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癌幹細胞をメトホルミンで窒息死させる方法

2015-09-14 06:00:44 | 癌の治療法
Pancreatic cancer stem cells could be 'suffocated' by an anti-diabetic drug

September 10, 2015

http://www.sciencedaily.com/releases/2015/09/150910131931.htm

癌細胞は解糖系に頼るのが一般的だが、
ロンドン大学クイーン・メアリーのバーツがん研究所とマドリードのスペイン国立がん研究センター(CNIO)の研究者は
代謝に関してはすべての癌細胞が同様であるわけではないことを発見した

膵臓癌の癌幹細胞は、より効果的なタイプの代謝である酸化的リン酸化/OXPHOSを利用することが可能である
OXPHOSでは酸素とミトコンドリアを使うが、これは糖尿病の薬であるミトホルミンの標的にすることができる

しかし、膵臓の癌幹細胞の中には代謝をより柔軟に順応させてメトホルミンを回避できるものがあり、結果として癌は再発する
研究員たちはそのような抵抗性を妨げてすべての癌幹細胞にOXPHOSを使い続けるように強制する方法も発見した

研究者はこの新しい発見が幹細胞による酸素の使用を阻止して伝統的な治療の後の再発を防ぐための治療の開発に使えるだろうと考えており、臨床試験は来年後半に計画されている


http://dx.doi.org/10.1016/j.cmet.2015.08.015
http://www.cell.com/cell-metabolism/abstract/S1550-4131(15)00406-4
MYC/PGC-1α Balance Determines the Metabolic Phenotype and Plasticity of Pancreatic Cancer Stem Cells.


Highlights
・膵臓癌幹細胞CSCsは、ミトコンドリアの酸化的リン酸化OXPHOSに頼り、代謝的可塑性metabolic plasticityの減少を示す
・ミトコンドリアの阻害は膵臓癌幹細胞の消去に有効である
・MYC/PGC-1αのバランスは、膵管腺癌細胞の代謝的表現型を制御する
・メトホルミンに抵抗する癌幹細胞においてMYCを標的にすることは抵抗性を妨げ、メトホルミンへの応答を回復する


Summary
抗糖尿病薬であるメトホルミンは膵臓癌幹細胞/CSCsを標的にするが、癌幹細胞から分化した子孫/非CSCsは標的にしない
これは異なる代謝表現型と関連がある

今回我々は、非CSCsが強く解糖系に依存する一方でCSCsは酸化的代謝(OXPHOS)に依存し、その代謝的可塑性が非常に限られていることを決定的に実証した
ゆえに、メトホルミンなどによるミトコンドリアの阻害は、エネルギー危機ならびにアポトーシスへと変換される

しかしながら、メトホルミンを投与している間に結局は抵抗性のCSCクローンが出現する
このCSCクローンは両者の中間の表現型である(解糖系/呼吸性)

機構的にはmechanistically、
CSCsがOXPHOSに依存するようになる重要な決定要素determinantとして、MYCの抑制とそれに続くPGC-1αの増大が確認された
これはメトホルミン抵抗性のCSCクローンでは無効化されるabolished

興味深いことに、
遺伝子的/薬理学的にMYCを阻害することにより、
ミトコンドリアにROSを誘導するメナジオン/menadioneに対する抵抗性は観察されず(メナジオンによるROSでアポトーシスしたということか)、
メトホルミンに対する抵抗性は妨げられるか覆された

ゆえに、この膵臓癌幹細胞の代謝の特異的な特徴は治療的な介入ができる方へ修正可能でありamendable、膵臓癌という致命的な癌に対してより効果的な治療を開発するための基礎を提供する



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