思い出したくないことなど

成人向き。二十歳未満の閲覧禁止。家庭の事情でクラスメイトの女子の家に居候することになった僕の性的いじめ体験。

全裸バス(後半)

2014-04-23 19:44:40 | 8.夏休み恥辱編
 柄の悪い高校生が僕の腕を背中に回して、後部の二人掛け座席を占める女子高生たちに素っ裸の僕を見せつける。男の人のごつごつした手におちんちんをいじられ、僕は痛みと恐怖に耐えながら、小さな声で許しを乞い続けた。窓を流れる景色が先ほどからゆっくりになっている。工事か何かで渋滞し、バスはのろのろとしか前に進まない。
 なぜ僕が素っ裸のままバスに乗せられているのか、その理由を女子高生から聞いた男の人たちは、まるで僕を苛める口実ができたことを喜ぶようだった。Y美のでっち上げをすっかり信じ込んでしまった。
 お姉さんたちの入浴を覗くなんてとんでもねえガキだよ、と眉毛のない男の人が僕の乳首を捻りながら言った。俺はこう見えても女の子には優しいんだ、と女子高生たちにアピールするように続けると、女子高生たちから冷やかすような笑い声が起こった。
 赤シャツの男の人が僕のおちんちんを扱き始めた。羞恥のあまりいやいやと首を横に振り続ける僕の頬を両手で押えて、眉毛のない男の人が僕に言った。
「せっかくだから可愛いお姉さんたちにじっくり見せてあげようよ」
 たちまち大きくなってしまったおちんちんがぴくぴくと静かに動いている。「触ってみたらどうか」と赤シャツの男の人が勧めると、女子高生たちは嬌声を上げるばかりでなんとも返事をしなかった。
 まじめな感じだった女子高生たちは、不良高校生たちに唆され、次第に僕の体をあちこち触るようになった。おずおずと触った手が二度目は積極的になり、弄ぶ時間が長くなるとともに、その触り方も乱暴になった。扱かれ続けているおちんちんの先端が精液でぬるぬるになる。射精寸前になると手の動きが緩み、しばらく間を置いてから再び扱く。
 頭が朦朧とする。このまま快感に飲み込まれたくないという意識はあったけれど、女の人たちの嬌声や男の人たちの罵声を浴びている内に、そういう意識を持つこと自体が今の羞恥の苦しみから僕自身を逃れ難くしている原因なのだという考えが浮かんだ。その考えが正しければ僕は今すぐその羞恥心を捨てなければならない。でも、羞恥心を捨て去ることなどできるだろうか。羞恥心をきれいさっぱり捨てて、バスの中でおちんちんを嬲られるままに射精してしまうなどということができるだろうか。無理、そんなことは絶対にできない。
 ずっと座席に座ったまま窓の外を見ていたY美がようやく腰を上げてくれた。手足をしっかりと押さえ込まれた僕が女子高生たちが順番におちんちんを扱かれているところへ、Y美がふらりと立ち寄ったかのように顔を出した。
「何やってんですか?」
 中学一年生の女子が、幾ら長身で実年齢よりも上に見られるとしても、面識のない男子高校生、しかも威圧的で暴力的な感じがする彼らに声を掛けるのは、すごく勇気のいることだと思う。だけど、Y美は一向に怖じる気配なく平然と問いかけた。「でっかい彼女だな」「でかい彼女が小さい彼氏を助けに来たか」などと男子高校生たちが浴びせる冷やかしにも、「別にこの子、彼氏じゃありませんから」「高校生が集団で男の子を苛めるのって見っともないですよ」と、澄ました顔をして返した。
 このどこか人を馬鹿にしたような、優越感丸出しの言い方にカチンと来たのは、不良男子よりもむしろ女子高生たちの方だった。交互におちんちんを扱いていた一人が立ち上がってY美に挑発的な視線を送ったが、Y美はこれを受けてにっこりと笑った。
「むかつく。何こいつ」
 脅威を感じたのか、その女子高生は、腹いせに僕をバスの汚れた床に仰向けに倒すと、同じ制服を着た仲間や不良男子たちに声を掛け、僕の足を持ち上げて左右に広げさせた。髪を赤く染めた男の人が股の間から僕の顔を覗き込み、ペッと唾を吐いた。煙草の臭いのする唾が右目に掛かった。
 下半身を軽く持ち上げた状態で開脚しているので、おちんちんからお尻の穴まで全て丸出しだった。女子高生たちは、おちんちんの袋を引っ張ったり、お尻の穴を広げたりしながら、Y美に侮蔑の言葉を投げかけた。Y美はこれに答えず、赤いシャツの男の人と交渉を始めた。この裸んぼの男の子を自分が家まで送り届ける責任を負っているので、適当なところで解放してやって欲しい、と持ち掛けた。
 乗客のほとんどが高校生に占められ、バスの中は彼らのお喋りで賑やかだった。二人掛けの座席が並ぶ通路を立ち居の高校生がブロックするので、運転手さんや前方の乗客からは、後方の席で何が行われているのか、知ることができない。
 町の中心部に入ったバスは、交通量の増大に伴って走行速度をぐんと落とした。大きな六差路の交差点を前にして、バスは停止と発進を小刻みに繰り返した。
 たくさん穴のあいた小さな白いボールに通した紐が僕の頭の後ろできつく結ばれた。この硬いプラスチックのボールを猿轡として噛まされている僕は、許しや助けを求めることが叶わず、いたずらに彼らを喜ばせるような呻き声を漏らすばかりだった。
 最後部の少し手前に立たされている僕は、自分で自分のおちんちんを扱くように命じられた。男の子がオナニーするところを見てみたい、と女子高生たちが要望したのが始まりだった。頭のてっぺんから爪先まで何も纏わない素っ裸のまま、不良の男の人や女子高校たちにじっと見つめられながら、おちんちんを扱く。既にいろんな人に扱かれていたからおちんちんは硬い状態ではあったけれど、自分の手で続きをすることは恥ずかしくて、快感でぼんやりしていた頭が少し冷静さを取り戻してしまうと、これに応じるかのように、おちんちんが元の大きさに戻り始めた。
 しっかりやりなさいよ、という叱咤とともに手のひらでお尻を叩かれた。痛みに思わず腰を前に出してしまう。女子高生たちが交代で僕のお尻を叩き始めた。しつかり勃起するまで叩き続ける、と眉毛のない男の人が涙目になっている僕を見下ろしながら言った。お尻を叩かれながらおちんちんを必死になって扱く僕をY美が正面から黙って見つめる。その表情からは何の感情も読み取ることができなかった。僕が射精するところなど、これまで何十回となく見てきたY美にしてみれば、バスの中という特殊な状況は差し置いても特別に珍しいものではない。またやられている位にしか思っていないのだろう。その徹底した無表情は、羞恥と痛苦に喘ぐ僕に対するというよりは、世界に対するY美自身の無関心の表れだった。
 必死におちんちんを自分の手の動きだけで大きくしようとしている僕に加勢するべく、一人の女子高生が僕の乳首を撫で回した。すると、眉毛のない男子高校生が股の下へ手を伸ばし、おちんちんの袋を揉んだ。首筋に息を吹きかけたり撫でたりする者もあった。このような新たな刺激に後押しされるようにしておちんちんが次第に硬くなると、有り難いことにお尻を打たれる間隔が長くなった。それでも手の動きが少しでも遅くなるとたちまち叩かれるので、一定の速さで動かし続けなければならないことに変わりはないけれども、ばしんと打たれるたびに乱高下する快感の水位がもうそれ程乱されることなく少しずつせり上がると、下腹部からじんじんと伝わってくる性的快楽の波に合流した。そして、みんなに見られながら素っ裸でオナニーをしている自分、という自己意識が不意に反転して積極的に快楽を進める側に移り、とうとう僕を射精寸前まで追い詰めた。
 いやがる僕に無理矢理オナニーさせておきながら、女の人たちは無許可の射精を蛇蝎のように嫌う。バスの中の女子高生たちも例外ではなかった。合図を出すまで射精は禁止、その代わり合図が出たら間髪を入れずに射精すること。これが僕の耳元で囁かれた命令だった。いつでも射精できるようにスタンバイ状態でいなければならないため、おちんちんを扱く手も適宜緩めるのだけれど、事情を知らない後ろの女子高生たちは、僕が怠惰から手を休めているものと勘違いをしてお尻を叩いた。猿轡のボールを噛まされている僕が申し立てもできずに苦痛の呻き声を上げると、命令を下したリーダー格の女子高生は大いに僕に同情して、お尻を叩いた一人をやんわりとたしなめた。
 周囲の囃し声が一際大きくなった。性的な快感と羞恥の入り混じった一種独特の興奮が僕の頭の中を空白にした。女子高生たちはY美のジーンズに精液をかけさせようとして、Y美を前へ出させ、後ろへ逃げないように取り囲んだ。射精して女子高生たちを喜ばせたらさっさと僕を解放すると赤シャツがY美に約束したので、Y美はそれまでは静観を決めたのだったが、女子高生たちの魂胆を見抜くと、ポシェットからクッキーを包んでいたサランラップを取り出した。ルコの別荘を辞去する時、女の人たちは全員、お茶の時の残り物だと言ってルコからクッキーを貰った。道々、クッキーを齧るY美たちの後ろ姿を見て、素っ裸の僕はひもじい思いに駆られ、何度も生唾を飲み込んだ。サランラップは、その時のクッキーを包んだものだった。女子高生たちはY美の用意の良さに驚いていた。
 綺麗に四角に折り畳まれていたサランラップをY美が長い指を使って広げ、おちんちんの先に据えた。
 射精の時は、腰を前へ突き出して精液が勢いを得るようにしろと眉毛のない男の人が命じた。女子高生が僕のお尻を鷲掴みにすると、「こうするのよ」と言って何度もお尻を前へ押し出した。そのうち、不良男子と女子高生が一緒になってカウントダウンを始めた。僕は女子高生にお尻を押されて腰を前へ突き出したタイミングで我慢に我慢を重ねた精液を放出した。
 黄色い歓声がどっと沸き起こり、バスの車内放送を完全にかき消した。
 勢いよく飛んだ精液は見事にサランラップの中に収まった。おちんちんの先端から垂れる数滴の精液もサランラップで拭き取られた。Y美は、両の手のひらにサランラップを乗せたまま、曲げていた膝をゆっくり伸ばし、そこに溜まったどろりとした精液を周囲の人たちに見せた。「すごい量だな」「随分出してなかったんじゃないか」などの感想が飛び交い、依然として衣類に覆われることのない僕の肌を朱に染める。Y美が今日初めての射精だと告げた。女子高生たちは、Y美が僕の射精を管理しているのだと知って、Y美が僕にとってのどんな存在であるか、大よその察しがついたようだった。
 Y美は、僕に食べさせたい物があるからと言って、男の人たちに僕の猿轡を外させた。
「クッキー食べたかったんだろ? 欠けらがあるから食べなよ」
 硬いボールを口から出した途端、いきなりY美がサランラップを僕の顔面に被せた。精液が鼻の下から口へ垂れる。クッキーを包んでいたサランラップにクッキーの欠けらが何粒か残っていたかもしれないが、Y美はサランラップごと精液を僕の口に押し込むことに専念し、鼻をつまんで無理矢理飲み込ませた。咳き込むと、指の間に唾液に濡れたクッキーの欠けらが付着した。周囲の高校生たちは、Y美の思いもかけない行動に驚いたようだったが、すぐに面白がって称賛の拍手を送った。
 後方の女子高生たちが射精の瞬間を見逃した、と騒ぎ、僕をもう一度射精させようという悪夢のような声が重なるようになった。幾らなんでも射精したばかりなのにまた精液を出すなんて、できない。お願いですから許してください、もういやです、と訴えたつもりが恐怖と羞恥に圧倒されてうまく言葉に変換できなかったようだった。男の人たちが僕の舌足らずを口真似して女子高生たちから笑いを取った。
 バスは町の中心部を抜けて、住宅街のある山に向かった。この山を下ってから大きく西方向に回って、ようやく目的の停留所に着く。まだ長い道のりだった。僕は、左右の座席の女子高生たちに四肢を引っ張られ、身動きできない状態にされた。おちんちんか元気を回復するまで、つまり、射精ができるようになるまで、罰を与えるというのが男の人たちの考えだった。彼らは、お尻叩きの刑から解放されたければ、早くおちんちんを回復させよ、と僕を脅した。同性であれば、身に危険の迫った緊張を強いる状況でおちんちんを大きくさせるのがどれだけ難しいか分かってくれると思うのに、この学業を放棄してエネルギーを持て余した高校生たちは容赦なかった。
 なぜ彼らは素っ裸の僕の四肢を広げさせて、お尻を叩くのか。高校生が中学一年生の、しかも真っ裸の僕を集団で苛めるというのは、尋常ではない。いかに彼らが粗暴であっても、普通はこのような真似はしない。
 その原因を作ったのはY美だった。Y美が女子高生たちの前で男の人たちに平手打ちをし、股間を蹴っては嘲笑するという、男の人たちの自尊心をいたく傷つけることをしたものだから、もう男の人たちは正常な判断を失ってしまった。
 しつこく名前や住んでいる場所のことを聞かれ、挙句に体を触られたY美は、相手が自分よりも明らかに腕力の勝っている男の人たちであることを忘れたのか、力いっぱい男の頬を平手で連打し、止めに入った他の男の人たちにまで暴力を振るった。あまつさえ股間を蹴られて蹲る何人かの男の人を嘲笑した。女子高生たちの間からくすくすと忍び笑いが起こった。女の人の前では格好よく決めていたいと考える彼らにとって、これは到底我慢しかねる醜態だった。
 その怒りのはけ口が僕に向かった。まさか年下の女の人であるY美にやり返す訳にはいかない、とまでは考えられたが、そこが彼らの限界であり、年下の裸の僕を苛めるのは問題ないのか、ということまでは思慮が及ばなかった。男だから構わないだろう、少なくとも女の子を殴るよりはマシだろうとでも漠然と思ったのだろうか。周囲の女子高生たちの無責任な囃し声も彼らの背中を後押ししたようだった。
 ふたたび穴のあいた白いボールの猿轡を噛まされた僕のお尻を男の人たちが交代で叩く。私にも叩かせて、と何人かの女子高生が申し出て、雨傘を使って男の人たちに負けないくらいの力で叩いた。この不条理な激痛の嵐から助けてください、と猿轡から漏らす呻き声とともにY美に目で訴えるのだけど、Y美は男の人たちに体を触られた不快さがまだ拭えないのか、怒ったような顔をして黙って正面の僕を見つめるばかりだった。小さく縮んだおちんちんを不良の男の人が手に取ってぶらぶら揺らしながら、Y美に「これがあんたの彼氏のちんちんかよ。鞄に付けるアクセサリーみたいじゃんよ」と言うと、女子高生たちが一斉にげらげら笑った。
「彼氏じゃねえって言ってんだろうがよ」
 低い声でY美が返すと、男の人は黙ってしまった。女子高生たちはまだくすくす笑っていたけれど、Y美に睨まれて、すぐに笑いを引っ込めた。
 もう勃起できるくらいになったかと赤シャツが訊ねるので、お尻叩きから解放されたい僕は慌てて何度も頷いた。と、Y美が赤シャツの脇腹を小突いてどかすと、両腕を広げた状態で立たされている僕の前に来て、話し掛けた。
「おしっこしたいんじゃないの?」
 特に尿意の覚えはない。猿轡を噛まされて返事のできない僕は、Y美がどういう意図で質問するのか分からず、恐ろしい不安を抱きながら首を横に振る。しかし、Y美はしつこく聞いてきた。まるで「おしっこしなさい」と強要するようだった。僕が抵抗の意味を込めて何度も首を横に振って断ると、とうとうおちんちんの皮を摘ままれ、ぐるぐると回しながら引っ張られた。せめては腰をうんと前に出して、痛みを少しでも和らげようとしたけど大した効果はなく、激痛に言葉にならない叫びが猿轡の間から漏れた。Y美がもう一度おしっこのことを訊ねた時、僕は口中のボールに封じられた舌を必死に動かして、「しますします」と叫んで承知をした。不良の男の人がファーストフードで買った飲み物の紙コップを取り出して、Y美に渡す。僕自身の口からはっきり「おしっこをさせてください」と懇願させるため、Y美が僕の猿轡を外すように男の人たちに言った。年下の女の人に指示されるのが気に入らなくて仕方がないが、といって逆らうこともできない。このことで男の人たちは、明らかに不満とやり場のない怒りを募らせているようだった。もう軽口を叩いて女子高生たちを笑わせることもない。
「おしっこをさせてください」
 Y美に向けていた体をくるりと回転させられ、後部座席の女子高生に向かって、素っ裸のままお願いさせられた。手で隠していたおちんちんは、すぐに背中へねじ曲げられてしまった。女子高生がMサイズの紙コップをおちんちんに被せた。紙コップの縁がおちんちんの根元や袋に当たる。おしっこの出るところが見えない、という声を応えて、紙コップの位置が少し下げられた。もう一人の女子高生がおちんちんを指で挟み、おしっこが紙コップから出ないようにした。
 複数の手が僕の乳首とお尻を同時に抓った。背後にいるY美が僕の耳元に口を寄せて、乳首を抓る指が放れたらおしっこをするように命じる。最初にお尻から、続いて乳首から指が放れ、僕の剥き出しの肌を撫でた。それほど尿意はなかったにもかかわらず、検尿の時のようにおしっこを出す。女子高生たちから歓声が上がった。おしっこを出し切ったおちんちんが女子高生の手でぷるんぷるんと振られる。
 紙コップの半分くらいを満たしたおしっこをY美が飲み干すように命じると、バスの中はエンジン音だけを低く唸らせる静かな空間になった。不良の男の人たちも女子高生たちも、Y美の恐ろしい命令にぞっとしたようだった。おしっこが異常に臭いからこのままバスの中に置く訳にはいかない。周囲の人に迷惑だというのがY美の僕におしっこを飲ませる口実だった。実際、僕のおしっこは、僕自身がおしっこを飲まされるようになってから、随分と臭うようになっていた。
 臭いから早くどこかにやってほしい、とか細い女の人の声が後部座席の方からした。Y美の命令が至極まっとうであり、苛めではないことを明かすような、切実な声だった。この声に力を得たのか、Y美に同調して、「早く飲んでよ」「飲みなさいよ」という声が周囲から聞こえるようになった。
 紙コップを両手で持った僕は、意を決してこれを口元に運び、喉に流し込んだ。「嘘だろ」「ほんとに自分の小便を飲んでるよ」という感嘆が耳に入ってくる。おしっこを飲んでいる間、じっとつむっていた目を開けると、後部の広い窓から一本の長い坂道の下りが見えた。バスは小高い丘の頂上に到着しかかったところだった。
 せいぜい五分か六分の乗車時間とY美は思っていたのかもしれないが、誤って町の中心部を経由するバスに乗ったせいで、素っ裸の僕は、こんなにも長い苛めの時間に耐えなければならなかった。乗客の入れ替わりはほとんどなく、女子高生も不良の男の人たちも誰も降りない。ずっと立ちっぱなしで疲れただろうと眉毛のない男の人に言われて、頷いたところ、いきなり床に四つん這いにさせられた。
 女子高生が僕の足の裏をまじまじと見て、ずっと素っ裸のまま歩かされていた割にはきれいだと指摘すると、すかさず別の一人が「すごく雨が降ってびしょびしょの道を歩いてたからでしょ」と鼻で笑うように返した。四つん這いにされ、身動きができない状態にされた僕のお尻の穴に手が伸びてきた。ぐっとお尻の穴が広げられる。悲鳴を上げて許しを乞う僕の口に再び穴のあいた白いボールの猿轡が嵌められる。面白半分にお尻の穴に何か入れてみようということになり、要らなくなった消しゴムが集められた。どれも小さな消しゴムの切れ端だった。
 動くな、力を抜け、と男の人たちに怒鳴られ、お尻をぴしゃりと叩かれる。四つん這いの姿勢のまま、僕は股を開き、お尻を心持ち上に向けてなるべく力を抜く。それでも異物がお尻の穴に挿入されると、体が硬くなってしまう。その度に怒鳴られ、お尻を叩かれる。とうとう女子高生たちから集めた三つの消しゴムを全てお尻の中に入れられてしまった。女子高生たちは、僕のお尻の穴が意外に広がること、消しゴムが思ったよりも容易に入ったことに感動していた。
 お尻の中に重い異物感があった。消しゴムの切れ端を三つも入れられた僕は、腕を取られ、四つん這いの姿勢から起立させられた。射精の瞬間を見逃した女子高生のために、もう一度射精させられることになったのだった。
 射精を見損なってもう一度是か非でも見たいと言い張った女子高生が前に来て、指で作った輪っかをおちんちんに嵌めた。僕が自ら腰を揺すって、おちんちんに刺激を与えなければならない。不良の男の人や女子厚生が囃す中、僕は腰を前後に激しく揺すった。
 そのうち女子高生の方でも指の輪っかを動かし始めた。輪っかが動き出したからって腰を休ませては駄目だ、とお尻を叩かれる。おちんちんが次第に硬くなり、先っぽが少しずつ上向きになった。官能的な刺激が全身に満ちてきて、羞恥の念とともにその官能に抗う僕を、周りの人たちが冷やかした。子供のくせによがってる、と言ってあからさまに侮蔑する女子高生がいた。腰を動かし続ける僕に「これで最後だから。射精したら自由にしてあげるからね」と声援を送る女子高生もいた。おしっこの時に使われた紙コップを女子高生が持って、最高度に大きくなったおちんちんの先に構える。
 猿轡のせいで、射精をはっきり知らせることはできなかった。僕自身は「いく」と言ったつもりでも、周りにはただ一際大きく呻いたようにしか聞こえなかったらしい。それでも、前回見損なった女子高生たちは今後こそはしっかり射精の瞬間を目撃して満足したらしく、ティッシュでおちんちんの先を拭ってくれた。紙コップの底に澱んだ精液を女子高生たちが回し見ている。「これが男の人の出す精液なのか」と初めて見たような感想を言う人が何人もいた。
 一通り回った後、紙コップがY美の手に渡された。それとなく期待がY美に寄せられたようだった。不良の男子高生が僕の口から猿轡を取った。Y美はその期待に応え、射精を終えて床に正座させられている僕の後ろ髪を掴んだ。
「自分で出したもんだから、自分で後始末しないとね」
 無理矢理顔を上げさせられた僕の口に紙コップを当てる。自分で持て、とY美が小声で命じるので、僕はすぐに紙コップを受け取り、口から離した。コップの底に今さっき出した精液が淀んでいる。髪の毛を引っ張られて立たされた僕は、皆の見ている前で再び紙コップの中の精液を飲むように強制された。飲む時も両手でコップを支えるように指示される。勿論股の間におちんちんを隠すことなど許されない。
 際限なく続く苛めに足が震える。観念した僕は口に当てた紙コップを思い切って傾け、皆の前で出した精液を口に含んだ。小さく縮んだおちんちんがぷるぷると震えている、と誰かが指摘し、皆の笑いを誘った。
 何度も飲まされている精液がどろりと喉を下ると、突然、激しい便意に襲われた。お尻の穴に入れられた消しゴムの切れ端が腸を刺激し、肛門を内側からきりきりと圧迫する。僕は片手でおちんちんを隠し、もう片方の手で下腹部を擦りながら、羞恥と便意の苦しみに身悶えして、トイレに行きたい旨を訴えた。
「もうすぐ降りるんだよ。我慢しなよ」
 消しゴムの切れ端が栓になってうんちを押しとどめている。Y美の言葉を信じて、次のバス停、次のバス停と自分に言い聞かせる僕に、不良の男の人たちや女子高生の好奇に満ちた視線が容赦ない。そのうち、バスは住宅街を抜けて再び大きな幹線道路に入るための橋の手前で渋滞にはまってしまった。
「ここはいつも混むよね」
「混むよね」
 猛烈な便意に襲われて体を小刻みに震わせる一糸まとわぬ僕をちらちら見ながら、女子高生たちが頷き合っている。苦しむ僕の姿を少しでも長く眺められるのを楽しみにするかのような、朗らかな調子だった。僕は、いっそのことバスの窓から抜け出して川に入ってお尻の苦しみから解放されたいと思った。
 もう限界が近い。このままではバスの中で粗相をしてしまう。Y美に訴えると、乗客の誰かが透明なゴミ袋を渡してくれた。僕の下半身がすっぽり入るくらいの大きなサイズのごみ袋だった。
 左右に二人掛けの座席が続く通路にしゃがみ込んだ僕は、お尻から太腿にかけてゴミ袋が被さっているのを確認してから、みんなの視線の集まる中、ついにうんちを出してしまった。女子高生たちから悲鳴とも歓声ともつかぬ声が響いた。バスの他の乗客もこの異常な事態にどよめいた。僕はY美から渡されたティッシュで泣きながらお尻を拭いた。ゴミ袋の中の排泄物には、消しゴムの切れ端が混じっている。女子高生たちは、自分たちが僕のお尻の中に詰め込んだのと同じ数だけそこにあるのを確認した。
 ようやくバスがバス停に着いた時、僕は、自分の排泄物を入れた透明なゴミ袋を持ってバスを降りた。後方のドアから降りればいいのに、Y美はわざわざ前方のドアまで僕のお尻を叩きながら進ませた。バスの乗客全員からあからさまな軽蔑の視線を受ける。バスの運転手さんは僕を見てにっこりと笑った。多くの不良の男の人や女子高生が同じ停留所で下車した。皆、三々五々に散った。
 バス停でY美が声を掛けられた。同じ学年の女の人だった。メライちゃんと一緒にいるところを何度か見たことがあるので見覚えはあったけど、名前は知らなかった。でも、彼女の方では僕のことをよく知っているようだった。僕をじろじろ眺めながら、なぜナオス君は裸なのかY美に訊ねた。バスの中でうんちを漏らし洋服も靴も全部汚したから没収したのだとY美が答えると、その女の人は、僕の手に持っている透明なゴミ袋の中身がうんちと知って、嫌悪感を露わにして顔を背けた。しっかりおちんちんを隠す僕の手をY美が無理矢理広げさせるので、僕は、とうとうこの名前を知らない同級生にもおちんちんを見られてしまった。彼女は、「バッカみたい」と吐き捨てるように言って小さく笑った。


14 コメント

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Unknown (赤シャツ)
2014-04-23 22:20:47
久しぶりの更新、ありがとうございました。
Unknown (Unknown)
2014-04-24 23:18:15
更新ありがとうございます!
待ってましたよ!
Unknown (Unknown)
2014-04-25 20:07:43
更新ずっと待ってました!
Unknown (Unknown)
2014-05-01 01:15:57
応援しています
久しぶりの更新ありがとうございます (櫂)
2014-05-01 12:42:48
相変わらすの文章表現凄いですよねー何より筆者がお元気で良かったです。これからもよろしくお願いします
Unknown (Unknown)
2014-05-01 22:39:10
やはり男が出てくると、物凄く気持ち悪いだけ。
Unknown (Unknown)
2014-05-03 10:55:55
俺は男が出てくると、物凄く興奮するがな
ナオスきゅんが男に苛められると、すごく萌える

つくづくフェラシーンのカットが残念で仕方が無いよ
Unknown (Gio)
2014-05-24 14:09:30
更新お疲れ様です。
信じて待っていた甲斐がありました。
今回のバスもですが、最近のY美は積極的にナオスさんを不特定多数の人に見せるようにしてますね。
何が目的でしょうか?
ともあれ引き続き応援しています。
Unknown (九田)
2014-06-01 14:46:58
最後は主人公が究極のマゾヒズムに目覚めて終わるのでしょうか もしそうならY美が自分のした事を反省する事はあるのかな バスから降りてきた素っ裸の男の子を見てメライちゃんの友人の心には正義感が沸くのか嗜虐心が沸くのか 続きが気になります
アナルは? (Unknown)
2014-06-02 16:53:46
おちんちんばかりが目立ちますが、アナルはどうなってるんでしょうね?おしりに何か入れられたままだと勃起が治まらないだろうからその状態で全裸でいればすごいのに。

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