Missing link in Parkinson's disease found: Discovery also has implications for heart failure
April 25, 2013
https://www.sciencedaily.com/releases/2013/04/130425142357.htm
(マウスの心臓(灰色)は、Mfn2を喪失しているために心不全の徴候を示している
Mfn2は不健康なミトコンドリアを細胞から選び取るプロセスにおいて新たに同定された鍵となる分子である
灰色のマウス心臓の画像に色付きで重ねられているのはショウジョウバエの心臓、heart tubeである
heart tubeも心不全の徴候を示しているが、これはパーキンの喪失によるものである
これらの心不全に関与する分子はパーキンソン病でも役割を演じる
Credit: Gerald W. Dorn II, MD)
ワシントン大学セントルイス校医学部の研究者は、細胞の発電所ことミトコンドリアへのダメージがどのようにしてパーキンソン病につながるのかを理解するためのミッシング・リンクについて説明する
そして驚くべきことに、ミトコンドリアの欠陥は特定のタイプの心不全にもつながるのだという
ミトコンドリアは細胞が多くの仕事を実行するために必要なエネルギーを製造する工場である
そして心臓と脳は形状も機能もまったく異なる組織だが、莫大なエネルギーが必要だという決定的な特徴が共通する
マウスとショウジョウバエの心臓の研究から、研究者はマイトフュージン2/mitofusin 2 (Mfn2) というタンパク質が、ミトコンドリアの品質を管理する一連のイベントにおいて長らく探し求められてきたミッシング・リンクであることを発見した
Science誌の2013年4月26日号で発表される今回の研究結果は、これまで知られていたパーキンソン病と心不全との間の疫学的な関連についていくらかの説明となるだろう
「もしあなたがパーキンソン病なら心不全を起こすリスクが2倍以上高く、心不全で死ぬリスクは50パーセント高い」
首席著者senior authorのGerald W. Dorn II, MDは言う
「このことはそれらの間に何らかの関連があることを示唆する
今回我々はこの両者をつなげる根本的なメカニズムを突き止めた」
心筋細胞と脳のニューロンは莫大な数のミトコンドリアを持ち、そしてそれは厳密に監視されなければならない
もし壊れたミトコンドリアが蓄積するのを放置するとそれは燃料を作ることを止めるだけでなく、燃料を消費して細胞に有害な分子を作り出す
このダメージが生じた臓器次第で最終的にパーキンソン病または心不全が起きる可能性がある
しかし大体の場合most of the time、健康な細胞では品質管理システムが損傷したり機能しないミトコンドリアを突き止めて、確実make sureに除去されるようにする
過去15年にわたって科学者たちはこの品質管理システムの多くについて記述してきており、
一連のイベント連鎖の最初と最後はどちらも十分に理解されている
そして2006年になるまで、科学者たちはイベントの中間部分を明らかにすべく研究を続けてきた
この部分は謎が多く、病的なミトコンドリアの内部環境から細胞のミトコンドリア以外の部分に対して「このミトコンドリアは壊す必要がある」と通信できるようにするのである
「これは大きな疑問だった」
Dornは言う
「科学者たちはこの中間部分をブラックボックスとして描いてきた
このミトコンドリア内部からの自己破壊シグナルは、どのようにして周囲の細胞の遠く離れたタンパク質と通信して、破壊の実行を指揮させるのか?」
「私の知る限り、マイトフュージン2の突然変異をパーキンソン病と結びつけた人は誰もいない」
Dornは言う
マイトフュージン2はミトコンドリア同士の融合に関与することが知られており、そうしてミトコンドリアは一種の原始的な有性生殖sexual reproductionとしてミトコンドリアDNAを交換するのかもしれない
「マイトフュージンは小さなマジックテープ/Velcro loopのように見える」
Dornは言う
「マイトフュージンはミトコンドリア外膜の融合を助け、マイトフュージン1とマイトフュージン2はミトコンドリア融合に関してはほとんど同じことをする
しかし我々が発見したのは、マイトフュージン2だけのまったく新しい機能だ」
ミトコンドリアの品質管理システムは、Dornが『デッドマン・スイッチ』と呼ぶ箇所から始まる
「ミトコンドリアが生きていれば、それはきちんと働いてスイッチを抑えた状態に維持し、自己破壊を防ぐようにする」
きちんと働いているミトコンドリアはPINKという分子を運び入れて、そのPINKを破壊する
しかしミトコンドリアが機能しなくなるとPINKを破壊できなくなり、PINKのレベルが上昇し始める
そこに今回Dornたちが明らかにした『ミッシング・リンク』の出番である
PINKのレベルが十分に高くなると、それはミトコンドリアの表面に存在するマイトフュージン2にリン酸基という化学的な変化を付け加える
そしてリン酸化されたミトコンドリア表面のマイトフュージン2には、普段は周囲の細胞質に浮いているパーキンという分子が結合できるようになる
パーキンがマイトフュージン2に結合すると、パーキンは「ミトコンドリアを破壊せよ」というラベルを付ける
このラベルが細胞内の特別な区画を引き寄せ、壊れたミトコンドリアを『食べ』て破壊させるのである
この品質管理システムquality-control systemのつながりが適切に機能する限り、細胞の損傷したパワープラントは除去され、正常なものが入れるように道をあける
「しかし、もしあなたのPINKかパーキンに突然変異があると、あなたはパーキンソン病になる
パーキンソン病の約10パーセントがPINKかパーキン、または他の遺伝子の突然変異が原因であることがわかっている」
Dornによると、今回発見されたマイトフュージン2とPINK/パーキンの関係の発見は、新たな遺伝性パーキンソン病の理解への扉を開くという
そしてそれはパーキンソン病と心不全の診断の改善を助けるかもしれないという
「私が考えるに、研究者はこれまでの既知の変異で説明できない遺伝性パーキンソン病を詳しく調べることになるだろう」
Dornは言う
「マイトフュージン2の機能喪失変異を探せば、おそらく彼らは何かを発見するはずだ」
Dornたちは既に、特定の家族性心不全を説明するように思われるマイトフュージン2の突然変異を検出している
この心不全では心臓の筋肉がだんだん弱っていき、全身への血流が損なわれる
Dornは心不全でもPINKとパーキンの突然変異を探す価値があると推測している
「この場合、心臓は我々にパーキンソン病について教えてくれている
しかし我々はパーキンソン病の心臓病との類似性analogyについても説明してきたのかもしれない」
Dornは言う
「このミトコンドリアの品質管理の一連のプロセスは心臓の専門家にとっては比較的『小さい』分野でしかないが、徐々に関心を集めている」
http://dx.doi.org/10.1126/science.1231031
PINK1-Phosphorylated Mitofusin 2 Is a Parkin Receptor for Culling Damaged Mitochondria.
PINK1によってリン酸化されたマイトフュージン2はパーキン受容体であり、損傷したミトコンドリアの選択cullingに必要である
パーキンはどこに駐車するのか
Where Parkin Parks
損傷したミトコンドリアはマイトファジーmitophagyというプロセスによって除去される
この品質管理メカニズムの失敗がパーキンソン病の一因である
損傷したミトコンドリアが膜電位を失うと、PINK1というキナーゼがミトコンドリア表面に蓄積してパーキンをリクルートし、マイトファジーを促進する
※元の記述では「ミトコンドリア膜の脱分極depolarizationを失うと」となっている。Abstractでは逆のことが書かれているので、おそらくこれは「膜電位membrane potentialを失うと」と書きたかったのではないかと思われる(ミトコンドリアが膜電位を失う/脱分極する→パーキンがリクルートされる)
今回Dornたちはこのプロセスのもう一つの要素、マイトフュージン2について記述する
マイトフュージン2は損傷したミトコンドリアの表面上でパーキンの『受容体receptor』として機能するようである
Abstract
老化したり損傷したミトコンドリアは選択的なマイトファジーにより消去され、そしてこの除去はパーキンソン病の2つの要素を必要とするメカニズムを通じて起きる
すなわち、ミトコンドリアのキナーゼであるPINK1と、細胞質に存在するユビキチンリガーゼのパーキンである
※PINK1: PTEN-induced putative kinase protein 1
PINKとパーキンの相互作用の性質、そして損傷したミトコンドリアにパーキンを向かわせるそれら2つの要素の正体/本体identityは不明である
我々はミトコンドリア外膜のグアノシントリホスファターゼ/guanosine triphosphatase(GTPアーゼ)であるマイトフュージン2(Mfn2)が 損傷したミトコンドリアへのパーキンのリクルートを仲介することを示す
パーキンは、PINK1依存的なやり方でMfn2に結合する
PINK1がMfn2をリン酸化し、そこへパーキンが結合して、パーキンを介するユビキチン化が促進される
マウスの心臓の筋細胞myocyteにおいてMfn2を除去すると、
『脱分極によって誘発されるミトコンドリアへのパーキンのトランスロケーションdepolarization-induced translocation of Parkin to the mitochondria』が阻害されて、マイトファジーが抑制される
Mfn2を欠損するマウスの胚性の線維芽細胞/心筋細胞、ならびにパーキンを欠くショウジョウバエの心血管heart tubeにおいて、形態的・機能的に異常なミトコンドリアの蓄積は呼吸の機能不全を誘発し、拡張型心筋症dilated cardiomyopathyを引き起こす
※heart tube: ショウジョウバエの心臓はheart tubeと呼ばれ、管のような形状をしている
ゆえに、Mfn2はミトコンドリアにおけるパーキンの受容体として機能し、心臓のミトコンドリアの品質管理に必要である
<コメント>
PINK1─(リン酸化)→マイトフュージン2→細胞質のパーキンがミトコンドリアにリクルートされる→欠陥ミトコンドリア除去
関連記事
http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/a8282b7beb5c1a554fad7090b09bdf8b
PINK1はパーキンをリクルートして活性化し、Snx9をプロテオソームで分解させて自己免疫を防ぐ
関連記事
http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/316ad3e3c5a33ccc052a826727ddc327
ショウジョウバエのpink1とparkinはマイトフュージンの分解を助け、ERストレスを予防する
関連記事
https://www.sciencedaily.com/releases/2014/03/140327222452.htm
パーキンはPINK1依存的なユビキチン様ドメインとユビキチン両方のセリン65リン酸化によって活性化される
April 25, 2013
https://www.sciencedaily.com/releases/2013/04/130425142357.htm
(マウスの心臓(灰色)は、Mfn2を喪失しているために心不全の徴候を示している
Mfn2は不健康なミトコンドリアを細胞から選び取るプロセスにおいて新たに同定された鍵となる分子である
灰色のマウス心臓の画像に色付きで重ねられているのはショウジョウバエの心臓、heart tubeである
heart tubeも心不全の徴候を示しているが、これはパーキンの喪失によるものである
これらの心不全に関与する分子はパーキンソン病でも役割を演じる
Credit: Gerald W. Dorn II, MD)
ワシントン大学セントルイス校医学部の研究者は、細胞の発電所ことミトコンドリアへのダメージがどのようにしてパーキンソン病につながるのかを理解するためのミッシング・リンクについて説明する
そして驚くべきことに、ミトコンドリアの欠陥は特定のタイプの心不全にもつながるのだという
ミトコンドリアは細胞が多くの仕事を実行するために必要なエネルギーを製造する工場である
そして心臓と脳は形状も機能もまったく異なる組織だが、莫大なエネルギーが必要だという決定的な特徴が共通する
マウスとショウジョウバエの心臓の研究から、研究者はマイトフュージン2/mitofusin 2 (Mfn2) というタンパク質が、ミトコンドリアの品質を管理する一連のイベントにおいて長らく探し求められてきたミッシング・リンクであることを発見した
Science誌の2013年4月26日号で発表される今回の研究結果は、これまで知られていたパーキンソン病と心不全との間の疫学的な関連についていくらかの説明となるだろう
「もしあなたがパーキンソン病なら心不全を起こすリスクが2倍以上高く、心不全で死ぬリスクは50パーセント高い」
首席著者senior authorのGerald W. Dorn II, MDは言う
「このことはそれらの間に何らかの関連があることを示唆する
今回我々はこの両者をつなげる根本的なメカニズムを突き止めた」
心筋細胞と脳のニューロンは莫大な数のミトコンドリアを持ち、そしてそれは厳密に監視されなければならない
もし壊れたミトコンドリアが蓄積するのを放置するとそれは燃料を作ることを止めるだけでなく、燃料を消費して細胞に有害な分子を作り出す
このダメージが生じた臓器次第で最終的にパーキンソン病または心不全が起きる可能性がある
しかし大体の場合most of the time、健康な細胞では品質管理システムが損傷したり機能しないミトコンドリアを突き止めて、確実make sureに除去されるようにする
過去15年にわたって科学者たちはこの品質管理システムの多くについて記述してきており、
一連のイベント連鎖の最初と最後はどちらも十分に理解されている
そして2006年になるまで、科学者たちはイベントの中間部分を明らかにすべく研究を続けてきた
この部分は謎が多く、病的なミトコンドリアの内部環境から細胞のミトコンドリア以外の部分に対して「このミトコンドリアは壊す必要がある」と通信できるようにするのである
「これは大きな疑問だった」
Dornは言う
「科学者たちはこの中間部分をブラックボックスとして描いてきた
このミトコンドリア内部からの自己破壊シグナルは、どのようにして周囲の細胞の遠く離れたタンパク質と通信して、破壊の実行を指揮させるのか?」
「私の知る限り、マイトフュージン2の突然変異をパーキンソン病と結びつけた人は誰もいない」
Dornは言う
マイトフュージン2はミトコンドリア同士の融合に関与することが知られており、そうしてミトコンドリアは一種の原始的な有性生殖sexual reproductionとしてミトコンドリアDNAを交換するのかもしれない
「マイトフュージンは小さなマジックテープ/Velcro loopのように見える」
Dornは言う
「マイトフュージンはミトコンドリア外膜の融合を助け、マイトフュージン1とマイトフュージン2はミトコンドリア融合に関してはほとんど同じことをする
しかし我々が発見したのは、マイトフュージン2だけのまったく新しい機能だ」
ミトコンドリアの品質管理システムは、Dornが『デッドマン・スイッチ』と呼ぶ箇所から始まる
「ミトコンドリアが生きていれば、それはきちんと働いてスイッチを抑えた状態に維持し、自己破壊を防ぐようにする」
きちんと働いているミトコンドリアはPINKという分子を運び入れて、そのPINKを破壊する
しかしミトコンドリアが機能しなくなるとPINKを破壊できなくなり、PINKのレベルが上昇し始める
そこに今回Dornたちが明らかにした『ミッシング・リンク』の出番である
PINKのレベルが十分に高くなると、それはミトコンドリアの表面に存在するマイトフュージン2にリン酸基という化学的な変化を付け加える
そしてリン酸化されたミトコンドリア表面のマイトフュージン2には、普段は周囲の細胞質に浮いているパーキンという分子が結合できるようになる
パーキンがマイトフュージン2に結合すると、パーキンは「ミトコンドリアを破壊せよ」というラベルを付ける
このラベルが細胞内の特別な区画を引き寄せ、壊れたミトコンドリアを『食べ』て破壊させるのである
この品質管理システムquality-control systemのつながりが適切に機能する限り、細胞の損傷したパワープラントは除去され、正常なものが入れるように道をあける
「しかし、もしあなたのPINKかパーキンに突然変異があると、あなたはパーキンソン病になる
パーキンソン病の約10パーセントがPINKかパーキン、または他の遺伝子の突然変異が原因であることがわかっている」
Dornによると、今回発見されたマイトフュージン2とPINK/パーキンの関係の発見は、新たな遺伝性パーキンソン病の理解への扉を開くという
そしてそれはパーキンソン病と心不全の診断の改善を助けるかもしれないという
「私が考えるに、研究者はこれまでの既知の変異で説明できない遺伝性パーキンソン病を詳しく調べることになるだろう」
Dornは言う
「マイトフュージン2の機能喪失変異を探せば、おそらく彼らは何かを発見するはずだ」
Dornたちは既に、特定の家族性心不全を説明するように思われるマイトフュージン2の突然変異を検出している
この心不全では心臓の筋肉がだんだん弱っていき、全身への血流が損なわれる
Dornは心不全でもPINKとパーキンの突然変異を探す価値があると推測している
「この場合、心臓は我々にパーキンソン病について教えてくれている
しかし我々はパーキンソン病の心臓病との類似性analogyについても説明してきたのかもしれない」
Dornは言う
「このミトコンドリアの品質管理の一連のプロセスは心臓の専門家にとっては比較的『小さい』分野でしかないが、徐々に関心を集めている」
http://dx.doi.org/10.1126/science.1231031
PINK1-Phosphorylated Mitofusin 2 Is a Parkin Receptor for Culling Damaged Mitochondria.
PINK1によってリン酸化されたマイトフュージン2はパーキン受容体であり、損傷したミトコンドリアの選択cullingに必要である
パーキンはどこに駐車するのか
Where Parkin Parks
損傷したミトコンドリアはマイトファジーmitophagyというプロセスによって除去される
この品質管理メカニズムの失敗がパーキンソン病の一因である
損傷したミトコンドリアが膜電位を失うと、PINK1というキナーゼがミトコンドリア表面に蓄積してパーキンをリクルートし、マイトファジーを促進する
※元の記述では「ミトコンドリア膜の脱分極depolarizationを失うと」となっている。Abstractでは逆のことが書かれているので、おそらくこれは「膜電位membrane potentialを失うと」と書きたかったのではないかと思われる(ミトコンドリアが膜電位を失う/脱分極する→パーキンがリクルートされる)
今回Dornたちはこのプロセスのもう一つの要素、マイトフュージン2について記述する
マイトフュージン2は損傷したミトコンドリアの表面上でパーキンの『受容体receptor』として機能するようである
Abstract
老化したり損傷したミトコンドリアは選択的なマイトファジーにより消去され、そしてこの除去はパーキンソン病の2つの要素を必要とするメカニズムを通じて起きる
すなわち、ミトコンドリアのキナーゼであるPINK1と、細胞質に存在するユビキチンリガーゼのパーキンである
※PINK1: PTEN-induced putative kinase protein 1
PINKとパーキンの相互作用の性質、そして損傷したミトコンドリアにパーキンを向かわせるそれら2つの要素の正体/本体identityは不明である
我々はミトコンドリア外膜のグアノシントリホスファターゼ/guanosine triphosphatase(GTPアーゼ)であるマイトフュージン2(Mfn2)が 損傷したミトコンドリアへのパーキンのリクルートを仲介することを示す
パーキンは、PINK1依存的なやり方でMfn2に結合する
PINK1がMfn2をリン酸化し、そこへパーキンが結合して、パーキンを介するユビキチン化が促進される
マウスの心臓の筋細胞myocyteにおいてMfn2を除去すると、
『脱分極によって誘発されるミトコンドリアへのパーキンのトランスロケーションdepolarization-induced translocation of Parkin to the mitochondria』が阻害されて、マイトファジーが抑制される
Mfn2を欠損するマウスの胚性の線維芽細胞/心筋細胞、ならびにパーキンを欠くショウジョウバエの心血管heart tubeにおいて、形態的・機能的に異常なミトコンドリアの蓄積は呼吸の機能不全を誘発し、拡張型心筋症dilated cardiomyopathyを引き起こす
※heart tube: ショウジョウバエの心臓はheart tubeと呼ばれ、管のような形状をしている
ゆえに、Mfn2はミトコンドリアにおけるパーキンの受容体として機能し、心臓のミトコンドリアの品質管理に必要である
<コメント>
PINK1─(リン酸化)→マイトフュージン2→細胞質のパーキンがミトコンドリアにリクルートされる→欠陥ミトコンドリア除去
関連記事
http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/a8282b7beb5c1a554fad7090b09bdf8b
PINK1はパーキンをリクルートして活性化し、Snx9をプロテオソームで分解させて自己免疫を防ぐ
関連記事
http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/316ad3e3c5a33ccc052a826727ddc327
ショウジョウバエのpink1とparkinはマイトフュージンの分解を助け、ERストレスを予防する
関連記事
https://www.sciencedaily.com/releases/2014/03/140327222452.htm
パーキンはPINK1依存的なユビキチン様ドメインとユビキチン両方のセリン65リン酸化によって活性化される