄」
  従来のゲームソフトの広告は、TVCM、雑誌広告などの、
  どちらかといえばマス向けの媒体によるものであった。
  そのため、広告のターゲットとなる人に届けるという点において、効率が非常に悪い。
  多数の消費者に向けて、一方的な広告を押しつけるが、無駄になるという状況。

 (2)従来型広告の「信頼性の低下」
  また、ゲーム雑誌での広告(紹介記事、レビュー記事)などは、
  歩いて程度ターゲットに集中した広告を展開することができるものの、
  製作会社=スパンサーのため、出版業界の不況の中では、
  レビュー記事もいわゆる「提灯記事」になってしまう。
  
  これでは、広告の受け手=潜在的顧客の購買意欲を喚起できなくなっている。
   (ファミ通等の「大きな物語」の衰退。というのは飛躍か?w)
  これは、欠点も積極的に掲載されるネット上の独立系レビューサイト・口コミが
  むしろ信頼されることからも伺える(?)

  そうすると、素人的実況者に、良いところも悪いところも「実況」させることが、
  かえって広告の信頼性を上げる

   (とはいえ、これは実況のやり方にかなり左右されるでしょう)

 (3)従来型広告の情報伝達の限界
  例えば、TVCMであれば数十秒でゲームソフトをピーアールする必要がある。
  これでは、イメージ戦略・ブランド戦略しかできず、消費者が本当に知りたい情報・
  購買意欲を刺激するコアな情報は伝わらない。

  もちろん、ゲーム雑誌であれば情報量は幾分ましにはなるが、紙面の制約上、
  大作・大手製作会社のゲームソフトに頁数が取られてしまい、
  実験作や中小の会社のソフトについては十分な情報が伝わらない。
  また、文字情報・写真情報と動画では、伝えられる情報の質・量が大きく異なる。

  これらの状況を踏まえ、ブロードバンドの普及にともないPV動画やムービー動画の配信
  などが広く行われるようになったが、それでも実際のゲームをプレイした動画とは
  伝えられる情報が異なるでしょう。

  なお、PCゲームであれば、ネットを解してプレイできる「体験版」が
  事前に配布されるケースが増加・一般化してきている。

  プレイできる時間や条件が限定されるなどの制約があるとはいえ、
  近年ではコンシューマー用のソフトでも「体験版」が配信されるようになってきており、
  これからもますます広がっていくものと考えられる。
  そのため、「体験版」を消費者にプレイさせるだけでは伝わりにくい当該ソフトの魅力
  などを如何に伝えるかを考える必要がある。  

  逆に言うと、実況を上手くやれば、
  十分な量の、消費者が本当に欲しい情報・購買意欲を刺激する情報を伝えることができる。

  ただし、メーカー公認「実況プレイ動画」に使用するソフトは、
  必ずしも最新の新作ソフトであるとは限らない。
  ラジオ内でも言及されているように、過去の旧作をプレイさせることで、
  そのソフトの知名度を上げ、ひいては制作会社の知名度・ブランド力を向上させる
  戦略も十分に成り立ちうる。というか、そっちの方が多そう。

 (4)実況によるゲームの魅力の向上 
  端的に言うと、クソゲーでも、実況者の腕によっては極めて面白い「実況プレイ動画」になりうる。
  ゲームの欠点も、つっこみ次第ではゲームの魅力有る長所に化ける。
  
  そもそも、人がゲームをやっているのを横からみて盛り上がるということは、
  リアルの世界でも行われることであり、有る程度普遍的な魅力があると考えられる。        

6.メーカー公認「実況プレイ動画」の短所
 (1)ネタバレ
  一番大きいのはストーリー上の重要な秘密のネタバレでしょう。
  一本道のRPGやノベルゲームでは、かなり痛い問題になる。
 
  他方、アクションゲームや自由度の高いシミュレーションゲーム等であれば、
  ネタバレの危険性・重要性は低くなると考えられる。
  これは、「実況プレイ動画」に向くゲーム/向かないゲームという観点からも問題になる。

   ※追記:実況プレイ動画に適したゲーム?1 を書きました。

 (2)プレイにかかる時間
   一般に、ゲームを一本クリアするためには、数時間~数十時間の時間がかかる。
  編集により大幅にカットをしても、30分番組にすることは極めて難しい。
  (但し、一場面・一部だけをピックアップして、そこを重点的にアピールする
   という形態は考えられる。)

  そのため、地上波で放送することは、時間という観点からも極めて難しい。
  ネット配信であれば、サーバー容量の問題になるので、物理的には克服しやすくなるが、
  なお、視聴者を拘束するという意味での問題は残る。

 (3)コメントの有無
  ピアキャストやなんでも実況での「実況プレイ動画」は、
  リアルタイムでの視聴者のレス(コメント)と、それに対する配信者の反応の積み重ねが、
  面白さの大きな構成要素となる。

  これは、非真性同期(疑似同期)のニコニコ動画においても同様であり、
  実況者の行動や発言に対するコメントでの「つっこみ」や「字幕」等が
  動画の魅力を増加させる大きな要素となる。

  したがって、コメントを付けることが出来ないor手軽に出来ない形態での配信であれば、
  「実況プレイ動画」の価値は減少し、ひいては宣伝効果も減少する。
       
 (4)いわゆる「嫌儲」問題
  某掲示板やニコニコ動画の利用者の中では、一定の無視できない割合で、
  これらのサービスを利用した(あるいはそこから発祥した)コンテンツで
  営利を追求することを極度に忌避・批判する傾向のユーザーが存在する。

  現に、今回の素材となっているラジオ内での商業的発言に対しても、
  「嫌儲」的反応が見られる。
  一歩間違えればブランドイメージが失墜しかねない、極めてデリケートな問題である。

 (5)アンダーグラウンド性の喪失
  「違法だけど隠れてやっている」ことが面白い・魅力であるという視聴者にとっては、
  企業と提携しておおっぴらに「実況プレイ動画」を配信されても、
  その魅力は低く感じられる。

  これは、(4)嫌儲問題と共に、メーカー公認「実況プレイ動画」が成功すればするほど、
  市場が大きくなればなるほど顕在化する問題である。

7.まとめ?
  以上のような長所・短所を持つメーカー公認「実況プレイ動画」であるが、
  私個人としては、「実況プレイ動画」業界が飛躍的に発展する契機になる気がする。
  法的問題という成長阻害要因をクリアできるだけでも十分な意味がありますしね。
  まぁ、今はその試みを見守ることしかできませんが。
  それに、メディアの全般的なパラダイムシフトの一環と言うことになる気もする。

  あと、別の筋になるので軽く触れただけですが、ルーツ氏が開拓した、
  <自作ゲームを自分で実況する>という形態も、
  「実況プレイ動画」史に残る重要性を持っている気がします。
   すでにさんざん指摘されているでしょうけどw  


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