うんどうエッセイ「猫なべの定点観測」

おもに運動に関して、気ままに話したいと思います。
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がんばれクリスタルジャパン

2010年02月20日 | 五輪&パラリンピック
バンクーバー冬季五輪第8日の19日(日本時間20日)、カーリング女子の1次リーグでチーム青森の日本は2002年ソルトレークシティー五輪優勝の英国に11-4で快勝し、2勝2敗とした。日本は第9日に試合がなく、第10日の21日(同22日)にロシア、ドイツを相手に2試合を戦う。

〔時事通信 2010年2月20日の記事より・写真も〕


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両チームのスキップがナイスショットを繰り広げました

テレビで解説を務めた小林宏さん曰く、「この試合に日本のカーリングの未来がかかっている」と位置づけられた今日の英国戦。英国は2大会前のソルトレーク五輪優勝国です。世界ランキング9位の日本は初戦の米国には勝ちましたが、その後はカナダと中国に連敗。世界ランキング1位のカナダとのアウェー戦は惜敗でしたが、昨年の世界選手権優勝国である中国戦は終盤まで競り合うものの最終エンドで突き放されて完敗。これまでの成績は、3勝1敗の英国に対して日本は1勝2敗。なので、序盤の4連戦を悪くても2勝2敗で終えたい日本としては、上位4位以内に入って準決勝進出する為にも、何が何でも勝たなくてはいけない一戦でした。小林さんの言葉通りに、氷上で素晴らしい戦いが繰り広げられました。



序盤3エンドが終わって、1-1の予想通りの接戦。第4エンドに試合は動きます。後攻は日本。英国スキップのエバ・ミューアヘッドの第1投目で、日本のストーン3つが弾かれ、No1、No2とも英国に。日本のスキップ目黒萌絵の第1投は英国のストーンを弾くが、No1ストーンは英国、No2は日本に。英国の第2投は日本のストーンに触れたがテイクアウト出来ず、ハウス内には日本と英国がともに2個ずつ残ります。そして、目黒の第2投目は英国のストーンを2個全て弾き出し、自分が投じたストーンはハウスの中に止まります。このビッグショットで日本が3点を追加して4-1とリードします。しかし、次の第5エンドは、英国のミューアヘッドの絶妙なショットで2点を追加。4-3でハーフタイムへ。

第6エンドは後攻の日本が1点を追加して5-3。そして、次の第7エンドがこの試合の明暗を分けます。これまで不調だった近江谷杏菜が徐々に調子を取り戻して、ハウス内に日本のストーンのみを残します。目黒の第1投目は手前のストーンを回り込んでハウス内に入り、No1とNo2が日本に。英国のミューアヘッドの第1投目は手前ストーンの間を抜け、No1ストーンになります。No2とNo3が日本。ミューアヘッドは絶妙なショットに見えましたが、英国のNo1は完全に前のストーンに隠れなかった事が大きく響きます。そして、目黒の第2投目は日本のストーンに当てて、そのストーンが英国のNo1ストーンを押し出し、No1とNo2が日本に。ミューアヘッドの投じた第2投目はNo2に止まり、先攻の日本がスチールに成功。日本は1点追加して6-3。

続く第8エンド。先攻の日本は4人全員が見事なショットで、優位なストーンの配置で英国のラストストーンを待ちます。ここでスチールすれば日本が圧倒的に優位に立ちます。綿密な作戦を立てる英国。そして、ミューアヘッド投じた第2投目は、ハウス手前の自分のガードに当て、その弾いたストーンが日本のNo1を動かします。英国がNo1を取る絶妙なショットで1点を取り、英国が1点を加えて6-4と追い上げます。

第9エンドは日本が後攻。ハウス手前でストーンが溜まる展開でした。英国スキップの第2投目は前のストーンを抜けてNo1になり、No2も英国に。そして、目黒の第2投目はハウス手前のストーンの間をすり抜け、ハウス内の英国No2ストーンに当て、No1も弾き出します。この結果、日本のハウス内に残った5個のストーンがNo1~No5になり、日本は大量5点を加えて11-4。目黒のショットは、まさに神懸かったスーパーショットでした。そして、この時点で英国がコンシード(=ギブアップ)。日本は前回トリノ五輪に続いて英国をコンシードさせる勝利を収め、当初の目論見通りに序盤の4戦を2勝2敗のタイで踏み止まりました。ただ、点差とは裏腹に大接戦の内容でした。



残念ながら、日本ではカーリングはマイナーな扱いをされております。ただ、カーリングの試合時間は野球の試合時間に等しく、約2時間半から3時間ぐらい掛けて戦う長丁場の戦いです。しかも、冬季五輪では10チームの総当りのリーグ戦を行った後、4チームの決勝トーナメントを戦う方式です。つまり、カーリングは冬季五輪の全ての競技の中で、最もテレビに映る時間の長い競技なのです。だからこそ、初めてカーリングを観る人たちに興味を持たせる為にも、訴求力のある試合をする必要があります。今回のように、休日の昼間という絶好の時間帯に、お互いがベストを尽くした好試合を演じると、結果的に競技自体のプロモーション活動に繋がります。今日の白星は、ただ単にメダル争いに留まるだけでなく、まさに日本のカーリングの未来がかかっていた試合だったと思います。


それにしても、今日の小林さんはとっても熱かったですねぇ~(笑)



▼この人が今話題の英国の美人スキップのエバ・ミューアヘッドです
 (なお、今年4月22日の誕生日で20歳です)




☆エバ・ミューアヘッドの練習風景です

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