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アルツハイマー病の『ミッシング・リンク』が発見される

2016-10-08 06:06:52 | 
Alzheimer's 'missing link' found: Promising target for new drugs

September 4, 2013

https://www.sciencedaily.com/releases/2013/09/130904130328.htm


(イェール大学の科学者は既存の薬剤でタンパク質を阻害することによりアルツハイマー病を模した脳障害を持つマウスの記憶を回復できることを発見した

Credit: Image courtesy of Yale University)

イェール大学医学大学院/Yale School of Medicineの研究者はアルツハイマー病につながる複雑な一連のイベントの中で見つかっていなかった『ミッシング・リンク』となるタンパク質を発見し、Neuron誌の2013年9月4日号で報告した
また、彼らは既存の薬剤でそのタンパク質を阻害することによりアルツハイマー病を模した脳の障害を持つマウスの記憶を回復できることも発見した

「今回の発見がとてもエキサイティングなのは、一連の分子的なつながりの中でこのタンパク質が非常に簡単に薬剤の標的になるかもしれないということだ」
神経学の教授職Vincent Coates Professorで首席著者のStephen Strittmatterは言う

「このことは、実際に作用してアルツハイマー病の負荷を軽くする薬剤を見つけられるかもしれないという強い希望を我々にもたらす」


科学者たちは既にアルツハイマー病がどのようにして脳細胞を破壊するのかについての分子的な概略図を、部分的にではあるが提供してきた
Strittmatterのラボは以前の研究で、アルツハイマー病の特徴であるアミロイドベータのペプチドが、ニューロン表面上のプリオンタンパク質/prion protein(PrP)と結合することを示していた
この結合がFynキナーゼという細胞内の分子的なメッセンジャーを活性化させるが、そのプロセスは未知のままだった

今回のNeuron誌の論文でイェールのチームは一連のイベント中のミッシング・リンクとして、細胞膜に埋め込まれた代謝調節型の受容体metabotropic receptorの一つである『代謝型グルタミン酸受容体5/metabotropic glutamate receptor 5(mGluR5)』を明らかにした

※受容体は『代謝調節型受容体/metabotropic receptor』と『イオンチャネル型受容体/ionotropic receptor』に大きく分類される

脆弱X症候群/Fragile X syndromeのために開発された薬剤と似た化合物でこのタンパク質を阻害すると、アルツハイマー病マウスモデルの記憶と学習の障害、シナプス密度は回復した


Strittmatterは、アミロイドベータ-プリオンとmGluR5の分断disruptionをヒトのアルツハイマー病の症例で正確に標的とするには、新たな薬剤を設計しなければならないかもしれないことを強調する
彼のラボは既にそれを達成すべく新たな方法を探索し始めたところである


http://dx.doi.org/10.1016/j.neuron.2013.06.036
Metabotropic Glutamate Receptor 5 Is a Coreceptor for Alzheimer Aβ Oligomer Bound to Cellular Prion Protein.
代謝型グルタミン酸受容体5は、細胞プリオンタンパク質と結合したアルツハイマー病Aβオリゴマーの共レセプターである

Highlights
・シナプス後肥厚部/postsynaptic density(PSD)の細胞膜貫通タンパク質の内、mGluR5だけが、アミロイドベータオリゴマー(Aβo)と細胞プリオンタンパク質(PrPC)の複合体をFynキナーゼへとつなぐcouple
・mGluR5は Aβo-PrPC をカルシウムシグナル伝達ならびにタンパク質翻訳制御へとつなぐlink
・アルツハイマー病の脳の抽出物によって誘発されるニューロンカルシウムの調節異常dysregulationには、PrPC-mGluR5を必要とする
・トランスジェニックマウスの記憶障害ならびにシナプス喪失はmGluR5アンタゴニストによって覆される


Summary
可溶性のアミロイドベータオリゴマー/soluble amyloid-β oligomers (Aβo) はアルツハイマー病の病態生理pathophysiologyを引き起こし、細胞プリオンタンパク質/cellular prion protein (PrPC) に高い親和性で結合する

シナプス後肥厚部/postsynaptic density (PSD) では、脂質に固定されたlipid-anchored細胞プリオンタンパク質に対して細胞外のAβoが結合し、細胞内のFynというキナーゼを活性化してシナプスを破綻disruptさせる

Aβo-PrPCをFynへとつなげる能力に関して、細胞膜を貫通するPSDタンパク質を異種由来heterologously的にスクリーニングしたところ、
代謝型グルタミン酸受容体5/metabotropic glutamate receptor 5(mGluR5)を共に発現させた場合のみ、PrPCと結合したAβoがFynを活性化できるようになった

PrPCとmGluR5は物理的に相互作用し、細胞質のFynはmGluR5と複合体を形成する

ニューロンならびにアフリカツメガエル属Xenopusの卵母細胞において、Aβo-PrPCはmGluR5を介して細胞内カルシウムを増大させる
また、前者はヒトアルツハイマー病の脳抽出物によっても促進されたdriven

加えて、Aβo-PrPC-mGluR5複合体によるシグナル伝達は、eEF2のリン酸化ならびに樹状突起棘dendritic spineの喪失を仲介する

家族性アルツハイマー病導入遺伝子transgeneを発現するトランスジェニックマウスに関して、mGluR5への拮抗antagonismは学習障害、記憶障害、シナプス密度の低下を覆す

したがって、ニューロン表面上のAβo-PrPC複合体はmGluR5を活性化してニューロン機能を破綻させる


Rusults
▼mGluR5はAβoには結合しないが、物理的にPrPCとFynとは結合する

▼Aβoによって培養ニューロンに誘発される急速なカルシウムシグナルにはmGluR5とPrPCが必要である
mGluR5のアンタゴニストであるMPEPとMTEPは、AD脳抽出物による反応を阻害した (Figure 4I)
対照的に、mGluR1のアンタゴニストであるMPMQは、AD脳抽出物による反応を阻害しなかった (Figure 4I)

MPEP: 2-Methyl-6-(phenylethynyl)pyridine
MTEP: 3-((2-Methyl-4-thiazolyl)ethynyl)pyridine


Discussion
▼mGluRの特異性と局在
mGluR受容体の内、mGluR1とmGluR5だけがFyn・PrPCと相互作用するが、特にmGluR5だけがAβoによって誘発されるFyn刺激ならびにカルシウムシグナル伝達を仲介する


▼AD治療でmGluR5を標的にする
Aβo-PrPC-mGluR5-Fyn経路という図式delineationは、AD介入への潜在的な標的をもたらす
AβoがPrPCに結合するのを阻害する抗体は、トランスジェニックADマウスの記憶障害を覆す (Chung et al., 2010)
我々はmGluR5のネガティブなアロステリック調節因子が同様の効果を持つことを示した
しかしながら、完全にmGluR5と拮抗antagonismさせることは、ニューロンの機能に対して有害な影響があるかもしれず、基礎的な注意力baseline attentionに障害を生じる可能性がある (Lüscher and Huber, 2010, Simonyi et al., 2010)



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