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アミノ酸の繰り返しがどのようにして疾患につながるのか

2016-11-19 06:06:30 | 
Hunt for Huntington's cause yields clues

November 10, 2016

https://www.sciencedaily.com/releases/2016/11/161110120745.htm


※Q: グルタミン

(ライス大学のシミュレーションにより、ハンチントン病などの神経変性疾患では異常タンパク質のアミノ酸の繰り返し配列がどのようにして疾患を引き起こすのかが示された
この研究では、凝集を始めるためにいくつのタンパク質が必要になるのか、その必要なタンパク質の数にとって決定的に重要なのはアミノ酸の繰り返しの数であることが確かめられた
上の画像は、アミノ酸のリピート数が20または30のタンパク質は繊維の核となるためにそれぞれ異なる形態を取ることを表す

Credit: Graphic by Mingchen Chen)

ライス大学の科学者たちは、変異タンパク質をコードする遺伝子内のヌクレオチドの繰り返し配列がどのようにしてハンチントン病や他の神経変性疾患を引き起こすのかを明らかにした
ライス大学の理論生物物理学センター/Center for Theoretical Biological Physicsの研究者はコンピューターモデルを使い、折りたたみに失敗/ミスフォールディングmisfoldingしてプラークを形成すると疑われているタンパク質を分析した
彼らのシミュレーションでは他のラボによる実験結果、つまりタンパク質に含まれるグルタミンの繰り返し配列の長さが疾患の発症にとって決定的に重要であるという実験結果が確認された
ライス大学の生物科学者bioscientistであるPeter Wolynesを中心とする今回の研究結果は、学術誌のJournal of the American Chemical Societyで発表される


グルタミンはゲノム中の3つのヌクレオチド、CAGによってコードされるアミノ酸である
グルタミンの繰り返し(いわゆるポリグルタミン/polyglutamines)は、疾患の原因タンパク質に存在する
正常なタンパク質にも繰り返し配列は存在するが、DNAの複製が不正確だとグルタミンの繰り返し配列は異常なまでに長くなる
その結果として起きる疾患がハンチントン病や脊髄小脳失調症/spinocerebellar ataxia(SCA)である

グルタミンの繰り返しの数は、遺伝子をコードする情報が世代から世代へと代々伝えられてpassed downいくにつれて増えていく可能性がある
例えばハンチントン病の原因となるタンパク質はハンチンチンhuntingtinだが、それをコードする親の遺伝子のグルタミンの繰り返しが35回の場合、その子どもの繰り返しの数は36回になるかもしれないということである
繰り返しの数が長いほどハンチントン病を発症する可能性が高くなり、ハンチントン病におけるタンパク質の凝集は一般にポリグルタミン鎖のグルタミンの繰り返しが36回に到達した時にのみ生じる
これまでの研究で、鎖の繰り返しの数が長いほど疾患は重症となり、発症は早まることが実証されてきた

今回の論文は以前アミロイドベータ(Aβ)タンパク質の研究で使われた技術を元にしてまとめたものである
その研究は、アルツハイマー病に関連するアミロイド凝集での『エネルギーの特性/ランドスケープenergy landscape』をモデル化しようとラボが初めて試みたものである
今回Wolynesと彼のチームが興味を持っていたのは、繰り返しの長さを変化させること(例えば20回未満と50回以上)が、どのように凝集の形成のされ方に影響するのかということだった


「ハンチントン病の患者で最終的に形成されるのは肉眼で見えるmacroscopicほどの凝集物で、それは多くの分子からできている
たとえれば、それは水からできた氷の結晶がその内部に多くの分子を持つのとほぼ同じようなものだ」
Wolynesは言う

「この凝集プロセスはいつかどこかで始まる必要があり、それには『核/nucleus』が伴う
核は微小サイズの分子の集まり/クラスターclusterであり、このプロセスが完了すると肉眼で見えるサイズまで成長するだろう」

「グルタミンの繰り返しの長さは疾患の重症度と相関することが知られていた
我々が知りたかったのは、なぜそのような長さが『決定的となる核のサイズ/critical nucleus size』にとって重要なのかということだった」


実験ではグルタミンの繰り返しが20回以下だとフォールディングされない、いわゆる『noodle-y』のままであり、それが凝集できるのは4つ以上が近くに集まった時だけだった

シミュレーションでは30回以上の繰り返しの配列はパートナーを必要とせず、それ自体だけでどのようにしてフォールディングしてヘアピン型の形状になるのかが示された
このフォールディングした『ヘアピン』が、やっかいな凝集物の材料になる
したがって、配列が長くなればなるほど、単一のタンパク質でさえも凝集プロセスを開始できる
それは特に高濃度で起きやすい

ライスの研究チームは、ポリグルタミン配列の繰り返しが20回と30回との間の中間の長さ(26回)で、形状configurationsがまっすぐかヘアピンかが切り替わりうることを明らかにした
配列がより長くてもより短くても一列に並んだaligned繊維の束が形成されるが、中間の長さの配列は乱れて枝分かれした構造disordered, branched structuresを取ることがシミュレーションで示された

「枝分かれすることが良いのか悪いのかはわからない」
Wolynesは言う

「しかし、それは試験管の実験で得られる奇妙weirdな形状を説明する」


さらに、ポリグルタミン配列をフォールディングしないままにしておく突然変異は、凝集に対するエネルギーの障壁energy barrierを上昇させるだろうということを研究チームは発見した

「皮肉なのは、ハンチントン病はミスフォールディング疾患と分類されてきたが、それが起きる理由は、長すぎる繰り返し配列を持っている場合のタンパク質は、本来するはずのない余分なフォールディング・プロセスを実行するからということだ」
Wolynesは言う

チームが現在進めている研究では、グルタミンの繰り返し配列に加えて別の部分を持つ完全なハンチンチンタンパク質がどのようにして凝集するのかについて調査している


http://dx.doi.org/10.1021/jacs.6b08665
The Aggregation Free Energy Landscapes of Polyglutamine Repeats.
ポリグルタミンリピート凝集における自由エネルギーのランドスケープ




Abstract
ポリグルタミン (polyQ) の繰り返しrepeatsを含むタンパク質の凝集は、複数の神経変性疾患と強い関連がある
繰り返しの長さは疾患の重症度と相関する

以前の研究で、純粋なpolyQペプチドは核化から成長したポリマー化nucleated growth polymerizationによって凝集することが示されており、
決定的となる核のサイズ/critical nucleus size (n*) は、ポリグルタミンの長さがQ18からQ26まで伸びるにつれて、四量体からニ量体・単量体まで低下する
なぜ決定的となる核のサイズがリピートの長さで変化するのかは不明だった

我々は『associative memory, water-mediated, structure and energy model(AWSEM)』を使い、異なる長さのpolyQペプチドに関して凝集の自由エネルギーのランドスケープを構築した

これらの研究から示されたのは、より短い繰り返しの長さの単量体monomer (Q20) は伸びたコンフォメーションextended conformationを選び、その凝集物が三量体の核/trimeric nucleus (n* ∼ 3) を持つ一方で、
より長い繰り返しの長さの単量体 (Q30) はβ-ヘアピンのコンフォメーションを選ぶということである
β-ヘアピンのコンフォメーションは下り坂を下るように/in a downhill fashion、0.1ミリモルで凝集する

中間の長さのペプチド (Q26) に関しては、単量体においてヘアピン状の形状と伸びた形状が等しく選択equal preferenceされ、混合した不均一なmixed inhomogeneous核化メカニズムによって繊維の形成につながる

この予想される単量体の構造の変化ならびに核化のメカニズムは、ヘアピン形状を選びやすい『箇所特異的なポリグルタミン突然変異site-specific PG mutations』を持つポリグルタミンの繰り返し配列に関して、凝集の自由エネルギープロファイルを研究することで確かめられる
それはこのシステムでの実験と一致する結果をもたらす



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