白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

―外房菜園に大和芋を植える!ー

2019年04月20日 | 野菜栽培

先日、外房菜園で初めて大和芋の種イモを植えて来ました。その大和芋、今更珍しくも無いのですが、植え付けの動機となったのは、千葉県では多古町、佐倉市、旭市、香取市が産地として多く栽培されて居り、気候条件や土質的に大和芋の栽培に適しているのではないかと予てから思っていましたし、其れに東京の拙宅の至近距離にある区民農園の僅か15平米の一区画で、毎年「山の芋」だけを作り続けている方が居られるのを見ていたからです。

 

―千葉県多古町産大和芋―Web画像より

その方に直接会って伺った話では、種イモを「ムカゴ」から育てたと言い、毎年少しずつ大きくなり、芋が食べられるようになってからは、その上部を程よい高さで切り取っては次の年の種イモにして植え付けて来たのであり、それが段々増えて今では区画一杯に数十本以上植え付ける事になったと言うのです。

大切なのは毎年、手作りの有機配合肥料による基肥と追肥であり、次は高さ1、2メートル程の高さで格子状に棒を組み上げて周囲の区画の方に迷惑とならないように支柱建てをすると言います。言われてみれば成程、余り手数の掛からない省エネ栽培であり、これは面白いと思って自ら育てる事にしたのです。

其の「山の芋」、「里の芋」と並び称せられている滋味豊かな作物であり、其の歴史は大変古く、有史前から栽培されて来たと言われています。其の原産地、アフリカ・熱帯アジア・ラテンアメリカ・西インド諸島にかけての広い地域から広がり、今日も当該地域では「ヤム芋」と呼ばれ主食として多く栽培されています。

其の「ヤム芋」の種類の中にあって、日本では昔から野生種が山野に自生し、山中から掘り取り採食されて来たのが日本原産と言う、皆さんが良くご存知の自然薯(じねんじょ)であり、一説では其の「山芋」から栽培種として固定されたのが「長芋」ではないかと言われています。

それで日本で一般に言う「山の芋」は今尚野生種として区別される自然薯(じねんじょ)、栽培種として固定されたと言う長芋、渡来種が元祖とされて居る大和芋(その形状から銀杏芋とも言う)、同じく根部が球形となる「ツクネ芋」の4種とされています。

 

―これがつくね芋の姿―ネット画像より

扨て、其の「山の芋」、最近注目を集めて人気が高くなっている理由は、世界的に認知され始めているとも言える、中国伝統医学から出発した薬食同源とする食養生コンセプトであり、其処から生まれた「薬膳料理」の食材としての山の芋の持つ優れた薬理効果であります。

今や世界一を誇る長寿国の日本人の関心の的は、ピンピンコロリと称される老醜をさらす事の無い天寿願望であり、加えては心身の諸機能をコントロールする脳組織の老化が原因で発症すると言う 「認知症」の予防であります。

実は中国では昔から「山の芋」は 「山薬」と呼ばれて疾病予防・諸症状改善効果の高い漢方薬の大切な配合成分として利用されて来たのであり、それから明らかにされたのが 「山の芋」に含まれて居ると言う、植物性ステロール 「ジオスゲニン」と言う物質であり、認知症の発症原因物質である脳内に蓄積する「アミロイドβ」の除去に効果がある事が、最近の研究から実証されたからです。

この話の日本での経緯、既にご存知の方も多いと思いますが、2012年、富山大学和漢医薬学総合研究所東田千尋教授らのグループが、アルツハイマー病のモデル動物を用いて、脳中のアルツハイマー型認知症の原因物質であるアミロイドβの増加を抑え、神経細胞の情報伝達を担っている軸索や前シナプスの変性を改善する効果が、ジオスゲニンにはあると発表されて注目を浴びたのが始まりです。

 

―ヤム芋は様々な薬効がある植物性エストロゲン含有素材と言う!―WebImages

そうした発表に素早く反応したのがサプルメント業界であり、今では吃驚する程の高価な市販品ジオスゲニンサプルメントが多く見当たります。

しかし、本来は薬食同源の考え方から始まった健康効果を高める食材の働きであり、含まれる微量成分を濃縮し、濃度を高めて一度に多く摂取すれば効力が高められて薬剤となるとするのは、西洋医学的な薬物観であり、東洋医学の天然物を薬とする本草学での薬物認識は、多くが他成分との配合によって生まれる相乗相補性作用にあり、濃縮単独成分の薬効と必ずしも同列に置いて捉えるべきでは無いと思います。

今般明らかにされた 「山の芋」に含まれる薬理作用、食物に含まれている微量な成分がもたらす栄養効果であり、何故素直に薬膳食材として直接利用を、先ず第一に考えないのか一寸不思議に思われ納得し兼ねます。

 その山の芋は種芋を地に下すと、種芋の成分を全て吸い上げて先ず弦を伸ばして新葉を展開し、やがて光合成による栄養成分を根茎に蓄積して行くようになり、其の結果が新たに栄養成分を含む根茎が形成されて収穫対象となるのです。

毎年、其の根茎に蓄積された栄養分いっぱいの大きく肥大した根茎の堀上げて収穫し、上部の一部を切って残し、次の年も同じように種芋にして育てるのが山芋栽培であり、そんな自然の営みの当然の摂理に叶った山芋栽培、忠実な本来農耕の有るべき姿であり、今般植え付けて来た大和芋、3等分に切り分けての植え付けでしたが、そんな栄養繁殖の持つ意味をしっかり受け留めて、誰もが農園活動を大切にする本質を理解頂けたらと思います。

 

―麦とろは日本古来からのヘルシー食です!―ネット画像より

繰り返しになりますが山の芋は、中国では山薬と呼ばれ、紀元前より本草学の分類では上品の生薬として取り扱われ、多くの漢方薬に配合されて来た歴史があります。

これからは、容易に栽培できる山芋の一種の大和芋にの含まれている貴重な微量薬効成分で大いに元気になり、認知症の予防食材としての自らの健康に大きく寄与する家庭菜園での重要な栽培作物とされる事を期待しています。

もし、多くの老人が自ら育てた山の芋を日常的に食して営気を養い、農作物園芸活動に各々取り組めば、これからの高齢化社会の地域活性化にも大いに寄与してぴんぴんコロリも実現できるのであり、そうした普及活動を切望してやみません。

参照広報PDF版: https://www.u-toyama.ac.jp/outline/publicity/pdf/2017/1025.pdf

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