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VLDLを調節するタンパク質はミリスチン酸で活性化する

2016-06-20 06:06:52 | 代謝
Damage to Tiny Liver Protein Function Leads to Heart Disease, Fatty Liver

June 10, 2016

https://www.sciencedaily.com/releases/2016/06/160610140704.htm

セントラルフロリダ大学(UCF)医学部の研究者は、肝臓のタンパク質の一つが乱されるとアメリカの死因の第一位である心血管疾患や、脂肪肝疾患につながることを初めて明らかにした
脂肪肝疾患は肝臓癌の前兆precursorである
そしてこのタンパク質の繊細な仕組みmechanicsを無力化する主犯the chief culpritは、赤身肉やバターに含まれている脂肪酸だという
今回のShadab Siddiqi博士による発見は、Journal of Biological Chemistry誌の6月10日版のカバーストーリー(表紙と関連する特集記事)になっている

医学部の生物医科学バーネットスクールで助教授であるSiddiqiの研究の焦点は、超低密度リポタンパク質(VLDL)の肝臓による分泌を調節することによってどのようにして心疾患を防ぐかということである
VLDLというリポタンパク質はコレステロールレベルを増すことが知られており、そしてコレステロールレベルは動脈にプラークが蓄積するリスク要因である
彼の以前の研究では、新しく形成されたVLDLがどのようにして血流に輸送されてプラークを形成するのかが明らかにされている

肝臓が健康に機能するためには、正常なVLDL分泌がほどよく保たれなければならない
肝臓からのVLDL分泌が少なすぎると脂肪肝になり、肝臓癌につながる可能性があるpotentially
(VLDL分泌の調節に必要な)タンパク質と、何がそれを活性化するのかを明らかにすることは、その不調と疾患を防ぐ方法を発見するための第一歩である

食事を変えることはとても難しいので、Siddiqiはもっと簡単な代案を発見したいと考えた

NIHの出資による研究で、Siddiqiは『バロシン含有タンパク質と相互作用する小分子タンパク質/Small Valosin-Containing Protein Interacting Protein (SVIP)』という小さなtinyタンパク質がVLDL分泌に関与することを明らかにした
SVIPはVLDLがどれぐらい血液中に分泌されるのかを調節する
最適な健康状態を確保するためには肝臓のSVIPが適切に調節されなければならない、とSiddiqiは言う

彼はこの小さなタンパク質をマニュアル車manually operated carにたとえている
スムースに走らせるためにドライバーはアクセルペダルとクラッチを正確にシンクロさせる必要がある
もし両者がシンクロしないと車は簡単には動かず、けいれんを起こしたように不規則に走り出しhave fits and starts、やがて止まってしまう

※by fits and starts: 発作的な不規則さで、断続的に


SVIPを同定した後、Siddiqiのラボはそれがミリスチン酸myristic acidの結合箇所を含むことを発見した
ミリスチン酸はバターの脂肪や動物性脂肪に含まれる14の炭素からなる脂肪酸で、特に赤身肉に多い

この発見を元にセントラルフロリダ大学の研究者は様々な食事の脂肪がSVIPの機能に与える影響を研究し、ミリスチン酸だけがSVIPを活性化させて過剰なVLDLを血中に分泌させることを発見した
しかし、ミリスチン酸が存在しないと肝臓はVLDLの分泌に失敗し、脂肪が肝臓内に蓄積した
そのような蓄積は癌につながる可能性がある

この研究結果は食事中の過剰なミリスチン酸、つまり動物性脂肪や乳製品の脂肪を通じての過剰な摂取は、SVIPが適切に肝臓のVLDL分泌を調節できないようにすることを示唆する


「我々の食事は複雑な分子プロセスを調整し、我々の健康と寿命に深い影響を与えることをこれらの発見は示唆している」
Siddiqiは説明する

「目標challengeは、肝臓の他の多くの機能には影響を与えないような治療法を作り出すことだろう」


http://dx.doi.org/10.1074/jbc.M115.705269
Silencing of Small Valosin-containing Protein-interacting Protein (SVIP) Reduces Very Low Density Lipoprotein (VLDL) Secretion from Rat Hepatocytes by Disrupting Its Endoplasmic Reticulum (ER)-to-Golgi Trafficking.
SVIPのサイレンシングは、ERからゴルジへの輸送を乱すことにより、ラットの肝細胞からのVLDL分泌を低下させる

Abstract
発生しようとするnascent/初期のVLDL粒子のERからゴルジ装置への輸送は肝臓によるVLDL分泌を支配determineし、その輸送は『VLDL輸送小胞/VLDL transport vesicle (VTV) 』という特殊化されたER由来の小胞によって仲介される

我々の以前の研究で、ER由来のVTVの形成にはcoat complex II proteinsに加えて、タンパク質が必要なことが示されている

VTVのプロテオーム から、SVIPという9kDaのタンパク質がこれらの特殊化された小胞に独特に存在することが明らかになった
我々の生化学的かつ形態学的なデータは、VTVがSVIPを含むことを示す

共焦点顕微鏡と共免疫沈降法/co-immunoprecipitation assay(Co-IP)を用いて、SVIPがアポリポタンパク質B-100(アポB100)と共局在し、特にVLDLのアポB100ならびにcoat complex II proteinsと相互作用することを我々は示す

細胞質の存在するところでER膜をミリスチン酸で処理すると、SVIPのERへのリクルートを濃度依存的に増大させる
さらに、肝細胞をミリスチン酸で処理することで、VTVの発芽buddingとVLDLの分泌が両方とも増加することを我々は示す

VTV形成におけるSVIPの役割を決定するため、我々は特異的な抗体を使うかまたは肝細胞でsiRNAによってSVIPがサイレンシングすることにより、SVIPタンパク質を阻害した
我々の結果は、SVIPの阻害ならびにSVIPサイレンシングは両方ともVTV形成が有意に減少する結果につながることを示す

加えて、我々はSVIPのサイレンシングがVLDL分泌を減少させることを示す
これは細胞内のVLDL輸送ならびに分泌においてSVIPが果たす生理学的な役割を示唆する

我々の結論はSVIPがカーゴならびにコートタンパク質との相互作用によりVTV形成の新たな調節因子として働き、肝細胞によるVLDL分泌に重要な関係があるということである



<コメント>
SVIPは、VCPと相互作用するタンパク質。
NCBIには「ERADというミスフォールドされたタンパク質分解経路をSVIPは阻害し、細胞のタンパク質分解が過剰に活性化しないようにする」とある



関連サイト
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12529442
VCP/p97は、膜との融合やユビキチン依存的なタンパク質分解など様々なプロセスに関与する
p47やUfd1pのようなアダプタータンパク質は、機能的な多用途性versatilityをVCP/p97にもたらすことが示唆されてきた
我々は新たなアダプターを探索し、SPIVを発見した
SVIPと以前発見されたアダプターのp47とufd1pは、排他的にVCP/p97と相互作用する
完全長のSVIPの過剰発現、または切り詰めたtruncated変異体はゴルジ装置の構造に著しい影響は与えなかったが、
広範囲の細胞の空胞形成vacuolationを引き起こし、それは神経細胞におけるVCP/p97変異体の発現またはポリグルタミンタンパク質の発現を思い出させるreminiscentものだった
この空胞vacuoleはER膜に由来するように思われた



参考サイト
http://beslimbody.com/blog/
>2015年02月22日
>ヤフーニュースで「食事性コレステロール摂取量、政府指針案から上限値撤廃 米国」という記事が発表されていました。
>これは糖質制限をオススメしている身としては嬉しい話ですね。
>僕はダイエットでは炭水化物の代わりに肉や卵などを積極的に食べることを薦めていますが、そういう話をすると「コレステロールが・・・」と心配する人が結構な割合でいます。

ヤフーニュース(笑)

実際のニュースはこちら

http://www.afpbb.com/articles/-/3040196
>2015年版ガイドラインでは、食事から摂取のコレステロールと血清コレステロールの間に明確な関連を示す証拠がないとして、コレステロール摂取の上限値が撤廃される可能性が出てきた。
>一方、コレステロールとセットで語られることの多い飽和脂肪については、より厳しい摂取量の制限が求められた。
>レベッカ・ソロモン氏(臨床栄養学)は、「長い間、体内のコレステロールレベルについては、食事性のコレステロールではなく遺伝や飽和脂肪の過剰摂取が主要な原因であることは分かっていた」と述べ、このような形で認識されて嬉しいと続けた。



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ミクロソームトリグリセリド輸送タンパク質 (MTP) の発現促進は、VLDLの産生と分泌の増加につながる。



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肝細胞において、FoxO1はMTPのプロモーターに結合して活性を刺激する。
 

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