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海に帰りたい~@″
 

夢みごこち・フジモトマサル

2011年07月31日 | 読書
暑中

夜明け前、

久しぶりに実家に帰ると、母が得意満面でリフォームした家の説明をしてくれる。
特にエスカレーターは、
「そんじょそこらにあるエスカレーター」でなく、
特別に考え抜いたエスカレーターだから、きっとびっくりするだろうが、それはそれは、素晴らしいエスカレーターだから、心して乗るように。と
言いたてる。

まいったね、こりゃ。

母親という人種は、とりつかれたように各方向に熱心なのが、
まぁそれはそれで、よろしいんだけれど
それでないと、世界は回っていかないし
地球の平和も、少子化問題も、晩御飯、なに食べたい?も
解決しないのだろうけれど。

なんかね、
疲れるよなぁ。などと
心中、呑気にぼやきつつ
襖を開ける。

えー、
なんというか、
下りのエスカレーターであります。

一階の、座敷。

大広間になっている。

地下に居住空間があるらしい。
そこに移動するための、「エスカレーター」……
主に、下り専用のもよう。

襖一枚おきくらいに、
洋服は洋服用エスカレーター
食品は食品用のエスカレーター
履き物はこちらのエスカレーター、などと
5種類ほども入り口があり、分別した上で、
それに乗せてしまう。
自ずと、
収まるべきところに収納できる優れもの。

荷物は、ベルトコンベヤーに乗り、粛々と下の階に運ばれた。

さて、自分は人間専用ってことか。
人間用の襖を開ける。
なんだこれ?
ちっともエスカレーターじゃないやん。
只の……滑り台じゃございませんか?と、
抗議するも、母親には敵わず
敷居を外して、
敷居の下にぽっかり空いた、穴の中に身体を潜りこませます。

あ、
襖と敷居は戻すように!
と叱られて、四苦八苦。
ようやく
滑り……出したが、つっかえる。
動かない。
真っ暗な穴の中で、お腹がつかえて苦しいの。

万歳の姿勢のまま身動きならず
それでも
うねうねと、無駄にもがくが
ますます、穴は細くなる。

夕御飯、
豚肉の味噌炒めで、白いご飯がもりもり入って
葉唐辛子とちりめんじゃこの炊いたんと、大根の千六本と青胡瓜の細ぎりのサラダが
また、
う、旨かったって思い出すが
あ、
寝る前に、米粉のロールケーキ。
最近のお気に入り。

食べすぎたことを後悔するが、先にたたず。
あとの祭り。
……「オーティス吉田とあとの祭り」あったな。

高校生バンド「ハッピー田中とパンティ泥棒」……
何を考えてるんだか、男子。

かれこれ、40年ほども昔。

あぁ、
若者は今も昔も若者であることよのぉ。

と思い出を辿ると、空に浮かんでいる。

空に浮かんでいるのは、お手のもの。
ほぼ夢を見ているとき、自分は空に浮かんでいる。
そして、
後はひたすら落ちないように、もがくだけ。

失速して落ちてしまったら忘れてしまうから、
「エスカレーター」
「ラッキー」……と、覚える。

その後も、長く……実際は短いのだろうけれど……空中をもがき続けて、ガクンって落ちて嫌ぁな目覚め。

なかなか、夢みごこちというわけには、いかない。

夕方に夕立の中、
Amazonで頼んでいたのが届く。

フジモトマサルの「夢みごこち」

極上の夢が、ぎっしり詰まっていて「夢」のような至福をたっぷり味わう。

さて、夢を見ているわたしを、忘れてしまわない目覚め方を研究するために、今夜も横になろう。

眠りこけたら、そんなことなんか忘れてしまって、眠りこけるんだが、それも幸せ。


フジモトマサルさんの、公式WEBサイト「回文新聞しんぶんし」「給水塔占い」がおもしろい。

石膏剥離

2011年07月30日 | ガラスのアート
石膏型を割りました。
慌てたら、薄く剥離しました。
もおのすごおーく
焦りながら、猛烈に頭を働かせました。

ん、久しぶりに、真剣に色々、算段してなんとかなりました。

次の段階に進むときに、今のあたふたを忘れないようにと、メモ書きしました。

懐かしの人真似小猿。

寝台特急日本海・青森1号が、運転を取り止めました……と、放送があったプラットホームに立っているだけで、脳内、青森に飛び日本海を見ている。

放送がなかったら、青森も日本海も無かったのだけれど。

寝台特急に乗り込んで、青森に行きたくなる。

怖い絵-泣く女編・中野京子

2011年07月29日 | 読書
中野京子さんの「怖い」シリーズに次々とハマって、夏風邪と過ごす。
鼻水が止まらない。

喜怒哀楽に「怖い」は、ないが
「怖い」は喜怒哀楽の全てに通じているのだと驚く。

「怖い」…恐怖だけでない「怖い」感覚は、こんなに多種多様なんだったと驚く。

「泣く女編」
エッシャーの描く『滝』
これを「泣く女」と繋ぐのは、ずいぶん無理があるんじゃないか?
と、思ったが

おぉ!

そうきたか!

読みやすいけれど、知識博識、総ざらえで
ぐいぐい引っ張ってくれて
読んでる間だけ、暑い夏、夏風邪、夏バテをしばし忘れさせてくれる魔法の書。


んー…

読み終えた時、
物語から立ち去るのが残念なような、
現実に戻ってこれホッとするような。

しかしまた、
次の「怖い」絵と絵解きに、エンドレス。

未来永劫に、読み続けたくなる恐怖の書物か?

大騒ぎの庭

2011年07月28日 | 生き物日記
朝から遠雷。

湿気が多くて暑苦しい。

漸く、雨が振りだして、しばらくすると
庭で雀がうるさく鳴き出す。

結構な、本降りなのに桜の樹をいったり来たり。
そのうちに、
鴉が舞い降りてくる。
何事か?
何事か!
にゃあちゃんも、出てくる。

鴉はもう一羽やって来て、屋根と庭を忙しく往復する。
驚いた蝉達が、不器用に飛び回る。

どれどれと
庭に出たら、青い葉っぱが丸まって落ちていると思っていたら、
あれ?

くねくね動き出した。
君は、腹ペコ青虫君。

一本槍というか、角というかが、ギザギザの蛾の幼虫かなぁ。

はらぺこあおむしと、腹ペコ雀の集団と、腹ペコ鴉はご夫婦か?

美味しそうなまるまる太った食べ頃の青虫を取り合いしているのかなぁ。
まわりは、チュンチュン、バサバサ、ニャアニャア、ジジジって
騒がしいのに、あおむし君はゆったり、うろうろ。

そんなに呑気で、大丈夫ですか?

「芸術家たちの秘めた恋」

2011年07月27日 | 読書
メンデルスゾーン、アンデルセンとその時代--
そして
ジェニー・リンド

大人のためのおとぎ話。
だけど、実在の人物と事実と歴史の素敵な本。

メンデルスゾーン。
不思議な芸術家で気になっていたのが
また、ここで出てきた「ユダヤ人」。


王政や貴族。
新興の勢力。
長く長く続いた階級制度。

ややこしい歴史の転換期が、楽しい不思議な物語に変身。

アンデルセンさん、逸話は抜群におもしろいけど、近くにいたら大変そうです。
さて、さて、
メンデルスゾーン様にもう少し、お仕えしてみようかな……

ご迷惑かもしれないが。

集英社文庫