純プラチナ(Pt999~1000)プラチナダイヤペンダント・プチネックレス・0.20カラット・【誕生石4月】 [ジュエリー] | |
なかなか、これと言った素敵なダイヤは見つからず。正月なので、流通は半分以上止まっているから仕方ない。 | |
あなたと私の宝石箱 |
こんにちは。
寝ている時に、鬼が言い出した。
「あの石には、こんな感じで、こんな感じの石がサイドに合うと思う。」
鬼は、三角の石が好きなのか、あれこれ勧めてくる石は三角形。そうねーそうねー、給料が入ったらねーでスルーしてたら、いきなり怒りだした。
「なんで、さっさと石を足さんのだ。何故、人間は、こんなにのんびりしているのだ。」
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あのな。世間は、正月や。正月休みいったら、世間はお休みや。わたしが仕事しているから、正月に見えないだろうけれど、給料日までまだ遠いんや。
「正月って知っているか。」
「あぁ、知っている。しかし、わたしは、節でしか数えんのだ。」
「節で数えたら、立春、立夏、立秋、立冬で終わりか。」
「他に、大寒なんかも数えるぞ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・つー。どうしようもないニートだわ。こいつ。
「世間は、正月でね。正月はお休みするのよ。だから、お金も入らないし、クラフトマンは、きっと今年も軽井沢にいるから、いないわよ。」
「けしからん。石を揃えねばならないと言うのに。何をしているんだ。」
「・・・・・・・・・なんかに間に合わせたいの?」
「そうだ。なんとしても節目までに間に合わなくてはならん。」
「でも、それはちょっと無理かも。」
「なんでだ。」
「期待しているのは、節分までに間に合わせたいんでしょう。でも、人間の工房に頼んでも、石の取り寄せも含めて、間に合わないと思うよ。」
「なんでだ。」
「だから、そんなに気に入る程の石は、簡単に手に入らないって。そもそも、期待値がでかすぎるよ。」
「いかん。絶対にいかん。」
「だからさ、節分までに、物理的に間に合いませんって。そんな話を言うなら、クリスマス前に言ってくれれば注文したのに。」
「・・・・・・・・・・・。」
「それまで、うちにいるかどうかも、分からなかったわけでしょう。だから、特に追い出したりもしないし、Sさんが旅行に行っちゃったからって、そんなに焦って契約を結ぼうとしなくてもいいよ。なんか、新聞勧誘員とか、保険のおばちゃんのノリだよ。」
「なんだ、それは。」
「仕事で強引な契約を結ぼうとする職種だよ。呆れちゃうね。あんた、悠久の時を流れた鬼なんでしょ?」
「・・・・・・ああそうだ。」
「今の状態は、まるで、ノルマ魂溢れる強引な営業マンにしか見えないよ。」
「しかし、このままでは、わたしはいかんのだ。」
「だからさ、このダイヤでいいじゃん。」
「だめだ。足さなくては、契約にならない。」
「・・・・・・・・・・・あーた、本当に頑固だな。契約したいんでしょ?要は。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・ううむ。」
「約束するよ。契約書を書いてもいいよ。でもね。お願いだから、人間の物理的な時間に配慮してよ。なんだかんだ言っても、契約するには、物がなくちゃいけないけれど、そのものが整わないんだから。」
「・・・・・・・それではだめなのだ。」
「結納の席に、鯛が足りなかった場合は、その結婚は、取り消しかい?違うでしょ。結納に鯛が足りなかったら、足りない鯛でお祝いするじゃないの。完璧なところ、やめなよ。しかも、あんた、気分次第でしょう。そもそも、人間の流通が止まる時期前に、決断できなかったんだから。」
「・・・・・・・・・・・・・・ううむ。では、必ず足してくれるな。」
「だから、足すよ。足す。あんたが、三角が良ければ、三角で考える。わたしは、四角がいいかなと思っていたんだけれど、三角がいいのね。」
「・・・・・・・・・・いや、契約の主にまかせる。」
「・・・・・・・・・・・・・・なんかね。・・・・・・・・・・・・任せてもらっているって気がしないんだよ。」
「なんでだ。」
「夢の中で、指輪の横に、三角形を置かれたりとか、指輪のデザインをあれにしようこれにしようって言われるとね。わたしも、こだわり派だから、なえる。」
「契約の指輪だからこそ、華やかであるべきだ。」
「だーかーら、あんたは、その石の大きさで、自分の繁栄を計るんだろ。わたしの気持ちは計らねーだろ。」
「・・・・・・・・・・いや、主には、できれば、繁栄の証を持ってもらいたいと思ってだな。」
「余計だよ。余計。そもそも、センターの石が小さいのだから、仕方ないだろう。1キャラにしたいなら、してもいいけれどな。とにかく、あんたとわたしが、気にいる石が入るまで待つしかないんだよ。それに、結構、あれ、好きじゃん。」
「わたしと契約した主にふさわしい・・・・」
「わーった、わーった。要は、結納金を用意せず、婚約指輪は自力で買ってねって、そういうタイプの男と同じだろ。しかも、僕が買ったように見えるから、できる限り大きなのを買ってねって。・・・・・・・・・・それ、お前、ちょーだめんずじゃん。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。繁栄を約束した。」
「だからさ、少しずつ始めようじゃない。急に大きなもの持っても、身に余るでしょ?わたしも、慣れないし。あなたは、どこでも見て歩きたいんじゃなかったの?だとしたら、手軽なサイズの方が、危なくないよ。」
「何故、Sの石を持たぬのか。」
「わたしは、Sさんちじゃあーりませーん。うちに来るからには、わたしが法律だぁ。」
「・・・・・・・・・・・・・・。仕方あるまい。では、節分までに間に合わぬと、伝えておこう。」
「伝えるって誰によ。Sさんに?」
「いいや。違う。わたし達の決まりは、わたし達の決まりを司るモノにより、定められている。そのモノに伝える。」
「ハイハイ。人間界で言ったら、戸籍か(苦笑)。婚姻届けか。どの道、鬼にも行政がいるのだな。」
「司るものに伝えておかなくては、わたしはこの家を離れ、Sとの契約を切られ、消滅するしかない。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そっか。そういう手があったのか。」
「・・・・・・・・・・・・・・・どういう手だ。」
「いや、あんたが暴走した時、遠慮なく、契約切っちゃえば、いいんだ。Sさんは、それじゃ、ちゃんと契約を切ったんだ。お見送りの儀を家でやったんだろうな。」
「・・・・・・・・・・・・それで、お前は、わたしの契約をどうするつもりだ。」
「やるって、やるって、暇になったらやるから、待っててくれ。」
「必ずだぞ。必ずだぞ。」
「なんか、婚約不履行で訴えられそうな勢いだな。しかし。この年になって、おしかけ鬼とは、これ如何に?」
「頼んだぞ。石は、必ず気に入ったものを、整えさせるゆえ、仕事の合間に足を運ばれてみよ。」
「・・・・・・・・・・外堀通りを埋められて、内堀通りも埋まっていく、そんな気持ちだな。」
「必ずや、満足させる石を見つける故、あとは、お前に頼むしかないのだ。分かって欲しい。」
「うん。頼りないけれど、やるから、待ってて。」
いや、新年早々、強引な営業マンにつかまって、苦労すると言う。
Sさんは、契約を切って行っちゃったんだ。ただ、Sさんは、代わりの石を見つけにも行っているんだよ。だから、どこから石が湧くかわからないけれど、まずは、身近なところから、始めようかね。
しかし、君が怒ると、本当にこっちも体が痛いんだよ。勘弁してくれ。
それに、あんまり、派手な指輪していると、逆に変だぞ。
朋